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Hitachi

企業情報研究開発

2015年10月29日

発表者からのレポート

2015年10月4日から10月8日にかけて富山国際会議場にて光メモリに関する国際会議International Symposium on Optical Memory (ISOM) 2015が開催されました。本国際会議は、DVDやBlu-ray Disc™に代表される光メモリに関する技術を対象としており、近年ではその応用技術にも対象を広げております。当日は、日本、米国、韓国、中国などの大学、企業の研究者が参加し、活発な議論が行われました。

日立製作所研究開発グループからは、口頭およびポスター合わせて計7件の発表を行い、筆者は「Highly Accurate Servo Control of Reference Beam Angle in Holographic Memory with Polarized Servo Beam」と題してホログラフィックメモリにおける高精度な参照光角度制御技術に関する発表を行いました。


図1 ホログラフィックメモリの特徴
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図2 高精度参照光角度制御技術における光学系模式図
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ホログラフィックメモリは、光の干渉を利用した次世代光ディスク技術であり、従来の光ディスクに比べて原理的に大容量かつ高速なシステムを構築可能であるという特徴があります。今回の発表は高速性に関するものであり、特に新規開発した再生時の高精度かつ高速な参照光角度の制御技術についてです(図1)

本技術では、参照光と微小に角度差を付け、さらに偏光を直交させたサーボ光をWollastonプリズムと呼ばれる光学素子を用いて生成し、参照光およびサーボ光でディスクから再生した光を独立に高速フォトディテクタで検出します(図2)。本構成により、カメラで検出するユーザデータ再生用の再生信号に影響を与えない高速な信号検出が可能となります。


図3 参照光角度制御シーケンス
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図4 制御信号のシミュレーション検証結果および
実機検証結果

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サーボ光および参照光で再生した信号の差動信号が参照光角度の制御信号となり、2ステップのシーケンスで参照光角度を制御します。第1ステップでは、制御信号を参照しながらゼロクロス位置まで参照光角度を制御し、第2ステップではゼロクロス位置から参照光とサーボ光の分離角の半値だけ参照光角度を進めます。以上の制御により、再生信号の強度が最大となるように参照光角度を制御することが可能となります(図3)

シミュレーションおよび実機により想定通りのS字型の制御信号が得られることを確認し、角度誤差の精度も非常に高いことを確認しました(図4)。また、当日は外乱発生時における制御信号の耐性についても報告し、波長ずれ耐性が厳しいことおよび空間フィルタを用いることで波長ずれ耐性を実用可能なレベルに向上可能であることを示しました。

(保坂 誠    記)

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"Blu-ray Disc"はBlu-ray Disc Associationの商標です。
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