ICCE 2012にて発表
2012年2月9日

写真1 発表風景
2012年1月13日から16日にかけて、ICCE (International Conference on Consumer Electronics) 2012が開催されました。ICCEはIEEE Consumer Electronics Societyが主催し、世界最大のエレクトロニクスショーであるCESの併催学会として、米国ネバタ州のラスベガスコンベンションセンターで毎年開催されています。テーマはコンシューマエレクトロニクス全般の、映像・オーディオ・ネットワーク・放送・ストレージ・スマートグリッド・車載・ヘルスケアなど幅広い分野に渡り、今回は357件の発表がありました。
日立製作所 横浜研究所からは、「Very Low-Delay H.264 Codec for Consumer Applications」「Shingled File System」「Terabyte Holographic Recording with Monocular Architecture」「A Low Cost Noise Reduction Technology for Compressed Video」「New Video Processing Methods to Improve Apparent Gloss」 の5件を発表しました(写真1)。そのうち、以下に「New Video Processing Methods to Improve Apparent Gloss」の概要について説明します。
これまで横浜研究所ではさまざまな映像処理技術を開発してきましたが、新たに映像の光沢感向上技術を開発し、その成果を発表しました。新たな技術では次の2段階の映像処理を施します(図1)。第1段階が特に明るい光沢を示す部分である鏡面ハイライトの中心とその周辺の輝度差を大きくする処理、第2段階が鏡面ハイライトの面積を拡大して見かけ上明るくする処理です。各段階でそれぞれ光沢感の改善効果が得られますが、2段階の連続処理でより高い光沢感向上効果が得られました。
これらの処理方法を決定後、次に各段階の最適なパラメータ設定を検討しました。この最適な条件を決めるためには、光沢感の評価が必要になります。そこで、次に光沢感の定量評価方法を検討しました。各段階の処理が光沢感の改善に寄与する要因を分析して定量評価方法を検討した結果、第1段階は映像の輝度ヒストグラムから得られる歪度という数値を指標とする評価方法が有効であり、第2段階はハイライトに付加されたエネルギー量を指標とする評価方法が有効でした(図2)。このようにして得られた評価方法を用いて、光沢感を向上させるための最適な処理条件を見出すことができ、その成果となる映像を発表しました。
今回の成果はテレビのほか、プロジェクタ、タブレット端末、車載ディスプレイなど、さまざまな映像装置に応用していきたいと考えています。
(横浜研究所 長谷川 実 記)