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Hitachi

企業情報研究開発

2016年11月11日

発表者からのレポート

2016年10月16日から10月20日の5日間、京都リサーチパークにおいてInternational Symposium on Optical Memory 2016(ISOM'16)が開催されました。本国際会議は光メモリ、コンピュテーショナルイメージング、センシングなどの技術分野を対象とし、日本・米国・韓国・中国などの大学・企業の研究者間で活発な議論が行われました。日立製作所研究開発グループから、"Relaxation of Tolerance for Holographic Disc Positioning Based on Triaxial Position Control of Nyquist Aperture"と題して、大容量光ディスクであるホログラフィックメモリにおける、3次元位置制御技術に関する発表を行いました。

近年の全世界のデジタルデータ量の増加に応えるアーカイブストレージとして、低コスト、低環境負荷で長期保存性に優れた光ディスクが有効です。ホログラフィックメモリは、光の干渉を利用して2次元データを体積的に記録する光ディスク技術であり、既存の光ディスクと比べて大容量かつ高速なシステムの実現が期待できます。


図1 Increasing needs for new position control system
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図2 Detection method of Δ
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ホログラフィックメモリから2次元データを再生するためには、記録したホログラムとデータ読出光(参照光)との相対位置を3次元で制御する必要があります。しかし、位置制御に必要な目印がホログラフィックメモリには存在しないため、ホログラフィックメモリ移動時の制御精度と静定時間が課題でした(図1)。なぜなら相対位置ずれが生じた場合、再生光路中に配置されたノイズ除去のための空間フィルタでホログラム再生光の一部が遮光され、再生信号の品質が劣化します。そこで、相対位置ずれ量に応じて再生光の空間フィルタでの遮蔽量が変化する点に着目し、図2に示すように空間フィルタで遮蔽されるホログラム再生光からリアルタイムで位置ずれ量を検出し、記録媒体であるホログラフィックメモリよりも軽い空間フィルタの位置を3次元で制御する高精度かつ高速な制御技術を新たに開発しました。

本技術の特徴は、非線形なフォーカス位置ずれ信号を用いて、必要な精度と静定時間を満足する制御を実現した点にあります。通常、凸な非線形信号では位置ずれ方向が一意に決まらず、位置ずれ方向を確認してから制御を行う必要があるため、高速化が困難になります。そこで、位置ずれ方向を一意に決めるために、故意に制御の動作点を変えることで高精度かつ高速性を両立した3次元制御を実現しました(図3)。また、実験で本方式によるフォーカス方向の位置制御の課題を解決できることを確認しました(図4)


図3 Defocusing control system using non-linear signal
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図4 Result of defocusing control system
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(田中 幸修    記)

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