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企業情報研究開発

2018年1月10日

発表者からのレポート


写真1 学会会場



図1 拠点配置・ルート配送問題
拡大図

2017年12月3日から6日までの4日間、インドネシアのジョグジャカルタで国際会議APIEMS2017 - The 18th Asia Pacific Industrial Engineering and Management Systems - が開催されました(写真1)。APIEMSは、アジア・パシフィック地域の生産管理(IE)と経営システム(MS)の研究者の交流を目的とした国際会議であり、年次で開催しています。APIEMS2017には18か国から参加があり、ロジスティクス、メンテナンス、情報システムなどのテーマに対して200件以上の発表が行われました。今回、わたしたちは上智大学と共著で「Location Routing Problem with Transportation Mode Options」と題して発表しました。

わたしたちの研究テーマは物流効率化です。インターネット通販の拡大とともに増大する商品の配送量。物流センタから日本各地へ商品を効率的に配送するためには、物流センタの配置と配送ルートを適切に決定しなければなりません。これまでの学術的な問題設定では、すべての納品先に自社の車両で配送するため、遠方の納品先へ少量の商品を配送する際には配送効率が悪くなっていました(図1左)。しかし、実際の配送業務では、遠方の配送を行っている協力会社へ配送を委託することで、非効率な配送を行わずにすませています(図1右)。では、具体的に、どの納品先への配送を協力会社へ委託すればよいのでしょうか?それを配送効率の観点から数学的に決定するモデルを考案しました。今回提案したモデルでは、単純に自社で配送する効率が良くなるように配送ルートを決定するだけでなく、各車両に対して自社で配送する場合と協力会社へ委託する場合の効率を比較して、協力会社へ委託する場合の方が効率良く配送できる場合には協力会社へ委託するように配送手段を切り替えます。この評価を実現するために、数学的に保証された最適解(厳密最適解)を得ることができる混合整数計画法としてモデル化をしました。


図2 数値実験結果
拡大図

納品先数が20以内の小さなデータを用いた数値実験により、協力会社へ支払う単価が高くなるにつれて自社の車両で配送する納品先が増えていき、適切に配送手段を選択できていることを確認しました(図2)。なお、本モデルは複雑な組合せ最適化問題であり、実規模のデータ(納品先数100程度)を一般的な混合整数計画法で解く場合には1日以上を要します。そこで、今後は、提案したモデルを高速に解くアルゴリズムの開発に取り組みます。

(細田 順子    記)

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