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Hitachi

企業情報研究開発

2017年1月10日

発表者からのレポート


図1 研究開発技術
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2016年11月28日から12月2日までの5日間、台湾 台北のTaipei Nangang Exhibition Centerにおいて、国際学会GSDI (Global Spatial Data Infrastructure Association) 15th World Conferenceが開催されました。GSDIは地理空間情報に関する国際学会で、本会議において、12件の基調講演、109件の口頭発表がありました。筆者は、動的なG空間情報のリアルタイム利活用技術の防災分野への有用性検証について発表しました。

近年、スマートフォンやセンサネットワークが時々刻々と生成する大規模なG空間情報(動的G空間情報)の利活用によって、災害に強い社会の実現や新サービスの創出などが可能になると期待されています。そこで、株式会社日立製作所、国立大学法人東京大学、KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所は、動的G空間情報を利活用するため、「リアルタイム処理技術」、「高速時空間検索技術」および「複数種類のG空間データの統合解析技術」を開発しました(図1)。そして、研究開発技術の防災分野における有効性を検証するため、大規模災害時の被害推定をユースケースに実証実験を行いました。本発表では、この実証実験について、"Are estimation algorithms applicable for disaster management? - Experimental demonstration of disaster-information-integration platform named 'G-space platform'"と題して、発表しました。


図2 火災延焼分布の推定と可視化
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図3 人の密度の推定と可視化
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図4 要救助者分布の推定と可視化
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大規模災害時には、防災機関が救助部隊の派遣や広域応援の要請、初動活動を行うため、迅速な被害状況把握が重要です。そこで筆者らは、研究開発技術を用いて、災害時に得られる断片的な観測データから、災害発生後、早期に被害推定を行うシナリオを考え、デモシステムを構築しました。このデモシステムでは、首都直下地震に伴う火災延焼のシナリオを想定し、災害時に断片的な被害情報や携帯電話の通信ログを収集できるという仮定のもと、火災延焼分布(図2)、人の密度(図3)、要救助者分布(図4)を推定し、その結果を地図上に可視化します。そして、2016年1月27日と1月28日に、防災やICTの有識者や関係機関に、このデモシステムをご覧いただき、意見交換とアンケートを行いました。その結果、研究開発技術が大規模災害時の迅速な被害状況把握に有効であり、防災分野に適用可能な見通しを得ることができました。

今後は、本研究開発成果の実用化に向けて、防災分野も含む多くの領域へ普及・展開を進める予定です。

謝辞

本技術は、総務省の「G 空間プラットフォームにおけるリアルタイム情報の利活用技術に関する研究開発」による委託を受けて実施した研究開発による成果です。

(林 秀樹    記)

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