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ストレージソリューション

Hitachi

SAP® ERPアップグレードを契機に
IT基盤をBladeSymphonyと日立ストレージソリューションに刷新
運用も日立データセンターへアウトソーシングし、コア業務に注力

写真:本社・横浜事業所 世界トップクラスの“ばね”技術を核に、幅広い事業展開を図る日本発条株式会社では、基幹システムであるSAP® ERPのアップグレードを契機に、IT基盤と運用体制を刷新。
日立はアップグレードのコンサルティングから、ブレードサーバである「BladeSymphony BS1000」、ストレージシステムである「Hitachi Universal Storage Platform」と「Hitachi Adaptable Modular Storage」、それらを堅ろうなデータセンターで管理するアウトソーシングサービスまでをトータルに提供し、同社のシステム力強化とBCP*1の推進を包括的にサポートしました。

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Business Continuity Planning:事業継続計画

SAP® ERPのグループ展開を前に、ITインフラを強化

写真:鈴木 潤一氏
日本発条株式会社
情報システム部 主管
鈴木 潤一氏

 自動車用懸架ばねのシェアで世界1位、HDD*2用サスペンションで世界2位、さらに毛髪より細い精密ばね技術でも世界に知られる「日本発条株式会社(以下、ニッパツ)」。同社は“ばね”以外でも、自動車用シートやセキュリティ関連製品、立体駐車装置など、自動車、情報通信、産業・生活分野などを軸に多彩な事業を展開する独立系のキーパーツメーカーとして世界規模での躍進を続けています。

 「可能性への挑戦」をスローガンに、常に新しい事業分野の開拓とグローバル化への対応を図ってきたニッパツでは、2010年を見据えた中期経営計画の中で、基幹システムを自社開発のレガシーシステムからERPパッケージ「SAP® R/3(4.6C)」へと刷新し、2006年5月までに全社導入を完了。2008年1月には、その最新版である「SAP®ERP 6.0」へのアップグレードを果たすとともに、ITインフラとなるサーバやストレージシステムの再構築にも取り組みました。この間の経緯を、情報システム部 主管の鈴木 潤一氏は、次のように振り返ります。

   「SAP® ERPの全社導入が完了した後、今度は連結決算への対応やシステム標準化という観点から、国内外の関連会社へもERPシステムを展開していくことが新たな目標となっていました。し かしその過程で、導入していたSAP® R/3 4.6Cの保守期限切れが迫っていたことから、まずは本社機能を最新バージョンにアップしてから関連会社への展開を図る方が、さまざまな面で効果的だと判断したのです。同時に、基幹システムの継続的な発展を図るには、より強固でスケーラブルなITインフラが必要なこと、さらにディザスタリカバリやBCPの観点からも、埋め立て地のため地盤が弱く、自家発電装置も工場機能を優先せざるを得ない本社から、信頼性の高い外部のデータセンターへシステムを移さなければならないという喫緊の課題がありました。そこでこれらを一気に解決しようと取り組んだのが今回のプロジェクトだったのです」

*2
ハードディスクドライブ

さまざまな要件にトータルに応えた日立の総合力

写真:伊藤 陽介氏
日本発条株式会社
情報システム部 主査
伊藤 陽介氏

 SAP® SCM(計画管理)、 SAP® BI(経営管理)モジュールとも連携したSAP® ERP 6.0へのアップグレード・コンサルティング、基幹システムを支えるサーバとストレージシステムの更新、そして信頼性の高いデータセンターでの基幹システム運用――これら複数の課題を情報システム部のSIパートナーとしてトータルに受託したのが日立でした。

 「実は、SAP®システムの大規模な自社導入と自動車関連業界への導入実績がある日立さんに、当社のSAP® R/3全社導入の際のコンサルティングをお願いしていた経緯があります。当時はIT基盤となるサーバやストレージには他社製を導入しましたが、データ量の拡大とともにレスポンスが低下してきたことや、今回はデータベースサーバを32bitマシンから64bitマシンへ移行しなければならないという課題もあり、基盤とアプリケーションの密接な連携を高信頼かつスムーズに実現するには、システム設計や既存システムからのサイジングも含めて、同一ベンダーにお願いしなければならないと考えていました」と語るのは、情報システム部 主査の伊藤陽介氏。

 伊藤氏によれば、これら一連の要件とデータセンターでのシステム運用までをトータルで担えるベンダーは数少なく、新たに採用するサーバやストレージの機能比較においても、日立製品の水準が極めて高かったことがSIerに選択した理由だったと説明します。

