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Hitachi

企業情報研究開発

2016年3月25日

発表者からのレポート

2016年2月28日から3月2日にかけてドイツのHochschule Ravensburg-Weingartenで、光設計・製造を中心とした国際会議 ODF'16 (International Conference on Optics-photonics Design & Fabrication) が開催されました。本会議は「光学設計・シミュレーション」「光学部品」「光学装置」「光学テクノロジー」の4分野の発表セッションで構成されており、多くの光学関連の発表が行われました。日立からは、「Holographic Data Storage System for Realizing Angular Multiplexing employing Ultra-narrow Angular Interval」と題して発表しました。


図1 角度誤差信号生成光学系
拡大図


図2 原理検証結果
拡大図

現在、我々の周りには多くのデジタル製品やデジタルテクノロジがあり、その情報を保存する大容量のストレージシステムが要求されています。この要求に対し、2次元データページを記録する角度多重のホログラフィックメモリは、大容量の記録が行えるため、次世代ディスクとして有望視されています。日立では、ホログラフィックメモリの高密度記録技術、高信頼性記録技術、外乱耐性技術、高速化技術などの研究を行っています。本会議では高速再生技術に関して、新規開発した高精度かつ高速な参照光角度の制御技術について発表を行いました。

ホログラフィックメモリで高密度記録を行なうためには狭い角度間隔で情報を記録する必要があり、参照光の高精度な角度制御が求められます。本研究では、参照光の角度誤差を5ミリ度以内に抑えることを目標とし、これを実現するために新たな角度誤差信号検出技術を開発しました。

角度誤差信号を生成するため、半波長板、ウォラストンプリズム、検出光学系を配置した新規光学系を設計しました(図1)。参照光路の半波長板は入射した参照光をS偏光とP偏光に変換します。その後、参照光はウォラストンプリズムに入射します。ウォラストンプリズムは偏光に応じて伝搬方向を変える特性があるため、ウォラストンプリズムを出射したS偏光とP偏光は、相対角度θだけ異なる方向にそれぞれ伝搬します。2つの光がディスクに入射すると入射角度に応じて2つの回折光が出射します。そして、その2つの回折光は偏光ビームスプリッタによって分岐され、それぞれ異なる光検出器によって検出されます。ガルバノミラーを制御する角度差信号は、2つの信号の差動信号によって生成されます。本検出方式は、データ信号検出に影響することなしに参照光制御用の高速な角度誤差信号が生成可能です。

正確で安定した制御を行なうためには、相対角度θに依存する角度誤差信号の振幅、検出範囲、検出感度を考慮しなければなりません。我々は、相対角度θの最適化設計を行い、実験による検証を行いました。その結果、実験結果と計算結果で同じ波形となることを確認しました(図2)。また、目標の角度誤差5ミリ度以下を実現できることを確認しました。

(山崎 和良    記)

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