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統合プラットフォーム

Hitachi

近年、経済のグローバル化の進展や新規ビジネス立ち上げなどの動きが活発化し、企業が相対する経済環境や市況は日々著しく変化しています。クラウドやビッグデータ利活用技術の普及、進展などIT技術の革新も進み、企業を取り巻くビジネス環境は急速に変容しています。

こうした中でも、企業には自社ビジネスの成長を実現するため、環境変化に迅速に対応し、新たな価値を創成していくことが求められています。そこで注目を集めているのが、ハードウェアとソフトウェアを統合し、システム運用を容易化する垂直統合型プラットフォームです。本稿ではハードウェアから仮想化環境、ミドルウェアまでクラウド環境に必要な要素を統合した、垂直統合型統合プラットフォームについてご紹介します。

仮想環境が進展する一方で増加し続けるITコスト

仮想化技術は、サーバを統合することによる設備コストの抑制や、サーバ台数の削減による消費電力削減、冷却エネルギー低減で省エネルギー化の恩恵をもたらしました。近年では、複数のサーバを設置するデータセンターでの導入が目立っています。

その一方で、物理サーバに比較し、仮想サーバの数が急激に増加すると、管理対象も増加し、運用管理コストの増加につながります。さらに仮想サーバを利用することで、多様なハードウェアやソフトウェアの組み合わせによる管理が複雑化します。このような状況において、各種管理ツールを扱うために習熟した専門知識を備えた複数の専門家に管理をしてもらうことが必要となり、ハードウェアに掛かるコストは削減できても、運用管理コスト全体は増加傾向にあります。

図1:増加し続けるIT運用コスト
図1:増加し続けるIT運用コスト

垂直統合型プラットフォームへの期待

これまでは、ハードウェア、ソフトウェアの各製品分野で最良と判断した複数ベンダーの製品を組み合わせてシステムを構築するスタイルが主流でしたが、こうしたスタイルは上記であげたような運用コストを増加させる要因となります。こうした中で、近年注目を集めているのが、垂直統合型プラットフォームです。

これは企業システムの基盤となるサーバ、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアを単一ベンダーが提供するものです。システムを動かすのに必要な設定は製品の出荷前に終わっているため、納品後に動作検証の必要がありません。このため、スピーディーに導入できるというメリットがあります。また、システム障害が起こっても、関連する保守・サポートサービスは単一ベンダーが提供するため、問い合わせ先が1社で済むといった点もメリットと言えます。

垂直統合型プラットフォーム選定のポイント

すでに複数のベンダーが、仮想環境の構築を前提とした垂直統合型プラットフォームを発売していますが、その選定に当たってはプラットフォームに求められる要件を見極めておく必要があります。ここでは、主な選定のポイントを三つご紹介します。

図2:垂直統合型プラットフォームに求められる要件
図2:垂直統合型プラットフォームに求められる要件

一つ目がITリソースの効率的な活用です。多様なストレージ、サーバ、ネットークなどのITリソースが増えていくほど、システムは複雑化します。これらのITリソースを継続してムダなく活用し、柔軟にビジネスで利用するため、仮想化技術を活用してクラウドの導入が容易に行える必要があります。これらのITリソースを一括管理し、必要に応じてオンデマンドで提供できるようにし、さらにエンドユーザーが意識しないところで物理リソースの拡充ができるようにすることは、効率的なクラウド運用を実現する上で欠かせない要素となります。

二つ目が、ビジネス変化への即応性です。ビジネススピードが加速している現在、システムを短期に開発して他社に先駆けてサービスインしなければならない場面、業務の急激な変化に即応しなければならない場面が増えています。このためには、既存システムのコピーなどによる短期立ち上げや、ITリソースのオンデマンド拡張のニーズに対応できなければなりません。

三つ目が、運用容易性とサービスレベルの確保です。仮想サーバの台数が増加すると、それぞれのサーバへの設定回数も比例して増え、作業工数も増大します。1台あたりの工数を少しでも減らせることや、自動化できることが工数削減の鍵になります。また、仮想環境で構築したシステムでは、複数ソフトウェアの操作が必要な仮想マシン運用や、システム構成変更に伴う複数サーバ上での設定作業など、複雑なオペレーションが必要です。このため、運用手順書に基づく人手作業の負荷が一段と高まり、運用効率の向上や人的ミスの低減が求められています。

そして、運用状態の見える化で、運用ポリシーとサービスレベルの維持も必要です。

求められるのは直ぐに使えて、変化に対応する統合プラットフォーム

これらの課題に応えるため、2012年10月に日立が発表したのが「日立統合プラットフォーム Hitachi Unified Compute Platform(以下、UCP)」です。本製品は、サーバ、ストレージ、ネットワークなどのハードウェアを垂直統合し、事前検証や基本設定を済ませて提供することで、迅速なシステム導入を実現します。用途に合わせて2モデルを提供しており、高信頼な仮想環境を効率的に運用するIaaS基盤モデルと、業務アプリケーション実行環境としてミドルウェアを含めたクラウド環境を提供するPaaS基盤モデルを選択できます。

図3:用途に応じて選べるUCPの2モデル
図3:用途に応じて選べるUCPの2モデル

前述した垂直統合型プラットフォームに求められる要件に対応するUCPの特長を示します。

図4:要件に対応するUCPの特長
図4:要件に対応するUCPの特長

日立統合プラットフォームでは、今後の方向性として仮想化されたITリソースの効率活用を種々の業務に対応する柔軟性の強化、アプリケーションからプラットフォームまでを含むリソース統合管理の強化、スケーラビリティとデータセンタ間連携の強化など、社会イノベーションとビジネス創生を支えるプラットフォームへと強化を図っていきます。

特記事項

  • この記事は、「会報誌 HITACHI USER 2013年1月」に掲載されたものです。
  • 記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。