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2017年2月15日

発表者からのレポート

2016年12月13日から16日までの4日間、韓国の済州島で、Asia-Pacific Signal and Information Processing Association (APSIPA) 主催の国際会議APSIPA Annual Summit and Conference (APSIPA ASC) 2016が開催されました。APSIPA ASCは、アジア・太平洋地域における信号処理に関する主要国際会議であり、信号処理に関する幅広い分野、例えば、信号処理理論、音響・音声信号処理、画像・映像信号処理、無線通信信号処理、生体信号処理などの研究成果が発表されています。今回のAPSIPA ASCでは242件の発表があり、最新の研究について活発な議論が行われました。

APSIPA ASC 2016では、日立製作所研究開発グループより、「Adaptive Boolean compressive sensing by sequential pool-design」と題して発表を行い、「グループテスト」の解決法に関する研究成果を報告しました。グループテストは、遺伝子解析のスクリーニング、ネットワークの異常検知、広範囲の危険物質のモニタリングなどに共通して現れる課題であり、その解決法も幅広く応用することができます。グループテストとは、検査対象のたくさんのサンプルから少数の異質なサンプルを見つける課題です。もし、検査対象の全サンプルを個別に検査すると、たくさんの検査回数を要してしまいます。これに対し、グループテストでは、検査回数を減らすため、全サンプルを個別に検査する代わりに複数のサンプルを混ぜた混合サンプルを作り、その混合サンプルに対して検査を行います。混ぜる組み合わせを変えながらこの検査を繰り返すと、複数の検査結果が得られていきます。そして、これらの検査結果を統合することで、なるべく少ない検査回数で異質なサンプルを発見します。


図1 提案技術の説明
拡大図


図2 シミュレーション結果
拡大図

わたしたちは既に、2016年3月の国際会議IEEE ICASSP 2016にて、検査対象に含まれる異質なサンプルの個数によらずグループテストを可能とするために、「圧縮センシング」と「多腕バンディット」と呼ばれる技術を組み合わせ、混ぜるサンプルの個数を適切に制御する方法を発表していました。今回の発表で提案した技術では、過去に選んだ組合せと異なるように混ぜるサンプルを決定する仕組みを新たに加えました(図1)。これにより、従来よりも少ない検査回数で異質なサンプルを発見することが可能になりました(図2)

(川口 洋平    記)

関連論文

  • Y. Kawaguchi and M. Togami, "Adaptive Boolean Compressive Sensing by Sequential Pool-Design", in Proc. APSIPA ASC, 2016.
  • Y. Kawaguchi and M. Togami, "Adaptive Boolean Compressive Sensing by Using Multi-Armed Bandit", in Proc. IEEE ICASSP, 2016.
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