「Hitachi Virtual File Platform」の導入で
ストレージ統合とクラウドサービスを活用したBCP対策を実現
多くの企業では、ますます大容量化・多様化する企業内データの効率的な運用と災害対策が、 IT戦略における重要な課題となっています。
そこで名古屋市に本拠を構える総合建設企業 東建コーポレーション株式会社(以下、東建コーポレーション)は、ファイルストレージの更改にあたり日立の仮想ファイルプラットフォーム「Hitachi Virtual File Platform(バーチャル ファイル プラットフォーム)(以下、VFP)」を導入。
同モデルの「Cloud on-Ramp(クラウド オン ランプ)」機能によって社内データを遠隔地の日立データセンターへ自動的にアーカイブ/バックアップする体制を整備することで、シンプルな運用とBCP*1 対策を両立させ、将来のSAN/NAS*2 ストレージ統合を実現する基盤づくりにも成功しました。

東建コーポレーション株式会社
情報システム部
技術インフラ課 主任
小島 誠 氏
1974年に創業した東建コーポレーションは、リース建築を通じた“土地の有効活用と活性化”を提唱し、アパート・賃貸マンション・マンスリー・貸店舗の企画・設計・施工から仲介・管理・経営代行まで行う総合建設企業として数多くの実績を積み重ねてきました。ITを事業戦略の重要な基盤と位置づける同社は、営業・設計積算・建築・仲介といった複数の業務をシステマチックに連動させた「東建ITマネジメント・システム」を構築。常に業界の先端を走るIT化の実現で、オーナーの土地活用事業をサポートしています。
同社は2011年、ファイルストレージの老朽化にともない、新機種の導入プロジェクトを発足。将来に向け、ファイルストレージ(NAS)とブロックストレージ(SAN)の統合環境を構築した上で、既存のファイルストレージでの冗長構成をさらに整備し、増え続けるデータのバックアップもスピーディかつ高信頼に行えることを大きな目標に据えました。
そして複数ベンダーによるプロポーザルの中から選ばれたのが、株式会社 日立システムズ(以下、日立システムズ)が提案したVFPとミッドレンジストレージ「Hitachi Adaptable Modular Storage(アダプタブル モジュラー ストレージ)(以下、AMS)シリーズ」の連携ソリューションだったのです。東建コーポレーション 情報システム部 技術インフラ課 主任の小島 誠氏は「日立システムズさんのプランは、われわれの要求をすべて満たしていただけでなく、VFPの機能であるCloud on-Rampを使った日立データセンターへの自動アーカイブと、東西のデータセンター2拠点を結んだ遠隔レプリケーションなどの新提案が盛り込まれていました。つまり単純なバックアップだけでなく、本社側ストレージ容量の最適化を図りながら、本格的なBCP対策も実現できる大きな付加価値があったのです。クラウド時代にふさわしい画期的なソリューションに加え、専任のCE(Customer Engineer)を配置し、製品開発元である日立製作所さんとも協調したトータルなサポート体制を準備していただける点にも信頼が置けました。そこで当社にとって基幹系のシステム品としては初めてのおつきあいとなる日立グループさんでしたが、システム導入をお願いすることにしたのです」とその経緯を説明します。
日立が開発したVFPは、ファイルシステム容量を業界最大の1PB(ペタバイト)まで拡張でき、多数のNASやファイルサーバを統合できる次世代ファイルストレージです。独自機能であるCloud on-Rampは、VFPを“クラウドへの入り口”と位置づけ、あらかじめ設定したポリシーに基づいて、企業内で増え続けるデータをデータセンター側のストレージへ自動的にアーカイブ/バックアップすることが可能です。ローカルディスクに置かれたデータはもちろん、クラウド側にあるデータに対しても、いつでも透過的にアクセスできるため、ユーザーはその格納位置を意識したり、バックアップに手間をかけたりする必要がありません。また日立では東日本・西日本双方の高信頼データセンター間でレプリケーションを行う二重化サービスを提供しているため、東日本大震災以降、多くの企業から注目を集めるBCPの観点からも非常に有効なソリューションといえます。
