信用金庫の営業店と店外ATMをモニタリングするセキュリティマネジメントシステムWebvisorを利用した「センター集中管理型防犯監視カメラシステム」
私たちの暮らしに身近な存在の金融機関では、ATM盗撮などの犯罪や事故が続出。これまで以上にセキュリティに配慮した、利用者にとって安心・安全で快適なサービスを重視した環境整備が求められています。
そんな中、福島県・須賀川市に本店を置く須賀川信用金庫では、このほどセキュリティマネジメントシステム「Webvisor※1」を利用したセンター集中管理型防犯監視カメラシステムを構築し運用を開始しました。
今回導入したシステムは、防犯面での抑止効果に加え、営業店や店外ATMの一括集中管理を行い、モニタリングしPDCA※2サイクルを運用することで内部統制整備の構築に利用できるほか、企業の社会的責任=CSR※3が厳しく問われる時代を迎え、企業のリスクを低減し、ビジネス継続マネジメント=BCM※4にも対応するシステムとして大きな期待が寄せられています。

本部窓口風景
須賀川信用金庫は、1914(大正3)年10月、地域振興のための金融機関とし、産業組合法による有限責任須賀川信用組合として設立。以来、一貫し地域に密着した金融機関として歩んできました。2002(平成14)年には、第5回信用金庫社会貢献賞「Face to Face賞」を受賞するなど、文字どおり顔の見える金融機関として地域振興に貢献しながら、地域とともに成長を続け、2007年の今年創立93年目を迎えています。

須賀川信用金庫 事務部
部長 溝井 久夫 氏
現在、営業区域は本店がある須賀川市を中心に、合計12店舗(他に店外ATM7か所)を擁し、地域の人たちから“すしん”の愛称で広く親しまれています。その人気のバロメーターとも言えるのが、預金高の市場占有率であり、そして「指定金融機関」というステータスです。「当金庫は、この須賀川地区を中心にした主力店で44〜45%という高い預金シェアを保ち続けています。また、須賀川市をはじめ鏡石町、石川町、玉川村の4市町村の指定金融機関になっています。これは長年にわたる地域貢献という地道な取り組みの結果で当金庫にとって大きな誇りであり励みです」と事務部部長の溝井久夫氏はこのように語ります。
常に地元とともに、地域密着の“Face to Face”をスローガンにお客さまの痒いところに手が届くサービス提供を第一に掲げてきた須賀川信用金庫。同金庫がお客さまのセキュリティ管理と今後の内部統制の整備構築を視野に入れて導入したのが、Webvisorを利用した「センター集中管理型防犯監視カメラシステム」です。
溝井部長は、「これまでは何か事故があった場合、営業店の責任者が防犯カメラを見て営業店サイドで対応していました。しかし、個人情報保護法が施行され、また内部統制整備が急がれる中で本部が責任を持って管理し、営業店には手を一切触れさせない体制を構築する。このたびのシステムはそのためです」と導入のねらいを語ります。
新システム導入は、これまで使用していた旧システムのビデオデッキの老朽化にともなうトラブルが発端でした。もともとこれまで使用してきた防犯カメラシステムでは、ビデオテープに録画していた防犯カメラの映像を再生すると肝心のところが映っていない、映っていても映像が悪くて役に立たない、といった悩みを抱えていたそうです。「そういう現実がありましたから、決して満足はしていませんでした。加えて個人情報保護法や預金者保護法など世の中の流れに対応していくためにはどうすべきか。情報管理の重要性は認識しつつも、解決策を見い出せず、思い悩んでいました。そこへもって既存設備が10年以上を経過し、カメラが壊れる、ビデオデッキが故障するといった事故が続出。そんな折にグッドタイミングで日立の方が顔を出し、提案を受けたのが最初です」

