日立のシンクライアントソリューションを導入し、
国内同等の高速レスポンスによるオフショア化を実現。
高いセキュリティを確保しつつ、業務コストを削減
クレジットカード大手の株式会社ジェーシービー(以下、JCB)は、
業務コストの削減による事業競争力のさらなる強化を目指して、中国・大連への業務オフショア化を進めてきた。
今回、カード業務をオフショア化するにあたって、日立のシンクライアントソリューション
「セキュアクライアントソリューション」を導入。
シトリックス社の「Citrix XenDesktop™」と高集積を実現した日立のブレードPC「FLORA bd500」
などを組み合わせたシステムにより、国内での処理と同等の高速レスポンスを実現。
高いセキュリティを確保しつつ、業務コストを削減できる見込みだ。

株式会社ジェーシービー
システム本部 インフラ開発部
次長(インフラ開発グループ担当)
須崎 謙祐氏

株式会社ジェーシービー
システム本部 インフラ開発部
インフラ開発グループ 副主事 中国移管システムPM
藤田 雄吾氏
日本のクレジットカードビジネスのパイオニアとして、創業以来50年にわたって、常に業界をリードし続けてきたJCB。
現在では、クレジットカード会社としての役割にとどまらず、決済の仕組みそのものを顧客ニーズに応じて総合的に提供する
「決済総合ソリューション企業JCB」へと変貌しつつある。
「当社は、クレジットカード事業で培ったノウハウやインフラを活かして、他のカード会社や企業、団体の
クレジットカード運営業務の受託も行っています。
また、クレジットカード運営業務の受託ノウハウを活かして、非接触ICを活用した電子マネーサービスの業務を受託するなど、
受託業務の範囲は、決済スキーム全般に拡大しています」と藤田氏は説明する。
現在のクレジットカード業界は、業界再編やサービス形態の拡充など、大きな変革期を迎えており、
投資コストの削減や最適化が急務となっている。
こうした状況において同社は、業務コストの削減による事業競争力のさらなる強化を目指して、
2008年度から中国・大連への業務オフショア化による業務処理体制の再構築を進めてきた。
「オフショア化を通じて高品質な業務処理をローコストで実現することで、
投資コストの削減や最適化が可能になるのです」(藤田氏)。
さらに今回、カード業務の一部を中国・大連へ移管することを決断した。
「カード会社として大量の顧客情報を扱う当社の情報システムは、セキュリティを格段に重視した作りになっています。
今回のオフショア化にあたっても、重要なデータを海外に出さない仕組みを構築することを前提に考えました」と須崎氏は語る。
そこで同社が注目したのが、シンクライアント技術を利用したシステムだ。
データを保存するハードディスクを持たないシンクライアント端末を使うことで、
顧客情報の流出を防止しながら、安心して業務のオフショア化を進められるのだ。
同社は複数の提案を慎重に比較検討し、シトリックス社の「Citrix XenDesktop™」と高集積を実現した日立のブレードPC「FLORA bd500」などを組み合わせた日立の提案を採用した。
日立は、シンクライアントソリューションとして、さまざまな利用シーンに応じた多彩なシステム形態を用意しているが、性能や信頼性、コストなどを総合的に判断し、既存のPC環境からの移行が容易なブレードPC方式を提案。
「シンクライアントシステムの構築において豊富な実績を積んでいるだけに、日立の提案内容は細部まで具体的で、業務の流れや現地スタッフのニーズまで配慮している点が優れていました」(須崎氏)。
オフショア化の鍵は、国内での処理と同等の高速レスポンスの達成だった。それは従来であれば、国内における既存のPC環境でしか実現不可能な数秒単位の厳格なレスポンス要件であった。
「入力業務においては、きわめて厳しいレベルのレスポンス性能が求められます。レスポンスが遅くて業務効率が落ちるようでは、目的を達したとは言えません」(藤田氏)。
日立は、シトリックス社との綿密な連携や豊富な構築ノウハウを駆使して、チューニングなどに工夫を重ねた。さらに、中国・大連でのダミーデータを使っての負荷テストも、数回にわたって入念に実施。
「その結果、従来の国内での処理よりも画面レスポンスが速く感じるまでになりました」(藤田氏)。
2010年6月にスタートした本プロジェクトは、同年10月に現地研修を行い、12月から本番稼働させる必要があった。
日立は、幅広い分野の専門技術者を結集して、充実したサポート体制で、プロジェクトの推進をサポートした。
「豊富な構築実績を元に日立は、どれくらいのデータ量がやりとりされるかを見極めたうえで、日中間のネットワークなどについてもアドバイスしてくれました」(藤田氏)。
本システムで採用されたFLORA bd500は、42Uラック1台に最大320台と高集積にブレードPCを搭載でき、省スペースな設置が可能だ。さらに、ブレードPCの稼働状況に応じて、電源モジュールやファンの動作を最適化することで、システム全体の省電力化にも貢献する。
システムの運用にあたっては、業務スタッフの入れ替わりや増員などにも柔軟に対応できるように、各スタッフ専用のブレードPCを保持する「静的割当」ではなく、管理サーバでブレードPCを一元管理し、全スタッフで共有することで、空きブレードPCを効率的に割当・活用できる「動的割当」を採用。
また、顧客情報が保存されたブレードPCは国内のデータセンターで厳重に管理されるため、現地のシンクライアント端末から情報漏えいが発生するリスクを回避でき、顧客情報の外部流出を防止する。
ディスクレスであるシンクライアント端末は故障率も低く、業務をストップさせる心配が少ない。さらに、ブレードPC用ソフトウェアのアップデートやバックアップなどのPC運用管理を国内データセンターで一括して行えるため、運用管理の負荷を低減できる。
カード業務のオフショア化に成功したことで、同社が得た効果は大きい。高いセキュリティを確保しながら、高品質な業務処理をローコストで行える体制が整ったことになる。
「今回のプロジェクトで得た経験により、国内のオフィス環境を整備していくうえでも、シンクライアントシステムは有効な選択肢となりました。認証方式などを含めて、適用範囲を検討していきたい」(須崎氏)。
シンクライアントシステムは、情報漏えい対策だけでなく、オフィスのフリーアドレス化など、ワークスタイル改革にも力を発揮する。
柔軟性の高い日立のソリューションによって、高いセキュリティを確保しつつ、カード業務のオフショア化を実現したJCBは、事業競争力のさらなる強化を推進していく。

(株)ジェーシービーのシンクライアントシステム概要
[お客様プロフィール] 株式会社ジェーシービー
[本社] 東京都港区南青山5-1-22 青山ライズスクエア
[創業] 1961年1月25日
[資本金]106億1,610万円
[従業員数]2,787名(2010年3月末現在)
世界に数少ない国際クレジットカードブランドのひとつであるJCB。
近年では、従来からの「クレジットカード事業」
のみならず、「決済スキーム提供者」や「オペレーションプロバイダー」として、
「クレジットカード会社JCB」から「決済総合ソリューション企業JCB」への転換に取り組んでいる。
2011年に創立50周年を迎えた。
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