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Hitachi

企業情報研究開発

2013年11月29日

発表者からのレポート

2013年10月31日から11月2日にかけ、情報システム全般に関する国際学会The Second Asian Conference on Information Systems (ACIS 2013) がタイ王国のプーケットにて開催されました。本学会では先端コンピュータシステム、データマイニング、センサシステム、人工知能など情報システムに関する幅広い分野での発表がありました。

横浜研究所から2件論文を発表しました。以下では「Evaluation of SSD Tier Method and SSD Cache Method in Tiered Storage System」について紹介します。

近年、情報技術の進展に伴い、企業が利用する情報システムへのアクセス負荷が増加しています。一般的に、アクセスされる領域に配置されたデータの種別や用途によりアクセス頻度は異なり、偏りがあります。この点に着目し、アクセスが多い領域を高性能・高価格なSSD (Solid State Drive) に、少ない領域を低性能・低価格なHDD (Hard Disk Drive) に配置することにより、すべてのデータをSSDに配置することなく、システムの性能向上を見込むことができます。また、これにより、SSDへの置換によるシステムコストを低減できます。SSDとHDDを併用するストレージ装置において、SSDを活用する方式を以下の2つに分類できます。

  1. SSD階層方式:データをSSDまたはHDDに分割配置する方式
  2. SSDキャッシュ方式:全てのデータをHDDに配置し、一部のデータをSSDに複製(キャッシュ)する方式

SSD階層方式は、アクセス数が多い領域をSSDに配置することにより、アクセスを高速化します。しかし、SSD・HDD間のデータの入れ替え周期は例えば1時間から24時間であるため、アクセスが集中する領域が変化したときに、アクセスを高速化するまで時間がかかります。SSDキャッシュ方式は、アクセスされた領域を直ちにSSDにキャッシュするため、2度目以降のアクセスを高速化できます。しかし、キャッシュしたデータにアクセスされる前に、頻繁に追い出される場合は性能が向上しません。


図1 従来方式の問題点
拡大図


図2 提案方式の概要
拡大図

両方式を併用することにより上記課題を解決できると考えられますが、I/O数、リード・ライト比、I/Oの局所性などI/O特性や、各方式に使用するSSDの台数により、両方式併用時の効果は異なると想定できます。そこで、本研究では、多様な状況を想定して両方式併用時の有効性をI/Oシミュレーションにより評価し、ボリューム階層化方式とSSDキャッシュ方式を併用する場合に有効となる条件を明確化しました。

その結果、ボリューム階層化方式は、I/Oが分散し、SSD容量が少ない場合に有効であり、SSDキャッシュ方式は、リードが多く、I/Oが集中する場合に有効であることが分かりました。両方式を併用する方式は、ライトが多く、SSD容量が多い場合に有効であり、また、併用しない場合と比較して、ストレージI/O応答時間を最大で20%減少することをシミュレーションにより確認しました。

(林 真一    記)

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