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企業情報研究開発

2017年3月24日

発表者からのレポート

2016年10月24日から28日までの5日間、アメリカのインディアナポリスで、ACM主催の国際会議The 25th ACM International Conference on Information and Knowledge Management (CIKM) が開催されました。CIKMは、ナレッジマネジメント、情報検索、データベースコミュニティの研究者と開発者が集まる国際会議です。口頭発表には、研究トラックと産業トラックがあります。研究トラックには、935件の投稿があり、165件が採択されました(採択率17.6%)。産業トラックには、111件の投稿があり、22件が採択されました(採択率19.8%)。日立製作所研究開発グループは、産業トラックにおいて、"Deep Match between Geology Reports and Well Logs Using Spatial Information"というタイトルで、データ分析に基づく油田開発向けソリューションのコア技術を口頭発表しました。


図1 非線形モデルの概要
拡大図

近年、シェールオイル・ガス業界では、ビッグデータ分析を用いて採掘オペレーションのコスト最適化に取り組んでいます。地層評価は、採掘中に収集したデータを使用し、地下を評価するための重要なステップです。適切に地層評価を行うことで、オペレーションのコストが著しく削減できます。オペレーションを行うエンジニアが地下の状態を理解し、最適なオペレーションを選択するために、本研究は、地質レポートと油井ログとの意味的な関係を学習する方法を開発しました。地質レポートとは、採掘中の岩石サンプルを分析した結果の文書情報であり、油井ログとは、採掘中に計測した数値データです。本技術は、テキストでの油井ログ解釈や、地質レポートの作成支援が可能となり、これらを地層評価に役立てることができます。

ここでの課題は、地質レポートおよび油井ログの特徴量として何を用いるかという点と、それぞれをどのように共通の空間に効果的に埋め込むかという点です。前者については、深度の系列に基づく特徴量を抽出しました。後者については、線形モデルと非線形モデル(ニューラルネットワーク)を提案しました。非線形モデルの概要を図1に示します。

本研究では、米国のノースダコタ州が公開しているデータを用いて実験を行いました。その結果、地質レポートや油井ログの特徴量は油井の地理的距離と相関関係にあることがわかりました。この相関関係を線形モデルと非線形モデルで使うことで、油井ログや地質レポートの分類やランキングの精度が上がりました。特に、非線形モデルは、既存手法の中で精度が一番高いことも分かりました。本研究は、オイル・ガス産業において、異種データ間の意味関係に着目した最初の研究になります。

(童 彬、岩山 真    記)

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