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Hitachi

企業情報研究開発

2015年11月17日

発表者からのレポート


図1 Optical delay detection
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図2 Transceiver prototype
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図3 Experimental results
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2015年9月27日から10月1日に、光通信分野の国際会議ECOC 2015(41st European Conference on Optical Communication)が、スペインのバレンシアで開催されました。ECOCは毎年欧州で開催される光通信関連のネットワーク・システム・デバイス分野を網羅する国際会議で、今年で41回目と長い歴史を持っています。欧州各国・米国・日本・中国などから約1100人の参加者が集い、数多くの研究成果が発表されました。

本学会では日立製作所研究開発グループから計4件の発表が行われ、このうち筆者は光ファイバ伝送分野で「FPGA prototyping of Single-Polarization 112-Gbit/s Optical Transceiver for Optical Multilevel Signaling with Delay Detection」と題して、データセンタや都市内向けの次世代高速光伝送技術の発表を行いました。

さまざまなインターネットサービスを担う大規模データセンタの登場により、データセンタ内外をつなぐ近距離高速光通信のニーズはますます高まっています。このような用途に向けた技術開発も積極的に進められており、例えば現行の100ギガイーサをさらに4倍高速化する400ギガイーサの標準化が進められています。データセンタなどで用いられる大規模ルータなどのIT機器はこのような高速信号を送受信する光送受信器を多数搭載する必要があり、装置の大型化や電力消費、および環境への影響も大きな問題となっています。このため、光送受信器の高速化とともにその小型化・省電力化が大きな課題となっています。

本研究では、次世代高速光送受信器の消費電力を大幅に削減する技術として、光遅延検波という技術を用いた16値多値伝送方式を提案しました(図1)。提案方式では多値化により必要な光送受信器の数を低減するとともにその構成を簡素化し、消費電力を大きく低減することが可能です。本研究ではその実現性を実証するため、FPGAを用いてリアルタイムで動作する100ギガ送受信器の試作を行いました(図2)。また北海道札幌市のビル間を結ぶ光ファイバを利用し、100ギガ信号を4波長分並べて400ギガ伝送を行う現場試験を実施しました(図3)

これらにより、将来の高速光伝送の実現に必要な高速・省電力光多値送受信器の実現性を実証しました。

謝辞

本研究の一部は、総務省の委託研究「超高速・低消費電力光ネットワーク技術の研究開発」の研究成果です。

略称

FPGA: Field Programmable Gate Array

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