須賀川信用金庫
事務部 情報システム課
課長 柳沼 宏吉 氏
今回、システム導入に当たった事務部情報システム課課長の蜿タ 宏吉氏は、導入の経緯をこのように説明し、「この映像情報のセキュリティに関しては理想とする形がありました。それはこれまで営業店単位で独自に運用していた防犯カメラシステムを本部で一括管理し、営業店の職員には装置や映像に一切触れさせない形にすることです。その理想の形を実現するための方向性を示し、明確な答えを出してくれました。それが今回デジタルカメラ導入を決定した一番のポイント」だと強調します。「本部で集中管理するためにはどうすべきか、そのためにはサーバを設置する。幾度かの打ち合わせを繰り返しながら、私たちが理想とする形を具現化していただきました」と蜿タ課長は、この間のシステム構築の流れと苦労を説明します。
センター集中管理型防犯監視カメラシステムは、ATMコーナーをはじめ各営業店に5〜9台の小型カメラを設置(1台はお客さまの顔を特定できるよう入口にズームカメラ、さらにATMの真後ろにも設置)。全営業店と本部とは光通信を使った高速回線でネットワーク化されています。
営業店の映像は本部に設置された3台のFLORA端末のモニター画面に4分割され、全12店舗の映像が映し出されます。これらの映像情報は本部にある日立アドバンストサーバHA8000/70PDに送られ、テープライブラリーに収集・一括保存・管理され、万が一のトラブル発生時に利用されます。
従来システムでは、前記したように肝心の個所が映っていない、画像が不鮮明などの問題がありました。しかも、営業店の職員にとって、テープ交換やタイマー設定などを業務の合間に行わなければならず、作業が面倒でした。また、テープの保管という問題もありました。新システムではこれらの問題が解決されただけではなく、これまでは個々の営業店に行かなければ分からなかった「金庫室の開扉状況」や営業店の営業状況を本部から瞬時に把握することができます。
営業店から依頼があった映像についてはLANを経由し営業店のパソコンにより見ることができます。営業店では映像を見るためのビューアソフトをダウンロードし、表示に際しては日立ソフトウェアエンジニアリングの情報漏えい防止ソリューション「秘文」でガードしながら、アクセス権のある責任者のみが可能となっています。これにより営業店の職員には装置に一切触れさせない、セキュリティに配慮した念願の理想的なシステムが構築されています。

本部に設置されたモニタリング用FLORA端末と、
3台のFLORA端末を使ってモニタリングする蜿タ氏
「今回のシステムを導入するにあたって私たちが、日立を選んだのは当金庫が理想とするシステムを提案した日立のソリューション力です。その決め手になったのは、『ハード・ソフトから保守まで含めたグループの総合力』です」と沼課長は次のように語ります。「ネットワークや個別の機器についてはいくつかのベンダーさんがあります。しかし、個別対応では保守は別々になります。それを避けるためには、入口から出口まで一つのメーカーで統一することに越したことはありません。私たちのシステムは導入して終わりではなく、運用することで初めて生きてきます。それを考えればこのシステムを裏で支えてくれる、日立のトータル的なサービスは不可欠と判断しました」
新システムは稼働以来、本部には営業店から映像を見たいという問い合わせが多数寄せられ、柳沼課長も「びっくりするほど」だと話されます。それは取りも直さず、これまで営業店が独自に処理してきたことの証そのものに他なりません。「それをすべて本部で実態把握できる仕組みを構築できたのは大きな意味があります。今後は支店から要請のあった画像の受付記録をはじめ、さまざまな記録をデータベース化するなど内部統制の整備作りにつなげたい」と溝井部長はこのように抱負を語ります。
須賀川信用金庫では、営業店12店舗のシステム化に続き、店外ATM6か所についてもシステム化を終え、本部からモニタリングできるセンター集中管理型の防犯監視体制を確立しました。
「今、企業はあらゆるリスクを抽出し低減させる時代を迎えています。そのためのコストを生み出せる体質を作らなければこれからは生き残っていけません」と溝井部長は前置きし、「私たちに課せられた大命題は地域経済の活性化を図ることです。それによって私たち自身が活性化すること」だと言い切ります。この言葉にあるように須賀川信用金庫では、地元商工会議所とタイアップし「創業・第二創業」をはじめとしたユニークな経済振興のための支援策を推進し、地域活性化に力を注いでいます。
そして、溝井部長は「私が仕事を進めるうえで念頭においているのは『デジタルとアナログの融合』。“Face to Face”はアナログの世界、これが私たちの向かうべき道です。それをこのデジタルの世界と融合させ、お客さまに対してはアナログの世界で対応する世界を構築しないと生き残っていけません。そのためこれからもデジタルの世界で日立に期待しています」と言葉を結んでくださいました。
須賀川信用金庫

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