ページの本文へ

Hitachi

企業情報研究開発

2016年11月25日

発表者からのレポート

2016年11月6日から9日までの4日間、ACM Interactive Surfaces and Spaces (ISS) 2016が、カナダのナイアガラにて開催されました。ACM ISSは、2006年から毎年開催されている国際会議で、平面や空間でのインタラクティブな操作に関する技術やデザインを対象としています。今年は、口頭発表が33件、ポスターおよびデモ発表がそれぞれ23件、16件ありました。今回、わたしたちは「Touch Detection Technique for Various Surfaces Using Shadow of Finger」のタイトルでポスター発表を行い、指先の影を用いた実平面への接触認識技術に関する研究成果を報告しました。


図1 発表用ポスター
拡大図

近年、タブレット端末やスマートフォンなどの普及により、指を用いたタッチ操作が広く一般に用いられています。また最近では、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)や超短投射プロジェクタなど、身近な空間に映像を表示可能なデバイスが発展しています。今後、これらの発展に伴い、周囲の実空間のさまざまな面上に映像情報を重畳して表示し、重畳した映像に直接触れて操作するようなシステムが求められるようになると考えられます。

このようなシステムを実現する重要な基礎技術として、さまざまな面上における指先の接触認識があります。ここで、さまざまな面とは身の回りにある壁面や机上、スクリーンなどを想定します。このような身の回りにある面は必ずしも平面ではなく、曲面であったり突起物があったりします。従来、身の回りにある面を入力面とするシステムが提案されていますが、認識対象の面が平面でなければならない、操作範囲が狭いなどの課題がありました。


図2 面との距離に応じて変化する指の影
拡大図

そこで、わたしたちはさまざまな面上でタッチ操作を実現する技術として、指先の影を用いて接触を認識する新たな技術を提案しました。図2にあるように、照明によって作られた指先の影の形状は、指と面との距離に応じて大きく変化します。わたしたちのシステムでは、この影の変化をカメラで撮影し、認識することで接触を認識します。

今回、赤外照明と赤外カメラを用いてプロトタイプシステムを構築し、実際にさまざまな面上で接触が認識可能であることを確認しました。また、影の形状の特徴に応じて、より高精度に接触位置を推定する手法を提案しました。今後は、タッチ認識精度の向上など、ユーザにとって使いやすい操作システムの実現に向けて研究を進める予定です。

(新倉 雄大    記)

  • ページの先頭へ