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Hitachi

企業情報研究開発

2015年12月22日

発表者からのレポート

2015年12月2日から4日にかけてデンマークのコペンハーゲンにてITS分野の通信技術に関する国際会議ITST 2015 (The 14th International Conference on ITS Telecommunications)が開催されました。本国際会議では、路車間・車車間通信技術に加え、近年脚光を浴びている自動運転技術を対象とし、欧州を中心とした世界各地の大学、企業の研究者により活発な議論が行われました。

日立製作所研究開発グループからは、「Extended Electronic Horizon for Automated Driving」と題し、センサや地図で認知した周辺環境情報(例:他車両、交差点等)を自動運転の制御アプリに提供する方式に関して発表を行いました。


図1 周辺環境情報の階層型ハイブリッドデータ
表現方式

拡大図

代表的な従来方式として、先進運転支援システム(ADAS: Advanced Driver Assistance System)向けに業界標準となっているADASIS (Advanced Driver Assistance System Interface Specification) 規格があります。この規格では、自車の走行予定の道路(走行経路)に沿って、周辺環境情報の相対位置を表現するため(例:30 m先に交差点がある)、ACC (Adaptive Cruise Control) のような前後方向の制御アプリ開発に適しています。しかし、他車両がどの車線を走行しているか、あるいは車線がどのような形状をしているかなど、車線レベルの詳細情報を表現できないため、車線変更などの操舵制御を含む制御アプリには適用できないという課題がありました。

本発表では、自動運転に必要な車線レベルの詳細な周辺環境情報を効率的かつ柔軟に提供可能とする階層型ハイブリッドデータ表現方式を提案しました(図1)。本方式の特徴としては大きく2点あります。1つ目は、道路レベルの抽象表現(Layer 1)と車線レベルの詳細表現(Layer 2)の2階層構造を備える点です。既に広く製品に適用されているADASIS規格をLayer 1としてそのまま採用し、自動運転向けに必要な拡張表現を別階層(Layer 2)で実現することにより、ADASISを用いた従来製品との下位互換性を担保しつつ、自動運転に適用することが可能となります。2点目は、車線レベルの表現(Layer 2)において、走行経路に沿った相対位置表現(例:同一車線の30 m先に他車両がいる)と、空間上の相対位置表現(自車両からの相対位置ベクトル)の2種類の座標系で表現する点です。前者は周辺環境をマクロにすばやく把握するのに適しているのに対し、後者はミクロに正確に把握するのに適しています。両者を用途に応じて使い分けることで、従来型のものから自動運転までさまざまな制御アプリを柔軟に開発することが可能となります。

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