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企業情報研究開発

カメラ画像の高視認性技術

IAPR MVA2013にて発表

2013年6月27日

発表者からのレポート

2013年5月21日から23日の3日間、京都の立命館大学朱雀キャンパスにおいて、IAPR(国際パターン認識連盟:International Association for Pattern Recognition)が主催する IAPR International Conference on Machine Vision Application(MVA2013)が開催されました。

MVAは1988年の初回開催(CV88)以来2〜3年おきに開催されており、今年で通算13回目となります。例年200人余の参加者が訪れ、認識に関する基礎理論からアプリケーションに至るまで、マシンビジョンに関する広範な議論が展開されています。日立製作所横浜研究所からは、「Visibility Enhancement Technology for Cameras」と題し、映像信号の高コントラスト化技術について発表を行いました。


図1 アルゴリズムの概要
拡大図

近年、監視用途や車載用途をはじめとして産業用カメラが広く用いられるようになっています。これらのカメラには、いかなる状況下でも視認性の高い画像を取得できることが求められます。

しかしながら、たとえば照度差の大きいシーン(室内と窓の外を同時に撮影する場合など)では、明るい部分は白く飛び、暗い部分は黒くつぶれて撮影されてしまいます。このような悪条件下においても視認性の高い画像を得るための技術を、演算量や回路規模を抑えて、カメラなどの組み込み機器に実装できる形で確立することが重要な課題となります。

横浜研究所は、実装を前提とした視認性向上アルゴリズムを開発しました(図1)


図2 補正結果の例
拡大図

本アルゴリズムは(1)階調再配分処理、(2)照明光成分・反射率成分補正処理、(3)ヒストグラム最適化処理の3つの処理から構成されています。階調再配分処理では、画像の局所的な輝度分布を元に、画素単位で最適な補正特性を求め、画像内の局所的なコントラストを高めるように補正をかけます。

続いて、処理後の画像を照明光画像と反射率画像に分離し、おのおのについて視認性を高めるよう補正した後、再び合成します。

最後に、画像の輝度分布を解析し、分布に偏りがなくなるように各画素の信号レベルの調整を行います。

補正の一例を図2に示します。屋外の明るい部分の階調を維持したまま、屋内の黒つぶれしている部分を補正できていることが確認できます。

また、本アルゴリズムをFPGAを用いたカメラシステムへ実装しました。画像の解析処理は組み込みプロセッサ上で動作するソフトウェアとして、画像に対する補正演算処理は専用ハードウェアとして実装することにより、ハイビジョン画像に対するリアルタイムでの補正処理が可能であることを確認しました。

(吉田 大輔    記)

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