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企業情報研究開発

2013年10月1日

発表者からのレポート

2013年8月25から28日にかけて、6th International Conference on Tube Hydroforming (TUBEHYDRO2013) が韓国Jejuにて開催されました。TUBEHYDRO2013は塑性加工技術分野の国際会議であり、2年毎に各国から約100件以上の技術発表が行われます。


図1 従来チューブスピニング加工方式概念図
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今回の会議ではTube Hydroformingを中心に3会場に分かれて約100件の発表がなされました。自動車分野に関連する加工技術が中心となっており、特に次世代自動車構造材向けのMg合金など軽金属の成形技術に関する発表が多くある中、板材のホットプレス成形技術や溶接技術について学術的な紹介もありました。

日立製作所横浜研究所からは「Effect of Clearance between Roller and Chuck on Formability in Tube Spinning without Mandrel for Convex Shape」と題し、管状の薄板材の回転加工技術について発表を行いました。

本発表では、チューブ状の薄板材を高精度に加工できる新加工技術の開発について紹介しました。チューブスピニング加工方式は回転加工方式の一つであり、専用冶具などが必要ないため、多品種少量部品の製造に有意な塑性加工方式です(図1)。しかし、従来のチューブスピニング加工方式では成形可能形状が限られています。

そこで本研究では従来チューブスピニング加工技術では成形が困難だった形状、チューブの中央径が端部径より大きい形状 (Convex shape) を高効率・高精度に成形できる加工技術および条件について加工CAE (Computer Aided Engineering) により検討しました(図2)

従来のチューブスピニング加工方式ではチューブ内径に位置する金型(マンドレル)の形状がチューブに転写する方式である一方、本開発方式ではマンドレルを使用せず、製品形状のローラのみで加工し、ローラ形状がチューブに転写される方式です(図3)。本技術の開発により、成形形状の自由度が増加し、よりフレキシブルな成形が可能となります。また、加工CAE技術を適用することにより事前に成形精度の予測が可能となり、高精度加工条件の設計が可能となります。


図2 本発表の目的
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図3 本技術のコンセプト
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本発表について各国の研究者から本技術の適用分野や技術の難しさなどについて意見を交換しました。また、本技術の適用による成形可能形状に関する質問を通じ、チューブの断面形状が波形状のような複雑形状にも展開することが重要との感触を得ることができました。

今後、横浜研究所では本技術を活用し、高精度加工技術開発の発展に寄与していきます。

(洪 允晶    記)

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