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uVALUE 事業コンセプト

Hitachi

患者の心身の負担を軽減するオープンMRI装置を実現

オープンMRI装置
オープンMRI装置は、患者の心身の負担を大幅に軽減することでき、医師や看護師もその場に立ち会える。

 オープンMRI装置の開発について、伊藤は次のように語る。
 「オープンMRIのもともとの開発コンセプトは、MRIの主流である超電導磁石ではなく永久磁石を使うことで、より安定した稼働とともにランニングコストの低減を実現するというものでした。ところが開発を進めていくうちに、まったく別の観点でのメリットがクローズアップされてきたのです。超電導磁石を使うMRI装置は、対軸方向つまり頭から足の方向へ走る磁力線によって画像を描きだすため、トンネル型の構造になります。これに対して永久磁石を使うMRIは2枚の磁石板を配置し、装置の下から上へと走る磁力線によって画像を描きだします。われわれは日立のデザイン本部とも連携しながら、この構造上のメリットをデザインに生かすことを追求しました。その結果、世界で最も開放性に優れたMRI装置を実現することができたのです」
 MRIによる検査は、30〜40分という長時間を要するのが普通だ。従来のトンネル型のMRI装置で検査を受ける患者は、その長い時間にわたって、密閉された空間で強いられる圧迫感や暑さ、騒音などを我慢しなければならなかった。オープンMRI装置は、こうした患者の心身の負担を大幅に軽減するものである。しかもオープンMRI装置の場合、検査を行っている最中でも医師や看護師が患者に接することができるため、治療にも役立てることができるというメリットがある。
 実際にオープンMRI装置を手術室(インテリジェントオペ室)に導入し、MRI画像をチェックしながら脳腫瘍の手術を行っているある病院では、重要な脳機能を損なうことなく腫瘍をすべて摘出できる確率を、従来に比べて4倍近く高める成果を得ているという。

ITとのさらなる融合により総合医療ネットワークをめざす

 現在、日立メディコでは総合医療ネットワークの中で、オープンMRIをはじめとする各種画像診断装置の一層の発展を推し進めていく考えだ。この点について、伊藤は次のように語る。
 「医療の現場で扱われる画像を含めたデータ量は増加の一途をたどっており、各種の医療機器が独立していたのでは現場でのスピーディなデータ共有・活用は困難です。したがって共通のインタフェースを通じて、バックエンドのITとの連携をさらに高めていく必要があると思います。これをわれわれはPACSと呼んでいます」
 PACS(Picture Archiving and Communications Systems)とは、CT、MRI、X線、超音波などの各種診断装置によって生成されるデジタル画像の採集から保存、管理、診断までの情報処理を統合的に実現するものである。これによって、検査画像を離れた場所にいる医師のところへ画像情報などをネットワークで送り、診断や治療の指示を行う遠隔医療などが可能となる。
 また、これまで紙に記録していたカルテをデジタル化する電子カルテシステムと連携させることで、患者の過去の情報を瞬時に引き出して症状の変化を把握することもでき、患者と医師の双方に対してメリットを高めることができる。
 診察料や治療費の計算、処方せんや会計明細の発行、レセプトの処理などを担っている業務系ネットワークシステムとの連携も有益である。煩雑な事務手続きを簡略化して病院経営の効率化に貢献するとともに、診察後の待ち時間も大幅に短縮することができる。
 日立メディコではいまこうした医療ネットワークシステムの実現に向けて、開発設計力、生産効率、品質、セールス力、サービス力の5つの要素の強化を図っている。診断から治療の領域へビジネスのポートフォリオを広げ、そこにITの活用を図ることで、医療現場のさまざまな課題に応える新たな価値を提供していきたいと考えているのである。

病院に生きる「日立」
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