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企業情報研究開発

2015年1月27日

発表者からのレポート


写真1 発表風景

2014年12月1日から12月3日までの3日間、3rd Asian Conference on Information Systems (ACIS2014) が、ベトナムのニャチャンで開催されました。ACISはアジア圏の研究者を中心とした国際会議で、情報システム全般に関するさまざまな発表が行われます。今年は、口頭発表とポスター発表を合わせて80件の技術発表がなされました。

日立からは10件の口頭発表がありました。本稿ではそのうちの2つ、「SCC: A Method of Shared File Cache for File Clone Function for Fast Virtual Machine Boot」と「Risk-based Method for Data Redundancy Determination to Improve Replica Capacity Efficiency」についてレポートします。


図1 ファイルキャッシュ共有方式の概要
拡大図

まず、高速仮想マシン起動を実現する共有ファイルキャッシュ方式では、仮想マシン(VM)の起動時に発生するストレージ装置のI/O負荷集中を軽減するため、複数のVMが仮想ディスクファイル(VMDK)のファイルキャッシュを共有する方式を提案しました。VMをディプロイする際、設定の容易化とディプロイ高速化のため、ファイルクローン機能を用いてVMDKを高速複製します。ファイルクローン機能は1つの共有ファイルを参照する複数のクローンファイルを作成します。提案方式はクローンファイルの構造を用いて複数のVMがファイルキャッシュを共有します。これにより、ストレージ装置へのI/O発行数を抑え、I/O負荷集中を軽減できます。評価の結果、VM起動時のI/O発行数を大きく削減できることを示しました。


図2 複製容量効率化手法の概要
拡大図

次に、耐災害ストレージシステムの複製容量高効率化手法では、県や市などに分散配置したストレージ装置が互いにバックアップをとるような分散型ストレージシステムにおいて、ストレージ装置のバックアップデータの量を削減する手法を提案しました。提案手法は、各ストレージ装置が作るべき複製データの数を、その災害リスクの大きさに応じて決定します。複製データを作ることによって改善する各ストレージ装置の災害リスク値を算出し、ユーザーが与えた基準に達したら各ストレージ装置のデータ複製を停止します。提案手法により、災害リスクの高いストレージ装置だけが多くの複製を作ることが可能になるため、ストレージシステム全体としてデータの安全性を維持したまま、複製データの総量を減らすことができます。
この耐災害ストレージシステムの研究は、文部科学省による委託研究「高機能高可用性情報ストレージ基盤技術の開発」として、東北大学と(株)日立ソリューションズ東日本と共同で推進しています。

(亀井 仁志・松本 慎也    記)

関連論文

  • Hitoshi Kamei, Osamu Yashiro, and Takaki Nakamura, "SCC: A Method of Shared File Cache for File Clone Function for Fast Virtual Machine Boot", In Proceedings of the 3rd Asian Conference on Information Systems (ACIS 2014), pp. 545-551, 2014.
  • Shinya Matsumoto, Takaki Nakamura, and Hiroaki Muraoka, "Risk-based Method for Data Redundancy Determination to Improve Replica Capacity Efficiency", In Proceedings of the 3rd Asian Conference on Information Systems (ACIS 2014), pp. 529-536, 2014.
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