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2017年2月2日

発表者からのレポート

2016年12月13日から15日まで、札幌コンベンションセンターにて9th 2016 IEEE/SICE International Symposium on System Integration (SII2016) が開催されました。SIIは制御、ロボティクス、ネットワークシステム、ハードウエア、ソフトウエア、プラットフォームなど広範囲なシステムインテグレーション技術をカバーする国際学会です。今回は153の論文が、5つのorganized sessionを含む22のsessionで発表されました。

初日から突然の雪で新千歳空港が閉鎖され、少なくない発表者が予定のsessionに間に合わず、復活sessionが組まれる事態となりました。筆者は、急きょ旭川空港に着陸地を変更して15分遅刻で到着し、予定したAutomation systemsのsessionにてNear optimum assembly sequence generation(準最適化組立順序生成)を発表することができました。本技術は、組立製品の製造において、組立の作業性を最適化する組立順序を、実用時間内で組立品の3D-CADモデルから自動的に生成する技術です。聴講者は30名ほどで、ほとんどが海外、特にインド、中国、韓国などアジアからの参加者でした。発表後多くの質問があがりました。質問は本技術の経営戦略上の狙いから組立動作の選定方法に至るまで幅広く寄せられ、IoTへの関心が高まる中、工程設計システム化技術への注目度が上がっていることを実感しました。


図1 分解状態グラフ
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以下、本発表の技術の概要を説明します。組立順序の自動生成は、部品数の階乗に比例する計算時間が想定されるNP完全問題として知られています。組立順序の遷移をペトリネットで表現し、線形計画法を応用した従来の最適化アルゴリズムでは、部品点数が十数点の組立品への適用例しかありませんでした。これに対し本研究では、組立順序の遷移を独自のグラフdisassembly state graphで表現し、そのグラフ上の最短経路探索問題としてDijkstra法を適用しました。これにより、組立性を指標としたグラフの枝狩りが可能となり、実用時間内での準最適な組立順序の導出を実現しました。


図2 分解運動の算出
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図3 グラフィック処理による分解運動の干渉チェック
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本方式は、問題空間の大きさを、刈る枝数で設定することにより、計算時間を線形に制御することが可能です。組立順序に伴う組立運動を、部品間の接触面の状態から幾何学的に算出し、干渉する組立運動はグラフィック処理により事前に除去することにより、さらに効率よい組立順序探索を可能としています。147点の部品から構成される3D組立モデルに対し、組立順序を900秒で生成しました。本方式は従来のペトリネットに線形計画法を用いる方法に比べ、計算時間を1/10以下に短縮しました。


図4 総合的な計算時間
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図5 線形計画法と提案方式(ダイクストラ法)の計算時間比較
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(榎本 敦子    記)

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