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企業情報研究開発

健診データによる糖尿病発症率の予測

IJCAI 2016 - Workshop on Knowledge Discovery in Healthcare Dataにて発表

2016年8月4日

発表者からのレポート

少子高齢化に伴う医療費負担の増大は発達する国家の重大課題になっています。生活習慣病の予防は日本の医療費削減対策の重要な一環です。健康保険組合は、生活習慣病の予防を目的に健康指導を提供しています。より効率的に健康指導を提供するために、生活習慣病の発症率予測技術を開発することが必要です。


図1
拡大図

International Joint Conferences on Artificial Intelligence (IJCAI) は、2年に1回開催される機械学習技術の国際会議であり、AIに関する世界最先端の研究成果が発表されます。今回は、2016年7月9日から15日までの7日間、米国ニューヨークにて開催され、世界的な注目を集め、参加者数は史上最高になっていました。また、今年度初めて、医療データに基づいた予測技術について交流するための専門Workshopが開催されました。

筆者は、IJCAI 2016 - Workshop on Knowledge Discovery in Healthcare Dataにおいて「Predicting incidence rate of diabetes mellitus from health checkup data」のタイトルでポスター発表を行い、健保データに基づいた糖尿病発症率の予測技術および予測結果の評価技術に関する研究成果を報告しました。

疾病の発症など確率が極めて低い事象の予測結果を評価する時、実際に事象が発生した場合と予測確率の残差が大きいため、従来の方法では予測精度の適切な評価が困難でした。本研究では、仮にすべての予測結果が正しいとし、真実が予測結果へどの程度近くなるかを考慮することで、予測精度を評価する手法を提案しました。この手法は、理論的に正しいだけでなく、実用化面でも優れた評価方法です。さらに、信頼区間付きベイジアンネットワークによる糖尿病の発症率予測モデルを構築し、その性能評価実験を行いました。本評価手法によって、従来の回帰予測モデルに比べて予測精度を48.2%改善しました。今後、このような予測および評価手法を糖尿病だけでなく、すべての生活習慣病に適用する予定です。

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