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Hitachi

企業情報研究開発

2017年1月12日

発表者からのレポート

2016年11月17日から18日の2日間、東京工業大学田町キャンパスにて、3rd International Workshop on Image Sensors and Imaging (IWISS2016) が開催されました。IWISSはイメージセンサ、イメージングシステム、画像処理に関する研究会であり、今回は18件の講演と20件のポスター発表がありました。日立製作所は、「フレネルゾーン開口によるレンズレスライトフィールドカメラ技術」のポスター発表、ならびに開発したレンズレスカメラのリアルタイム撮像デモを行いました。


図1 開発したレンズレスカメラの構成
拡大図

本技術は、レンズの代わりに同心円パターンを印刷したフィルム(Fresnel Zone Aperture, FZA)を用いて、動画撮影後に容易なピント調整を可能とするカメラ技術に関するものです(図1)。レンズが不要となることでカメラの薄型軽量化を実現し、モバイル機器やロボットなどのデザインを損ねることなく、より自由な位置にカメラを設置することが可能となります。また本技術は、平面情報に加え、奥行き情報も画像センサーに記録することができるため、撮影後でも任意のピント位置で動画を再生することが可能です。


図2 レンズレスカメラ撮影原理
拡大図


図3 実験結果
拡大図

従来、レンズをなくすことで薄型軽量化を実現するレンズレスカメラは研究されていましたが、このカメラで撮影する画像の処理には多くの計算が必要であり、性能に課題がありました。そこで日立は、外側ほど間隔が狭くなるFZAを画像センサーの直前に置き、入射する光線が作る影に、画像処理内で同じFZAを重ね合わせると、光線の入射角に対応した間隔のモアレ縞が生じることに着目しました。このモアレ縞を利用することで、フーリエ変換と呼ばれる広く普及した簡単な画像処理で撮影画像を計算し、従来比1/300の低い演算負荷で撮影する技術を確立しました(図2)。さらに、1センチメートル角の画像センサーと、そこから1ミリメートル離した位置にFZAを配置して実証実験を行った結果、標準的なノートパソコンで毎秒30フレームで動画撮影できることを確認しています(図3)


写真1 発表風景

本技術に関して、IWISS2016開催の2日前である11月15日にニュースリリースを行ったこともあり、本発表の聴講のためにとても多くの方に来場して頂け、活発な議論をすることができました(写真1)。結果、BEST POSTER AWARDを受賞することができました。今後は、さらなる高画質化と実用化に向けた研究を進めたいと考えています。

(中村 悠介    記)

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