ページの本文へ

Hitachi

日立ストレージソリューション

統合文書管理システムを新たに構築
文書管理プロセスの高度化を推進し、情報セキュリティの更なる強化を実現

地方銀行大手の静岡銀行は、統合文書管理システムの構築を実施した。行内の業務文書を効率的に管理・活用できる環境を実現し、セキュリティ/業務生産性の向上やワークスタイル改革に役立てていくのが狙いだ。同行ではこのプロジェクトのパートナーに日立グループ( 以下、日立)を選定し、紙/電子文書の統合管理や紙での保管が必要な文書の適切なライフサイクル管理を実現。将来的には本部部門だけでなく、営業店の文書管理業務改善にも活用していく計画だ。

本部部門における文書管理プロセスの高度化に挑む

松下 治生 氏
静岡銀行
事務サポート部
事務企画グループ
ビジネスリーダー
松下 治生 氏

2013年に創立70周年を迎えた静岡銀行。「地域とともに夢と豊かさを広げます」という経営理念のもと、長年にわたり地域企業の経営や人々の暮らしを地域密着で支えてきた。2014年度を初年度とする第12次中期経営計画「TOBIRA〜明日への扉を開くために」では、地域密着型金融の更なる深化、新たな事業領域・収益機会への挑戦、柔軟かつ強固な経営基盤の構築などを基本戦略として設定。持続的な成長を果たすための取り組みを一段と強化している。

その一環として同行が今回取り組んだのが、統合文書管理基盤の構築プロジェクトである。静岡銀行の事務サポート部 事務企画グループ ビジネスリーダー 松下 治生氏は、その背景について次のように説明する。

「当行では数年前に営業店のBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)を実施しており、営業店内の業務とそこで利用される文書についての集中化・簡素化を進めてきました。この取り組みは大きな成果を上げましたが、その一方で本部部門の文書管理プロセスにはまだ改善の余地がありました。そこで、文書管理業務の更なる高度化を推進し、生産性向上やワークスタイル改革につなげていきたいと考えたのです」

同行の本部では各種の管理台帳や稟議書類、営業資料、ガバナンス/コンプライアンス上必要な書類など、膨大な種類の業務文書が存在する。従来はこうした文書をそれぞれの所管部門が管理しており、全社的な文書管理ルールはそれほど明確化されていなかったという。「こうした状況では、廃棄すべき文書が残ったままになっていたり、必要な情報を探すのに手間が掛かったりといったことが起こりがちです。そこで文書管理の高度化を通して改善を図り、大量の業務文書を安全に、かつ効率的に管理・活用できる環境をめざしました」と同行の事務サポート部 事務企画グループ ビジネスリーダー 鈴木 清充氏は説明する。

こうした課題の解消に向けて実施されたのが、日立コンサルティングと合同で行った文書管理の高度化に向けた共同研究だ。「日立には文書管理に関わる実績が数多くあり、豊富なノウハウを持っています。当行でもこの点に着目し、地域金融機関としてのあるべき文書管理モデルを新たに創り上げる取り組みを支援してもらいました」と松下氏は説明する。

日立をパートナーに選定し新たな文書管理基盤を構築

鈴木 清充氏
静岡銀行
事務サポート部
事務企画グループ
ビジネスリーダー
鈴木 清充氏

この共同研究で文書管理の高度化への道筋を付けた同行だが、2014年10月に竣工が予定されている新本部棟への移転に向け、更にその取り組みを加速させている。  新本部棟では、めざすべきワークスタイル改革が本格的に推進される予定であるが、そのためには新たな業務プロセスを担う文書管理基盤が必要不可欠となる。そこで同行では、引き続き日立をパートナーに選定し、具体的なシステム構築に向けた取り組みに着手。共同研究の成果も踏まえて、さまざまな検討を重ねた。

そのプロセスとしてまず行われたのが、全行統一の文書管理ルール作りである。「今後の文書管理のコンセプトとなる基本ルールを定めた上で、業務文書の取り扱い、保管に関する基準を策定。更に、これらを実際の手順や運用に落とし込むための要領作りも部署横断で進めていきました」と松下氏は話す。

新たな業務プロセスを築く上では、現場の運用状況や課題などもしっかりと把握しておくことが必要だ。そこで日立では、各部門の現場調査も実施。どのような文書が存在し、どのように利用されているのかを洗い出していった。

