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企業内の業務をより効率的に運用するためのソフトウェアの研究開発を行っています。特に、ソフトウェアを"早く安く巧く"作り出すための「ソフトウェア工学」に関する部分を担当し、お客様先のビジネスのコアとなる巨大な基幹系業務を支える技術の開発に携わっています。こうしたソフトウェア技術は社会の隅々まで浸透し、海外における技術革新のスピードも非常に速いため、その動向に常に注目しておくことが必須です。巨大市場が広がる海外で求められている技術をいち早くキャッチし、主要な国際学会の発表論文に目を通して技術のトレンドを把握することも業務の一つとなります。もともと私はコンピュータサイエンスの動向に興味があるため関連する論文には常に目を通しており、そこで得た情報を社内でマメに発信することで周囲から重宝がられています。自分の興味を追求しながらキャリアを発揮していける職場環境です。

21歳で単身カナダに渡り、約8年かけてコンピュータサイエンスを学びました。最初は雑談や日常会話に馴染めず孤独感との闘いでしたが、そんな私を支えたのは学問への探究心です。高等専門学校で学んだ専門教科が留学先で単位として認められて大学2年に編入することができ、日本において既習の内容を英語で繰り返し学べたことも追い風となりました。大学3年次にコンピュータの限界に関する定理を学び、その理論の美しさに感化され、大学院では180ページの博士論文を書き上げました。学問の喜びを教えてくれた留学生活は、まさに私の財産です。また、世界各国の留学生から日本の文化や歴史、産業について問われたことをきっかけに、改めて日本人としての自覚や日本の素晴らしさ、日本人の誇りを実感することができました。今では、次世代に良き日本を残していきたいと切に願っています。

欧米の研究機関に進み、コンピュータサイエンスをさらに追求する道も検討しましたが、次第に企業に就職し、事業を通じて直接的に社会に貢献したいと思うようになりました。修士課程を終えて一時帰国し、4ヶ月にわたり日本企業のインターンシップを経験した際、企業で自分の強みを活かして働くことに手ごたえを感じられたことが大きな理由だと思います。また、留学生活を通して日本人としてのアイデンティティを強く意識したこともあり、日本企業から世界に発信していきたいと考えたのです。大学院では理論研究を専門としており、ソフトウェア技術の可能性を思索する仕事に就きたいと考えて、研究所を持つ企業に絞り込みました。日立に決めた理由は事業範囲の広さです。私は根っからの"新しいもの好き"なので、日立なら電力や鉄道、家電などあらゆる分野における技術開発に携わることができると考え、ここなら面白い仕事ができると確信しました。近年、日立は社会インフラを手がける企業として対外的にも認知されています。現実社会にインパクトを与えるような研究に携わることができて、自分の判断は正しかったと思っています。
大学や大学院を通じて、多角的に理論を捉える訓練を重ねられたことが大きな収穫です。そして、日本のやり方は数多くの方法論の一つに過ぎないという広い視野を手に入れたことも大きな気づきでした。国際色豊かなカナダの大学には各国から留学生たちが集まり、非常に多文化的な環境です。教授たちも学生と対等の立場で接し、理解しようと努めてくれるので、活発にディベートが行われる中で、論理立てて議論することでお互いにわかり合い、真に強い絆で結ばれるという貴重な体験をしました。こうした体験を通して、誰とでも対等に議論をする姿勢が身についたと思います。私は、仕事を進める上で理解できない部分や疑問点があれば、相手の立場に臆することなく素直に尋ねます。物事を率直に語る能力や物事をシンプルに捉える姿勢が、研究者としての評価につながっていると思います。

2004年の夏に数社の日本企業にコンタクトを取り、翌年3月に日立に入社しました。博士論文が受理された時点で大学院卒業となるため、ある程度目処が立った時点で就職を考え始めたのです。時期的にも一般的な日本の就職活動のサイクルとはかけ離れており、まずは各社の採用サイトを調べて、海外大学卒もしくは博士卒を通年採用している企業を探しました。実際、通年採用している企業数は少なく焦りもありましたが、あくまでも私の経歴を考慮してくれる企業で専門性を活かしたいと考えていました。各企業の人事担当にメールを送り、一時帰国して面接を受けました。同期入社が既に内定者懇親会を終えた時期だったにも関わらず、臨機応変に対応してくれたことに感謝しています。最終面接では自信を持って専門性をアピールしたことが評価されました。

| 起床 至急のメールが来ていないかをすばやくチェック。 |
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| 通勤 通勤時間は貴重な読書タイム。論文をはじめとして、直接業務に関係なくても興味のある技術関連の書籍に目を通す。 |
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依頼元の事業部との打合せ。定期的なミーティングだが、今後の事業展開の課題と育成すべき技術を議論する大切な機会。上の職位の方とも対等なコミュニケーションを求められる。 |
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| 昼食 社員食堂でランチ後、広い研究所の敷地内を散歩。緑に恵まれた環境の中で、イタチやリスに遭遇することも。 |
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検討する課題は多岐に渡る。多くの資料を広げ、マインドマップを用いて思考を整理する。ときには廊下や他の部屋に行き、気分を切り替えることで思考を噛み砕き熟成させる。 |
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| 資料作成 考えた内容の資料化に着手。大まかな構成を考えて、内容を具体化していく作業。企業研究者として、常に事業目的を念頭に置いた研究資料の作成が求められる。 |
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思考の回転が落ちてきたと感じたら、外を見ながら軽食でリフレッシュ。 |
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| 退社 一日の中で最も集中力が高まるとき。一気にアイディアをアウトプットする。出し切ったな、と感じたときには無理をせず帰宅。 |
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| 帰宅 より効率的な明日を迎えるためにリフレッシュは必須。帰宅後は仕事のことは考えず、子どもと一緒に楽しく過ごす。 |