容易な拡張性と高信頼性をあわせ持つBladeSymphony

 そして24時間365日のミッションクリティカルサービスを担うニッパツの新基幹サーバに採用されたのが、BladeSymphonyハイエンドモデル「BS1000」です。「今後のシステム拡張を考慮した場合、サーバ環境にはどうしても拡張性の高さが必須条件になると考えていました。その点、数あるブレードサーバの中でもBladeSymphonyは、効率よいスケールアウトに加え、スケールアップによる性能向上にもシステム無停止で対応できる点が大きな決め手になりました」(伊藤氏)

 IPF*3( IA64)サーバモジュールは基本的に2Wayですが、これを最大8WayのSMP*4システムとして利用できるのが、BladeSymphonyならではの「サーバモジュール間SMP機能」です。2Wayから8Wayまでのシームレスなスケールアップは、特にERPや大規模データベースを使う業務でリニアに性能を高めることができるため、初期投資を最小化しながら、将来的な拡張性にも優れたサーバとして業界内でも高く評価されています。

 従来は別々のサーバで構築されていた開発機・品質保証機・本番機を、IPF(IA64)とWindows Server 2003で構成されたBS1000に集約したニッパツは、OSの起動をファイバチャネル接続のSANストレージから行う「SANブート」対応とすることでサーバ障害のリスクと業務再開までのタイムラグを極小化。さらにBladeSymphonyの「N+1コールドスタンバイ機能」によって、ミッションクリティカルシステムとしての可用性も確保したのが大きな特長といえるでしょう。

 「従来システムではサーバの可用性を高めるためクラスタ構成を採用していました。しかしハードウェア投資が倍になるうえ、ソフトウェアのバージョンアップやパッチ適用など運用面での負担も少なくありませんでした。これに対しN+1コールドスタンバイなら待機系サーバを最小化でき、同じBS1000内で立ち上げているSAP®ERP以外のシステムとも共用できます。BladeSymphonyの採用によって、初期投資を抑えつつ、拡張性と信頼性にも優れたシステムが実現できました」と笑顔をみせる伊藤氏。続けて鈴木氏も、「新システムは当初から、外部のデータセンターに設置することを考えていたため、利用料にはねかえる省スペース性や省電力性、さらに言えば運用面での使いやすさも重要な検討項目に入っていました。これらも含めてBladeSymphonyを選択したことに非常に満足しています」と語ります。

*3
Itanium Processor Family
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Symmetric Multiple Processor

ディスクアレイの仮想化機能を用いたシームレスなバックアップを実現

 一方、国内のSAP® ERP適用システムではトップクラスとなるデータ量を格納する新ストレージに選ばれたのが、世界で初めて*5ディスクアレイ自体に仮想化技術を採用し、機種の異なる複数ストレージの一元管理を実現したエンタープライズストレージ「Hitachi Universal Storage Platform(以下、USP)」と、ミッドレンジストレージ「Hitachi Adaptable Modular Storage(以下、AMS)」です。鈴木氏はその選択理由を、「当社が契約している業務コンサルティングのガートナー ジャパン株式会社に相談したところ、日立さんのストレージに対する評価が非常に高く、特に当社のようにデータ量が膨大で、将来的なスケーラビリティも確保しなければならない場合は日立は有力候補の1つですとアドバイスされました」と打ち明けます。

 本番機用の正ボリューム(OSブート領域/ユーザーデータ領域)とバックアップ用の副ボリュームを合わせ、計5.4TBのストレージ容量が確保された新システムでは、正ボリュームがUSPの内蔵ディスク、副ボリュームが外部接続されたAMSのディスクに振り分けられています。しかし、AMSのディスクリソースはUSPの仮想化機能を使うことで、あたかもUSP配下の内部ディスクとして認識されているのが大きなポイント。これにより、副ボリュームにかかるディスクコストを低減できるだけでなく、同一システム内の論理ボリューム・レプリカ機能「ShadowImage」を使ったサーバレスの高速オンラインバックアップをシームレスに実行することが可能となったのです。

 また、大容量のLTO Ultrium 3テープカートリッジに対応した日立のテープライブラリ装置「L18/500」による5世代のテープバックアップも行われており、「バックアップ業務が確実にスピードアップされ、運用の効率化と障害復旧の迅速化による信頼性向上につながりました」と伊藤氏は評価します。

