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企業情報サステナビリティ

経営者メッセージ

社会イノベーション事業で社会課題の解決とQuality of Lifeの向上をめざします

株式会社 日立製作所 執行役社長兼CEO 東原敏昭

私たちは今、社会や経済の情勢の予測が困難なVUCA(Volatility, Uncertainty,Complexity, Ambiguity)の時代に直面しています。この不透明な時代には、都市化や高齢化による人口構造の変化、気候変動や資源不足の問題など、私たちの生活にかかわるさまざまな変化の波が押し寄せています。そのため、Society 5.0やSDGsに代表される社会課題の解決に貢献できるイノベーション創出を担う企業に対して、世界中が大きな期待を寄せています。特に、デジタル技術を用いた高度な社会インフラに対するニーズはグローバルで高まっており、日立への期待も大きくなっています。
VUCAの時代だからこそ、常に立ち返るべきものは、日立の原点である企業理念「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」です。創業時から109年間、一貫して私たちの事業の中心にあるこの企業理念は、「社会が直面する課題にイノベーションで応える」という日立グループ・ビジョンにつながっています。世界中で事業を展開する日立は、グローバルリーダーとして、SDGs達成に資する社会イノベーション事業を加速し、社会課題の解決を実現していくミッションを担っているといえます。

2019年5月に発表した「2021中期経営計画」では、社会イノベーション事業のグローバルリーダーとして持続可能な世界を実現し、「社会価値」「環境価値」「経済価値」の3つの価値を同時に引き上げ、人々のQuality of Lifeの向上、お客様の価値の向上を図ることを掲げました。日立は、デジタル技術でインテリジェント (高度) な社会インフラをグローバルに提供し、人々のより良い暮らしを実現する企業をめざしています。それを可能にするのは、5馬力モーターから始まる日立の100年を超えるモノづくりの中で培った、制御・運用技術 (OT)、そして50年にわたるITの蓄積です。OT×IT×プロダクトをもつ日立だからこそ、社会が抱えるさまざまな課題の解決に貢献できる強みがあります。
社会課題の中でも、中期経営計画で環境価値の向上を挙げている通り、気候変動は日立にとって重要な課題であると認識しています。日立のバリューチェーン全体におけるCO2排出量を算定すると、販売した製品・サービスの「使用」に伴うCO2排出量が約9割を占めています。お客様や社会に対し、より少ないエネルギーで、より多くのバリューを創出する脱炭素ビジネスを強力に推進し、低炭素社会の実現に貢献していくことは日立の責務でもあります。
私は日立と聞くと誰もが「イノベーションパートナー」を想起してくれる企業にしたいと考えています。そのためには世界中の多様なステークホルダーとの協創を加速し、「イノベーションエコシステム」を構築することが重要になります。
SDGsに代表される社会課題の解決に挑んでいくため、大学との協創、中央研究所内に開設した「協創の森」でのオープンイノベーション、ベンチャーキャピタルへの投資などを通じ、次の新しいイノベーションの「芽」を常に育て、社会課題の解決に向けたアイデアの進化や実装に向けた取り組みを強化していきます。

また「人財」こそ、社会イノベーション事業の成長ドライバーです。社会インフラに直結する日立の事業は、すべて社会への貢献につながるということを、社員が日々の仕事の中で実感していくことが極めて重要だと思っています。人財は日立が掲げる社会価値を構成する大きな要素の一つです。中長期で日立のめざす姿の実現に向けて、社員一人ひとりが、自分の仕事がお客様はもちろんのこと、お客様の先にある社会にどのような価値をもたらすのかを考えて日々仕事をすることで、社会・環境・経済価値の提供を通じた社会への貢献をより一層追求していきたいと考えています。

株式会社 日立製作所
執行役社長兼CEO
東原敏昭

役員メッセージ (CSR・環境)

サステナビリティ戦略のさらなる経営統合を図ります

株式会社 日立製作所 執行役常務  渉外、CSR・環境戦略、エグゼクティブサポート担当 内藤 理

近年、気候変動、急速な人口の増加など、私たちを取り巻く社会はかつてないほどのリスクに直面し、その持続可能性が脅かされています。2015年に欧州連合(EU)が資源の有効活用を経済成長につなげるサーキュラーエコノミー(循環型経済政策パッケージ)を発表して以来、企業はサステナブルなビジネスモデルへの転換を迫られています。企業は事業そのものでSDGsに代表される社会課題を解決していくこと、そして、サステナビリティへの取り組みを経営や事業戦略にいかに統合させていくかが一層問われるようになってきました。
創業以来、日立は「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念を一貫して事業の中心に置き、社会イノベーション事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献すべく、サステナビリティを考慮した経営を実践してきました。今後は、世界の潮流に呼応し、より一層サステナビリティ経営を推進し、持続的な企業価値の向上に努めます。
日立は、2019年5月に発表した2021年度を最終年度とする「2021中期経営計画」において、社会・環境・経済価値を同時に向上させることで持続可能な世界の実現に貢献していくことを目標に掲げました。そのためには、サステナビリティを経営課題として捉え、ガバナンスを進化させていくことが必要です。2017年には日立グループのサステナビリティ戦略を経営・事業責任レベルで議論・決定することを目的とした「サステナビリティ戦略会議」を発足させ、執行役社長兼CEOが議長となり、経営会議のメンバー、および各ビジネスユニット(BU)のCEOを会議メンバーとしています。2018年度6月開催のサステナビリティ戦略会議では、気候変動への日立の対応や事業によるSDGsへの貢献など「2021中期経営計画」達成に向けたサステナビリティ戦略の統合について、また、12月開催の会議では、環境長期目標(CO2削減)達成のための具体的施策として、脱炭素ビジネスの拡大や日立インターナルカーボンプライシング(HICP)制度の導入について審議したほか、経営基盤となる人権、CSR調達、人財育成などのコーポレート施策や、サステナビリティに関するステークホルダーエンゲージメントおよび具体的なESG情報開示などについても審議しました。
気候変動問題は日立が重要視する経営課題の一つであり、2016年度に発表した環境長期目標「日立環境イノベーション2050」で、グローバルなバリューチェーンを通じてCO2排出量を2050年度に2010年度比で80%削減するという目標を立て、日立のバリューチェーン全体で発生するCO2を削減する努力を進めています。また、高度循環社会の実現に向けて、日立が使用する水・資源の利用効率改善と水不足への対応を推進するとともに、自然共生社会の実現に向け、自然資本へのインパクトを最小化すべくプラスチックを含む資源の有効活用に取り組んでいます。
近年は投資家を含むステークホルダーから気候変動に関する情報開示の要請が高まっており、日立でも気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応を進めています。日立は、2018年度に経済産業省が企業および金融界を集めて開催した「グリーンファイナンスと企業の情報開示の在り方に関する『TCFD研究会』」に参加し、「気候変動関連財務情報開示に関するガイダンス(TCFDガイダンス)」の策定に向けて、グローバルな企業と投資家との建設的な対話を促進する開示の在り方について議論しました。本レポートではTCFDに関するこうした議論も踏まえつつ、日立の事業における気候変動に対する機会とリスクへの戦略について記載しています。
その他、日立のESGにかかわる活動の詳細は本レポートに記載していますのでぜひご一読ください。
日立はこれからも、ステークホルダーの皆様との対話や積極的な情報開示を通じ、社会と企業の持続的成長をめざしていきます。

株式会社 日立製作所
執行役常務
渉外、CSR・環境戦略、エグゼクティブサポート担当
内藤 理

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