また、これと並行してペーパーレス化にも取り組んでいる。具体的には、既存文書の約75%削減を目標に設定。ただし、この目標の実現はそう簡単なことではない。なぜなら新本部棟に入居するグループ企業まで含めると、対象となる文書を並べた長さは約17kmにも達するほどだったからだ。

「これほど大量の文書を1/4にまでスリム化するわけですから、あらゆる方策を駆使しなくてはなりません。電子化が可能な文書についてはスキャナーで読み込む、紙で保管する必要のある文書はグループ会社にて集中保管を行う、各文書の保管期限を明確にし不要文書については適切に廃棄していくなど、さまざまな取り組みを進めています」と鈴木氏は説明する。

紙/電子文書の統合的なライフサイクル管理を実現

新たな文書管理基盤を支えるシステムについて、最適な業務を実現するためのさまざまな工夫が盛り込まれている。松下氏は「セキュリティ/ガバナンスの確保は大前提ですが、その他に大きな要件として掲げたのが紙/電子文書の統合管理です。電子化した方が利用しやすいことは確かですが、銀行では法規制対応などのために、どうしても紙文書で保管が必要な業務もあります。しかし、これらの管理が別々になってしまったのでは、我々がめざす業務プロセスは実現できません」と語る。

そこで今回のプロジェクトでは、日立ソリューションズの企業内コンテンツ管理システム「ラビニティECM」を採用。これを統合文書管理基盤のフレームワークとして利用し、カスタマイズしていくことで同行固有の業務要件にも対応した仕組みを実現。電子文書だけでなく紙文書の所在も適切にシステムで管理されており、参照が必要な場合はスキャンしたイメージデータで閲覧することもできる。これにより、紙/電子文書の違いを意識することなく、一元的に活用することが可能になった。また、紙保管が必須の法定書面などについては、文書IDを記録したバーコードラベルを添付し、作成から保存、廃棄までのライフサイクルをトータルに管理できるようにしている(図)。

更に、金融機関のシステムに欠かせない高い性能と信頼性・可用性を確保するため、ブレードサーバ「BladeSymphony BS500」、ファイルストレージ「Hitachi Virtual File Platform」、テープアレイ装置「TF1100」などの日立プラットフォーム製品も採用。今後の拡張にも余裕を持って対応できるスケーラビリティや、重要業務データの確実な保全、バックアップ業務の効率化など、数多くのメリットを実現している。

同行では、今回のプロジェクトをコンサルからシステム構築までを一貫して支えた日立を高く評価する。「我々ユーザー側の業務要件をITベンダーに100%理解してもらうのは難しい面もあります。しかし日立は、共同研究の段階から“システムありき”ではなく、“業務としてあるべき姿”を一緒になって追求してくれました」と鈴木氏は話す。

現在同行では、統合文書管理基盤への文書/データ移行を進めている最中であり、既存文書約75%削減、新規発生文書約60%削減という目標に向けて、着々とプロジェクトは進行しているという。

「統合文書管理基盤による業務プロセスが定着すれば、本部内に蓄積されたナレッジやノウハウを部門間で共有して、新たな施策に生かすといったことも可能になります。文書管理効率化や業務生産性向上に寄与するシステムに育てていきたい」と松下氏は話す。

更にその先に見えているのは、営業店での活用だ。同行では、プロジェクト開始当初より営業店への展開を考えており、本部移転完了後に具体的な検討を進めていく予定だ。地域社会への貢献をめざす同行の取り組みを、今後も日立のソリューションが支えていくことになる。

システム構成例
図 新たに構築された統合文書管理システムの概要

全行統一の文書管理ルールを策定すると同時に、紙/電子文書の統合管理も実現。さまざまな業務文書の所在や紙保管文書のライフサイクルを適切に管理することが可能だ

USER PROFILE

静岡銀行新本部棟完成イメージ
新本部棟完成イメージ

地域の発展を支える総合金融機関として、多彩な金融サービスを展開。現在は第12次中期経営計画「TOBIRA〜明日への扉を開くために」を推進中。社会貢献活動や環境保全活動にも積極的に取り組んでいる。

静岡銀行
[本店] 静岡県静岡市葵区呉服町1-10
[設立] 1943年3月1日
[資本金] 908億円(2013年7月1日現在)
[従業員数] 3,050人(2014年3月31日現在)

特記事項

  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
  • この記事は2014年06月24日から7月21日まで日経BP社「ITpro Special」に掲載されている内容を抜粋したものです。
  • 掲載記事の無断転載を禁じます。