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企業情報研究開発

2014年12月4日

発表者からのレポート

2014年10月20日から23日の4日間、台湾の新竹市においてInternational Symposium on Optical Memory 2014 (ISOM'14) が開催されました。本会議は光メモリに関連する技術分野の研究成果を議論する場として、1985年に日本国内のシンポジウムとして発足、1987年に国際シンポジウムに発展し、今回が30回目の開催となります。本年は全体で約100件の発表があり、日立製作所横浜研究所からは、"Decoupling Direct Tracking Control for Multilayer Disk with a Separated Guide Layer"と題して、次世代大容量光ディスクの候補の1つである、ガイド層分離型多層光ディスクにおける制御技術について発表を行いました[1]


図1 Serious Problem (recording)
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近年の全世界のデジタルデータ量の増加に応えるアーカイブ媒体として、低コスト・低環境負荷で長期保存性に優れた大容量光ディスクが有効であり、その一つとして製造コストを上げずに大容量化を実現できる、記録層に案内溝を持たないガイド層分離型多層光ディスク(グルーブレスディスク)が研究されています[2]

DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc™)などの現行の光ディスクはそれぞれの記録層が案内溝を有し、その案内溝を用いてレーザースポットのトラック制御を行います。一方、本研究の対象とするグルーブレスディスクは案内溝を有するガイド層と、案内溝を持たない複数の記録層から成ります。記録層は平坦な構造であり、ガイド層に設けた案内溝でトラック制御を行いながら、記録層に対してレーザを照射して記録再生を行います。案内溝を1層のみとした多層ディスク構造により、製造コストの抑制が可能です。しかし従来技術では、図1に示すように記録層上のレーザースポット位置を間接的にガイド層の案内溝でトラック制御するため、光ディスクの反りなどが原因でガイド層上のレーザースポットと記録層上のレーザースポットに相対的なずれが生じ、正しい位置に記録できないという課題がありました。


図2 Position control of recording spot
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図3 Effectiveness confirmation
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この課題を解決するため、本研究では、非干渉直接トラック制御という新しい制御方式を考案しました。本技術では図2に示すように、記録層に対して記録再生を行うメインのレーザースポットに加えて、サブのレーザースポットを新規に生成します。サブのレーザースポットを記録層の既記録マーク列に照射することでトラッキング制御を行います。さらに、2入力2出力の制御系で問題となる相互干渉現象を回避するために、非干渉化を行う制御方式を確立しました。本方式を用いてグルーブレスディスクに対する記録再生検証を行い、図3に示すように、スポットずれの課題を解決できることを確認しました。

(田中 幸修    記)

参考文献

  • [1] Y. Tanaka et al.: Tech. Dig. Int. Symp. Optical Memory 2014, Tu-B-02
  • [2] M. Nakano et al.: Tech. Dig. Int. Symp. Optical Memory 2009, Th-I-03
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