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企業情報研究開発

みんなが毎日くり返す「買う」を社会に良いことと結びつける

「社会にとって良いことをしたい」という思いは、多くの人が持っているものだと思います。でも、日常的に浮かんでくる気持ちは、もっと楽をしたい、もっと安く買いたい、ということかもしれません。どちらも素直な気持ちだと思いますが、行動として現れやすいのは、楽に、安く、ということはないでしょうか。
一方で、自分で選んだ商品やサービスに対して、もっと納得して代金を払いたいという思いもあるかもしれません。複雑化した価格プランや新しい課金のしくみによって、自分は何にどれくらいお金を払っているのか、段々と実態がつかめなくなっているということもよく起こります。
「社会に良いことをしたい」「納得して代金を払いたい」という2つの問題を両者が納得できる形で結びつけることができたら、「社会にとっても自分にとっても良い行動」を少しずつ積み重ねることができるかもしれません。

CONCEPT価格の変化で選ぶ意味に気づいてもらう

ここで提案するのは、モノやサービスの価格を、時間や行為と結びつけて細かく変化させ、それによって異なる複数のサービスを結びつけるという考え方です。具体例は以下に示しますが、これまで、なんとなく無意識で選ばれていた商品の価格を変化させることで、変化の意味に対する消費者の関心を引き出します。その結果、「そういうことなら、こっちでいいや」「そういうことなら、こっちも買おう」と、消費者が選択するものが変わってくるかもしれません。この一人ひとりの小さな選択の変化の積み重ねが、社会的な問題を解決の方向に少しずつ動かします。

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SCENE01値段が少しずつ下がる食品

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日持ちのしない食品は、価格が同じであれば消費期限が長く残っているものから選ばれます。その結果、消費期限が近い食品は売れ残り、最終的には廃棄されてしまいます。そこで、時間経過に従って少しずつ価格を変えたら、消費者の食品の選び方を変えることはできないでしょうか。

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例えば、2日で使いきる人は少し安くなった牛乳を選び、1週間かけて使う人は少し高い牛乳を選ぶということです。価格を一度に大きく下げるのではなく、少しずつ下げることで、自分の使い方に見合う価値に気づいてもらうのです。買い方が変われば、気持ちよく食品の廃棄も減らせるのではないでしょうか。

SCENE02サービスの利用頻度で価格が変化する商品

消費者から見ると関連している異なるサービスも、価格の変化で関連性に気づいてもらえれば、それぞれのサービスをもっと有効に使ってもらえるかもしれません。

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例えば、「健康」という同じ目的で使用するスポーツジムと健康食品の間を、ジムでの運動の度合いによって健康食品の価格を変化させることでつなぎます。時々通うジムでの行為と、毎日行くスーパーで目にするモノの価格が結びつくことで、サービス利用のモチベーションに変化が起きるかもしれません。
こうすることで多くの人が少しずつ健康になることができたら、社会全体の医療費削減にもつながるのではないでしょうか。

SCENE03さまざまなサービスがつながるロードプライシング

価格の変化でサービスと商品を結びつけることを、道路のような公共インフラに応用したらどうでしょう。

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例えば、道路でイベントをするので道を空けて欲しいという事業者のリクエストにドライバーが応じて迂回すると、ガソリンが安くなるというように、3者の思い、行為、価格を結びつけます。
イベントのようないろいろな理由で道を空けてほしい事業者と、ガソリンのような報償を与えることで利用者を増やしたい事業者がある中で、ドライバーはどの事業者の要求に賛同するのかを選択します。
このように、いろいろな人が気持ちよく行動しながら渋滞を自然と緩和する工夫ができたら、街はもっと居心地よくなるのかもしれません。