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企業情報研究開発

2017年5月29日

発表者からのレポート

2017年4月11日から13日までの3日間、モロッコのラバトで国際会議IEOM 2017 –7th International Conference on Industrial Engineering and Operations Management– が開催されました。IEOMは、生産管理(IE)と運用管理(OM)の研究者の交流を目的とした国際会議であり、年に一度、アジアまたはアフリカで年次大会を開催しています。IEOM2017には55カ国の大学・企業から参加があり、現場改善、在庫管理、サプライ・チェーン・マネジメントなどの幅広いテーマに対して500件以上の発表が行われました。今回、わたしたちは日立物流と共著で「Location Routing Problem with Transportation Mode Options」と題して発表しました。

わたしたちの研究テーマは物流効率化です。インターネット通販の拡大とともに増大する商品の配送費。物流センタから日本各地へ商品を低価格で配送するためには、物流センタの配置と配送ルートを適切に決定しなければなりません。物流センタの配置を決める問題(Facility Location Problem: FLP)と、配送ルートを決める問題(Vehicle Routing Problem: VRP)は、それぞれNP困難といわれるタイプの問題であり、組合せ爆発を起こすために適切な答えを得ることが難しい問題になります。そのため、これまでの研究では、まず、物流センタから納品先へ直送することを前提として、配送ルートを考えていないFLPを解いて物流センタの配置を決定し、その後、物流センタの配置を固定してVRPを解く方法がとられてきました。


図1 効率的な物流センタ選定の例
拡大図



図2 数値実験結果
拡大図

ところが、従来の方法では、FLPを解いて得られる物流センタの配置は、物流センタと各納品先の距離の和を短くするように求めるため、物流センタを中心として納品先が四方に分散する可能性があります。極端な場合には物流センタをはさんで南北にある納品先へ配送することになり、配送ルートを組む際には納品先間の移動距離が長くなる傾向にあります。このため、配送に使うトラック台数が増え、配送費が高くなってしまいます(図1)。そこで、本研究では、あらかじめ配送ルートを作成しておき、FLPを解く際には物流センタから納品先へ直送するだけでなく、配送ルートを使うことも選択肢とした問題に置き換えることで、FLPとVRPを統合しました。実データに基づく数値実験の結果、本手法により配送費を15%低減できることを確認しました(図2)

今後は、配送費に加えて在庫の評価を行った上で物流センタ配置を決定できるようにすることで、物流センタ配置決定の高度化に取り組みます。

(細田 順子    記)

関連論文

  • Junko Hosoda et. al., "Location Routing Problem with Transportation Mode Options", Proceedings of the International Conference on Industrial Engineering and Operations Management Rabat, Morocco, April 11-13, 2017, pp.658-665
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