「従来からバックアップテープの遠隔保管という災害対策は行っていましたが、テープは消耗品ですので、本当に災害があった際にリストアできるか不安要素がありました。またフルバックアップするにも丸2日の時間を要していたため、今回提案されたスピーディかつ高信頼なソリューションは、災害対策だけでなく業務効率の向上やコスト低減にも役立つと考えました」と小島氏は語ります。

東建コーポレーションに導入されたシステムの概要
また「データ移行の容易性もVFPを選んだポイントの1つ」と語るのは、東建コーポレーションのIT戦略を長らくサポートしている株式会社 アイネット クラウドシステム事業部 第2システム部 課長代理の糟谷(かすや) 良成氏です。
「既設ファイルストレージにはオフィスデータやメールデータ、画像・図面など4TB以上もの膨大なデータが格納されていました。これを業務停止を最小限に抑えながら新環境にどう移行するのかも大きな課題となっていたのです」と糟谷氏は続けます。
これに対しVFPでは、既設のストレージとVFPを仮想的にシステム連携することで、移行用サーバを設置することなく短時間でデータを移行できるオンラインデータ移行機能を備えています。これにより「何のトラブルもなく予想以上に短時間で移行できました。非常に満足しています」と糟谷氏は語ります。
2012年7月から全面稼働を開始した新システムは、本社用ファイルサーバ、仲介物件用画像ファイルサーバを2台のVFPノードが冗長化構成で担い、ストレージ本体にはAMS2300、そのバックアップ用ストレージとしてAMS2010が導入されています。AMS2300のディスク領域はVFP領域とブロックストレージ領域に仮想分割されており、今後はFC*3 やiSCSI*4 で接続される基幹サーバや業務サーバの統合ストレージ環境が実現できるようになっています。本社用ファイルサーバは現在5TB、仲介物件用画像ファイルサーバは将来的には1億ファイル前後までの増加を見込んでいますが、Cloud on-Rampによって今後も容量不足の心配はありません。
従来のファイルストレージにはWindows®クライアントとの親和性が高いWindows® Storage Serverが使われていました。このため日立の独自OSとなるVFPの導入には「若干の不安があった」と語るのは、アイネット クラウドシステム事業部 第2システム部の市古 圭司氏です。「しかしそれも杞憂に終わりました。テスト段階でも実運用でもファイルシステムにまったく問題はありません。また日立さんの場合、少しでも不安要素があるとすぐに対応にあたってくださるため、安心してシステムを運用できます」と笑顔を見せます。
今後はAMS2300に、基幹系データベースや業務サーバのブロックデータも順次格納していくことが計画されているほか、ファイルストレージと同様、基幹系データのリモートバックアップも日立のクラウドサービスを利用して行うことが検討されています。
「今回のファイルストレージ導入における成功事例をベースに、さらなるコスト低減につながるストレージ統合や、ステークホルダーの皆さまの安心につながる事業継続性の向上に向けた取り組みを一段と加速させていきます」と力を込める小島氏。その期待に応えるため、今後も日立グループは高信頼のクラウドサービスと連携したストレージソリューションの強化・拡充を継続的に展開していきます。
USER PROFILE
東建コーポレーション株式会社
[本社] 愛知県名古屋市中区丸の内2-1-33
東建本社丸の内ビル
[設立] 1976年7月17日
[資本金] 4,800百万円
[従業員数] 5,092名(パート社員含む/2012年9月現在)
[事業内容]
一般リース建築事業、企業向けリース建築事業、アパート・賃貸マンション・マンスリー・貸店舗の仲介事業など
Partner Profile
株式会社 日立システムズ
[所在地] 東京都品川区大崎1-2-1 大崎フロントタワー
[設立] 1962年10月1日
[資本金] 19,162百万円
[従業員数] 11,081名(2012年3月31日現在/単独)
[事業内容]
クラウドソリューション、システム構築、アウト
ソーシング、システムの運用・保守、海外進出企業のIT環境構築など
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