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Hitachi

日立ディスクアレイシステムにおけるSVPセキュリティホール
(MS11-018〜034)対策について

2011年4月20日
(株)日立製作所RAIDシステム事業部

1. 日立ディスクアレイシステムに対するセキュリティホール対策のお知らせ

 Microsoft製品に対して、以下に示すセキュリティホールが公開されました。

  1. MS11-018:Internet Explorer用の累積的なセキュリティ更新プログラム(2497640)
  2. MS11-019:SMBクライアントの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2511455)
  3. MS11-020:SMBサーバーの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2508429)
  4. MS11-021:Microsoft Excelの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2489279)
  5. MS11-022:Microsoft PowerPointの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2489283)
  6. MS11-023:Microsoft Officeの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2489293)
  7. MS11-024:Windows FAX送付状エディターの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2527308)
  8. MS11-025:Microsoft Foundation Class(MFC)ライブラリの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2500212)
  9. MS11-026:MHTMLの脆弱性により、情報漏えいが起こる(2503658)
  10. MS11-027:ActiveXのKill Bitの累積的なセキュリティ更新プログラム(2508272)
  11. MS11-028:.NET Frameworkの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2484015)
  12. MS11-029:GDI+の脆弱性により、リモートでコードが実行される(2489979)
  13. MS11-030:DNS解決の脆弱性により、リモートでコードが実行される(2509553)
  14. MS11-031:JScriptおよびVBScriptスクリプトエンジンの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2514666)
  15. MS11-032:OpenType Compact Font Format(CFF)ドライバーの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2507618)
  16. MS11-033:ワードパッドのテキストコンバーターの脆弱性により、リモートでコードが実行される(2485663)
  17. MS11-034:Windowsカーネルモードドライバーの脆弱性により、特権が昇格される(2506223)

 弊社の日立ディスクアレイシステムのSVPにおける、上記1〜17の脆弱性の影響は下記の通りです。

  1. 本件は、Internet Explorer用の累積的なセキュリティ更新プログラムです。
    これらの脆弱性の中で最も深刻な脆弱性を攻撃者が悪用した場合、SVP使用者(保守員)がInternet Explorerを使用して特別に細工されたWebページを表示することで、リモートでコードが実行される可能性があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  2. 本件は、SMBクライアントの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別な細工がされたSMBサーバーへの接続を開始する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  3. 本件は、SMBサーバーの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    日立ディスクアレイサブシステムのSVPでは、本件の対象となるOSを使用しており、本脆弱性の影響を受けます。
  4. 本件は、Microsoft Excelの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    SVPはサブシステム管理専用装置であり、Microsoft Excelがインストールされることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  5. 本件は、Microsoft PowerPointの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    SVPはサブシステム管理専用装置であり、Microsoft PowerPointがインストールされることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  6. 本件は、Microsoft Officeの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    SVPはサブシステム管理専用装置であり、Microsoft Officeがインストールされることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  7. 本件は、Windows FAX送付状エディターの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)がWindows FAX送付状エディターを使用する特別な細工がされたFAX送付状ファイル(.cov)を開く必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  8. 本件は、Microsoft Foundation Class(MFC)ライブラリの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別な細工がされたライブラリファイルと同じネットワークフォルダーにあるMFCを使用して開発されたアプリケーションと関連するファイルを開く必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  9. 本件は、MHTMLの脆弱性により、情報漏えいが起こるというものです。
    本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたWebページを訪問する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  10. 本件は、ActiveXの Kill Bitの累積的なセキュリティ更新プログラムです。
    SVP使用者(保守員)が Internet Explorerで特別な細工がされた Webページを表示した場合、リモートでコードが実行される可能性があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  11. 本件は、.NET Frameworkの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)がXAMLブラウザーアプリケーション(XBAP)を使用して、特別に細工されたWebページを閲覧する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  12. 本件は、GDI+の脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が影響を受けるソフトウェアを使用して特別に細工された画像ファイルを開く必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  13. 本件は、DNS解決の脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    日立ディスクアレイサブシステムのSVPでは、本件の対象となるOSを使用しており、本脆弱性の影響を受けます。
  14. 本件は、JScriptおよびVBScriptスクリプトエンジンの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたWebサイトを訪問する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  15. 本件は、OpenType Compact Font Format(CFF)ドライバーの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工された CFFフォントでレンダリングされたコンテンツを表示する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  16. 本件は、ワードパッドのテキストコンバーターの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。
    本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)がワードパッドを使用して、特別に細工されたファイルを開く必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
  17. 本件は、Windowsカーネルモードドライバーの脆弱性により、特権が昇格されるというものです。
    本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、攻撃者がローカルでログオンし、特別に細工したアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。

 弊社ストレージ装置における、今回の脆弱性の影響を以下の表に示します。

表1 脆弱性の影響範囲
ストレージ装置 影響する脆弱性
Hitachi Virtual Storage Platform
Hitachi Virtual Storage Platform VP9500
MS11-020
MS11-030
Hitachi Universal Storage Platform V
Hitachi Universal Storage Platform H24000
Hitachi Universal Storage Platform VM
Hitachi Universal Storage Platform H20000
MS11-020
MS11-030
Hitachi Universal Storage Platform
Hitachi Universal Storage Platform H12000
Hitachi Network Storage Controller
Hitachi Universal Storage Platform H10000
MS11-020
MS11-030

SVPは直接ストレージ機能には係わりませんので、万一攻撃者から攻撃された場合であってもストレージとしてのデータの内容およびRead/Write機能に支障はありません。また日立ディスクアレイサブシステムに蓄積されているデータを読み取られることもありません。
しかしながら万一SVPが攻撃された場合、装置の構成変更設定や保守作業に支障をきたす等の可能性があります。
そのため今般、対象となる製品に対しまして、予防処置をさせていただきます。

なお、Windows XP用のセキュリティパッチは、SP2に対するマイクロソフトのサポートが終了したことに伴い、2010年8月からSP3用のみ公開されます。SVPに対して以上のパッチを適用する場合、SVP OSをSP3にアップグレードしてください。

2. 今回のセキュリティホールの特徴

攻撃者が、上記の脆弱性を悪用する目的で、特別な細工を施したSMBパケット、またはDNSクエリを作成し、影響を受けるコンピュータに送信することにより、リモートでコードが実行される可能性があります。

3. 対象製品

Hitachi Virtual Storage Platform、Hitachi Virtual Storage Platform VP9500、
Hitachi Universal Storage Platform V、Hitachi Universal Storage Platform H24000、
Hitachi Universal Storage Platform VM、Hitachi Universal Storage Platform H20000、
Hitachi Universal Storage Platform、Hitachi Universal Storage Platform H12000、
Hitachi Network Storage Controller、Hitachi Universal Storage Platform H10000、
SANRISE9980V/9970V、SANRISE9980V-e/9970V-e、SANRISE H1024/ H128

注:
Hitachi Adaptable Modular Storage、Hitachi Workgroup Modular Storage、Hitachi Simple Modular Storageは影響を受けません。

4. Storage Navigatorのご使用について

Storage Navigatorのご使用については、Storage Navigator機能に限ったご使用であれば特に問題ありません。
クライアントPCを他の用途でもご利用されている場合、ご利用内容によっては今回の脆弱性の影響を受ける可能性があります。
詳しくはメーカにお尋ねいただくか、以下のセキュリティサイトをご確認の上対応をお願い致します。

本セキュリティホールに関する情報


本件に関する問合せ窓口
(株)日立製作所RAIDシステム事業部 販売推進本部 販売企画部


*1
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*2
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*3
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