 最先端の技術を適用したBladeSymphonyとUSP/AMSの組み合わせにより、オンライン業務だけでなくバッチ処理能力も大幅に向上。特に業務量が多く、従来なら翌日の朝から昼までかかることもあったというバッチ処理は、「現在、ほぼ当日中に終わるようになりました。このスピードアップには非常に満足しています」と鈴木氏は喜びを語ります。

*5
2004年9月

写真:ニッパツのSAP® ERPシステムを支えるBladeSymphony BS1000とストレージシステム(USP/AMS)は日立データセンター内で厳重に管理されている。
ニッパツのSAP® ERPシステムを支えるBladeSymphony BS1000とストレージシステム(USP/AMS)は日立データセンター内で厳重に管理されている。

高信頼の日立データセンターを基盤にシステム強化を図る

 日立グループの全面的なサポートのもと、スケジュールどおり2008年1月にカットオーバーを果たしたSAP® ERPのアップグレードプロジェクト。その基盤となるBladeSymphonyやUSP/AMSをはじめとするハードウェア群は、日立のアウトソーシング事業部が運営する「日立データセンター」において厳重に管理・運用され、ニッパツではリモート操作で基幹システムの活用を行う形態へとシフトしました。

 複数の電源設備やセキュリティ、大規模災害にも耐える免震構造などを備えた日立のデータセンターにシステム基盤を据えたことにより、同社は事業継続を阻害するさまざまなリスクを大幅に低減できたことになります。

 「今後、関連会社へのERP展開や海外拠点とのネットワーク強化に注力していかなければならない私たちにとって、強固なデータセンターを基盤にシステム展開が図れるようになったことは、システム開発という本業に専念できる体制が強化されたという意味で、非常に心強い要素となりました。また年々大規模化、複雑化していくITリソースの管理や、万一の際の復旧作業などを自社内で担っていくのも困難なため、近い将来にはERPシステムだけでなくメールサーバなどもデータセンターに預かっていただき、日立さんが提供しているITマネジメントサービスなどを利用した、さらなる運用負担の低減とシステムの安定稼働を追求していきたいと考えています」(鈴木氏)

写真:システム構成図
システム構成図

先端のITテクノロジーをベースにさらなる成長戦略へ

 ニッパツではSAP® ERPシステム以外にも、運用監視用のJP1サーバやプロジェクト管理用システムなどにBladeSymphonyの小型高集積モデル「BS320」を適用していますが、そこでは今後、1台のサーバ上で複数のOSを動かせるサーバ仮想化ソフトウェア「VMware」を活用することで、サーバの高密度集約を実践していく予定とのこと。またUSPを基盤とした外部ストレージの仮想化についても、将来的なデータ拡張に備えた検討項目とされており、今後は日立のITプラットフォームが備える最先端テクノロジーが、同社のシステム戦略をさらに高度化、効率化させていくことに大きな期待が寄せられています。

 「今回のプロジェクトの成功を受け、今後の関連会社のERP展開においても、日立さんのシステムを適用する機会が増えていくと思われます。これからも継続的なサポートと、業務課題に直結したシステム改善の提案に期待しています」と力強く語る鈴木氏。

 グローバルなマーケットを舞台に、さらなる事業拡張と、その成長を支えるグループ全体でのシステム標準化に取り組むニッパツの挑戦を、今後も日立は付加価値の高いITプラットフォームとコンサルティング力、アウトソーシング力のトータルソリューションによって強力に支援してまいります。

[お客様プロフィール]日本発条株式会社

日本発条株式会社

[本社] 横浜市金沢区福浦3-10
[設立] 1939(昭和14)年9月
[資本金] 170億957万円(2008年3月末現在)
[従業員数]4,002名(2008年3月末現在)
[事業内容]
懸架ばね、シート、精密ばね、HDD用サスペンション、産業機器(ろう付製品、セラミック製品、配管支持装置、ポリウレタン製品、プリント配線板、駐車装置)、セキュリティ機器の製造販売

関連製品、ソリューション

お問い合わせ

本件に関する詳細など、お問い合わせは下記までご連絡ください。

特記事項

  • 2008年5月「はいたっく」掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
  • *本サイトで紹介しておりますソリューションについてのお問い合わせは株式会社 日立製作所 横浜支社 情報システム第一営業部が承っております。掲載団体への直接のお問い合わせはご遠慮願います。
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