ページの本文へ

Hitachi

災害時の一斉避難誘導

画像
災害時の一斉避難誘導
自動運転を使って、災害時の避難を
スムーズに行うことはできないだろうか?

走行車両を都市全体で管理する

画像

災害時の渋滞問題

地震や津波などの災害発生直後の避難時には、大勢の人が移動するため、どうしても混雑が発生してしまいます。
東日本大震災でも各所で渋滞が発生し、避難場所への移動や緊急車両の通行などの妨げとなってしまいました。
また、街中の移動が困難であり、交通事故にあうリスクが高い高齢者や障害者の人口は増加しており、確実な避難の実現が課題となっています。どうすれば、災害発生時に、交通渋滞を起こすことなく、避難支援を必要とする方が確実に避難できる環境を作れるでしょうか?

画像

自動運転車の包括的な統制

高度な交通制御によって、都市全体で走行する車両を管理することができたらどうでしょう。
災害時には、多くの人が普段とは違う行動をするため、平時にはうまくバランスをとって運営されていた仕組みが、そのバランスを崩して機能しなくなってしまいます。そこで交通も、街全体の車や人の動きを把握して、混乱が起きないように制御することが重要になります。街中の自動運転車を全体的に制御し、避難や待機の指示を一斉に行うことで、非常時にも多くの人が冷静に全体観を持った行動を取れるようになるのではないでしょうか。

画像

平時の制御と災害時の制御

自動運転車が大半を占める社会では、平時から走行速度の全体制御を行うことで、渋滞はなくなり、車は時間を正確に読める移動手段となっていることでしょう。
この全体制御の仕組みを活用すれば、災害が発生した場合に、緊急車両、支援車両、避難車両などの専用レーンを確保し、各車両の進行方向や交通量を管理することで道路の混雑を防ぐことができます。

画像
画像

要移動支援者の避難

バスなどの公共車両は、1人での避難が困難な要介護者などの移動支援に向かうようプログラムされます。
また、日中、子供だけで家で過ごしている家庭では、自家用車を使って子供だけで避難ができるようにプログラムが登録されており、親は子供に対して「お父さんとお母さんがいないときは、車の中に逃げて」と普段から伝えます。
多くの人がそれぞれの思いで利用する道路と自動車に対して、電車以上に高度な全体管理をすることで、平時も災害時もストレスのない安心で公平な移動環境ができるでしょう。

本件は、経済産業省の平成28年度スマートモビリティシステム研究開発・実証事業(自動運転による新たな社会的価値及びその導入シナリオの研究)の研究成果である。