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企業情報研究開発

2018年5月10日

発表者からのレポート


図1 BCシステム概要
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図2 想定するシステム構成と運用実行における問題点
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2018年2月26日から28日の3日間、IFIP International Conference on New Technologies, Mobility & Security (NTMS 2018) がフランスのパリで開催されました。IFIP NTMS は、コンピュータネットワーク(IoT、ワイヤレス、モバイル)やセキュリティを中心に広域なトピックを取り扱う国際会議であり、世界中から 100 名以上の研究者の参加がありました。今回、NTMSの併設ワークショップとして、ブロックチェーン関連の研究トピック全般を扱う1st International Workshop on Blockchains and Smart Contracts (BSC 2018) が開催されました。発表者は本ワークショップにて「Smart-Contract based System Operations for Permissioned Blockchain」というタイトルでブロックチェーンのシステム運用に関する発表を行いました。

近年、ブロックチェーン(BC)の一形態として、特定企業/組織間(コンソーシアム)のノードで形成する「パーミッション型BC」が特にエンタープライズ分野で将来の有望技術として注目されています。パーミッション型BCでは、ノード間で協調動作/同期しながら取引処理を行う「分散合意プロトコル」に加えて、契約や取引業務プロセスをプログラムコードとして記述して自動実行する「スマートコントラクト」を備えることを特徴としています(図1)。本BCを用いれば、複数組織間での業務取引/情報共有を非中央集権的に(中央機関を設けずとも)実施できるようになります。このようなパーミッション型BCを導入したシステム(以下、BCシステム)では、一つのシステムが複数組織の持ち寄ったリソース(ノード)で構成されると考えられるため、組織間で協調して行う必要のあるシステム運用作業(例: 台帳データの定期バックアップやスマートコントラクトの更新など)の整合性確保や実施スケジュールの調整など、運用が困難化することが想定されます(図2)


図3 提案方式
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本発表では、この問題の解決に向けたBCシステム向けの運用実行方式を紹介しました。提案方式では、BCの備える「スマートコントラクト」や「分散合意」の仕組みをシステム運用管理にも応用可能という点に着眼しました。具体的には、運用作業自体をスマートコントラクトとして記述することで、BCシステムを構成するノード間で合意形成/同期しながら、組織をまたいで一定内容の運用作業を同時実施可能とします(図3)

今後も引き続き提案方式を中心とした運用管理技術をブラッシュアップしていき、BCの実用が本格化するであろう近い将来にむけてBCシステムの安定稼働を支える技術の実現をめざしていきます。

(佐藤 竜也    記)

関連論文

  • Tatsuya Sato and Yosuke Himura, "Smart-Contract based System Operations for Permissioned Blockchain", BSC 2018, February 2018.
  • 佐藤竜也, "パーミッション型ブロックチェーンシステム向けスマートコントラクトベース運用実行方式", 信学技報, vol. 117, no. 388, ICM2017-48, January 2018.
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