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企業情報研究開発

2016年1月8日

発表者からのレポート

2015年11月15日から11月19日までの5日間、スペインのバルセロナにてThe Fourth International Conference on Communications, Computation, Networks and Technologies (INNOV 2015)が開催されました。本カンファレンスは、International Academy, Research, and Industry Association (IARIA)が主催するソフトウェアを中心としたカンファレンス(SoftNet 2015)の一環として、ネットワークやコンピューティングに関する国際会合であり、今年で4回目の開催になります。

日立製作所では、小規模な障害から大規模な障害まで対応する、ネットワーク障害復旧システムについて、「A System for Managing Transport-network Recovery according to Degree of Network Failure」と題して発表しました。


図1 エリア内プロテクションと端点間プロテクション
の概要

拡大図

近年、多様なアプリケーションがネットワークを経由して提供されており、ネットワークは日常生活において必要不可欠なサービスになりつつあります。ネットワークに障害が発生した場合、人々の生活に大きな影響が発生します。障害が発生した場合には迅速に復旧することが望まれます。そこで本カンファレンスにおいて、障害の状況に応じて迅速に復旧するネットワークシステムについて発表しました。発表システムでは、ネットワーク全体が複数のエリアに分割され、ネットワーク管理サーバにて管理されます。開発した復旧方式は、現用系のデータ伝送路(パス)に対して、障害規模に応じた三種類の復旧機構である、「エリア内プロテクション」、「端点間プロテクション」、および「運用面変更」から構成されます。はじめに、エリア内プロテクションと端点間プロテクション機構の概要を図1に示します。エリア内プロテクションでは、現用系のパスに対して各エリア内において迂回路が設定され、現用系パスに障害が発生した場合に復旧が実行されます。端点間プロテクションでは、端点間(PE1とPE2間)における迂回路が設定され、エリア間を接続するリンクなどに障害が発生し、エリア内プロテクションにより復旧しない場合に復旧が実行されます。


図2 運用面変更の概要
拡大図

図2は、エリア単位の障害発生再場合の復旧を実行する運用面変更の概要を示しています。ネットワーク管理サーバは、エリア単位の障害発生に対するすべての組合せに対して、運用を開始する前の段階において復旧用のパス設定を算出しておきます。例えば、ネットワーク全体が8エリアに分割されて管理される場合、エリア単位障害の組合せは、障害の発生していない場合を含めて256通りになり、それぞれの障害パターンに対して復旧用のパス設定が識別子と共に管理されます。また、算出された復旧用のパス設定は事前に各パケット伝送ノードに通知、保持されます。ネットワーク管理サーバは、大規模な障害発生を検出した場合、エリア単位での障害発生状況を確定し、復旧用の識別子を各パケット伝送ノードへ通知します。復旧用の識別子を受信したパケット伝送ノードは、識別子に従いパス設定を変更し障害を復旧します。構築したプロトタイプシステムにより、ノードやリンクレベルといった小規模な障害から、複数エリアといった大規模な障害に対して、迅速な復旧が可能なことを検証しました。

謝辞

本研究の一部は、総務省の委託研究「ネットワーク仮想化技術の研究開発(ネットワーク仮想化統合技術の研究開発)」(O3プロジェクト)、「広域災害対応型クラウド基盤構築に向けた研究開発(高信頼クラウドサービス制御基盤技術)」、および「広域災害対応型クラウド基盤構築に向けた研究開発(環境対応型ネットワーク構成シグナリング技術)」の一環として実施されました。

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