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ストレージソリューション

Hitachi

三井ホームの事例から読み解くファイルサーバ管理のお悩み解決法

他人ごとじゃない。山積するファイルサーバの課題は

ファイルサーバに蓄積された情報は、日々の企業活動を支える重要な生命線。もし必要なデータにアクセスできなくなってしまったら、ビジネスそのものが止まってしまう可能性もある。

しかし、これほど重いウェイトを占めるようになったにも関わらず、ファイルサーバの導入・運用については、相変わらず部門や拠点任せの企業が多いのが現状だ。ICT要員のいない拠点などでは、定期的なバックアップもあまり実施されていないようなケースも見受けられる。もし致命的な障害が発生するようなことがあれば、重要な業務データを完全に喪失してしまいかねない。事業継続に関わる重大リスクの芽を摘んでおくためにも、大事な業務データを確実に保全する仕組みが必要だ。

また、こうした万一の事態への備えだけでなく、平時の運用においても改善すべき点は少なくない。特に問題なのが、加速するデータ増大への対応である。ファイルサーバに蓄積された大量のデータの中には、ほとんど利用されなくなっているものも多い。こうしたデータをいつまでも溜め込んでおくのは、リソースのムダ以外の何者でもない。IT投資の効率化を図っていくためにも、不要になったデータは適宜削除していくことが望ましい。

しかしながら、これがそう簡単ではないことも事実である。日々の業務で忙しいユーザーに不要データの削除を依頼しても、実施してもらえないことも多い。だからといって、管理者側で勝手にユーザーデータを削除することも難しい。つまり、ファイルサーバの真の有効活用を実現するためには、大量のデータの中から不要なデータを自動的にピックアップしてくれるような仕組みが求められるのである。

企業を取り巻くファイルサーバの課題
図1 企業を取り巻くファイルサーバの課題

多くの企業で導入・活用されているファイルサーバだが、拠点や部門任せで適切な運用が行われていない、使われないデータがどんどん溜まっていくなど、早急に改善すべき点も多く見受けられる。

こうしたファイルサーバに関わる様々な課題の解消に挑んだのが、大手住宅メーカーの三井ホームである。同社では一体、どのような取り組みを行っているのだろうか。

ファイルサーバの課題解消に向け三井ホームが採った方法は

長谷川 透氏
三井ホーム株式会社
情報システム室長
長谷川 透氏

三井ホームは、2×4工法による木造注文住宅の設計・建築を手がける大手住宅メーカーだ。その同社がファイルサーバ統合に着手したのは2010年のこと。情報システム室長の長谷川 透氏は、当時の経緯を次のように語る。

「住宅設計業務を担当するグループ会社において、業務上極めて重要なデータが保管されていたファイルサーバに障害が発生したのがきっかけです。RAID構成を組んではいたものの、ディスクの多重障害が生じたため、役に立たなかった。しかもバックアップも不十分だったため、データサルベージ会社に多額のコストを投じて復旧を行わなければなりませんでした」

元々同社では、大容量の建築図面や画像を取り扱うことから、全国の支店や関連会社のファイルサーバ内に業務データを置いていた。しかし、この障害をきっかけに従来の方針を転換。翌年に東日本大震災を経験したこともあり、約20拠点のファイルサーバをデータセンターに集約して、業務データの保全やBCP強化を図ることとした。

橋 敏介氏
三井ホーム株式会社
情報システム室
シニアマネジャー
橋 敏介氏

このプロジェクトのパートナーとして選ばれたのが日立である。「当社では数多くの日立ストレージを導入しており、これまでの経験から、信頼性の高さについては社内的にも高い評価を得ています。また、日立は保守やサポート体制もとても優れていますので、今回のパートナーに採用しました」と情報システム室でシニアマネジャーを務める橋 敏介氏は説明する。

新たに構築されたシステムでは、2カ所のデータセンターに日立製作所のファイルストレージ「Hitachi Virtual File Platform」(以下、VFP)を導入して遠隔バックアップを実施。片方のVFPを本番機として、もう片方をレプリケーション先として利用している。

大容量データのレプリケーションでは、転送に掛かる時間やネットワークへの負荷が懸念されるが、この点については日立のリモートコピー機能「Hitachi File Remote Replicator」を活用。更新された差分データのみを転送することで、短時間での同期処理を実現している(図2)。

三井ホームにおけるシステム利用イメージ(構成図)
図2:三井ホームにおけるシステム利用イメージ(構成図)

三井ホームでは、2台の「Hitachi Virtual File Platform」を導入してデータセンター間のレプリケーションを実施。実際に転送されるのは差分データだけなので、ネットワークに負荷を掛ける心配はない。

バラバラに配置されていたファイルサーバをVFPへ集約したことで、業務データの保全やバックアップについてはひとまず解決の目処が立った。しかし同社ではこの成果に満足することなく、さらにもう一歩進んだ取り組みに着手している。それは、ファイルサーバ内に蓄積された不要データのスリム化である。

ファイルサーバの“現状”を見える化する仕組みを構築

山我 真之氏
三井ホーム株式会社
情報システム室
山我 真之氏

先にも触れた通り、同社の業務では住宅の設計図面や画像、イメージ図、外構/インテリア用資材の情報など、多種多様なデータを使用する。近年ではデジカメの高解像度化などに伴って、データ容量の大容量化が急速に進展。また、こうした業務データを営業部門や設計部門、積算部門など各部門の担当者が個々に管理していたため、似たようなデータがファイルサーバのあちらこちらに重複保存されているケースもあった。

「そもそも設計図面などの長期保存が要求されるデータについては、専用の文書管理システムを構築してそこに保存できるようにしてあります。本来なら一区切り付いた業務のデータはファイルサーバから削除しても構わないのですが、そのままずっと残っているものも多かったのです」と情報システム室の山我 真之氏は話す。

そこで目を付けたのが、日立ソリューションズのコンテンツ運用支援ソリューション「MEANS」だ。これはファイルサーバの内容を可視化し、不要ファイルの削除や活用支援を行うためのソリューションである。長い間更新やアクセスがないファイル、保管期限切れファイル、作業用フォルダ/ファイル、大容量ファイルなど、様々な条件に従って不要ファイルを抽出し、利用者が簡単に削除できる仕組みを提供する。

MEANSの見える化画面(イメージ)
図3 MEANSの見える化画面(イメージ)

MEANSはあらかじめ設定されたポリシーに従って不要ファイルと思われるファイルを自動的にリストアップする。後はユーザー側で削除するだけで良く、誤削除したファイルの復旧も容易だ。
※この画面はイメージであり、実際に三井ホームで使用されているものではありません。

「いくら不要なデータは消して欲しいと言っても、日々の業務もある中で大量のデータをチェックするのは大変です。その点、こうしたツールがあれば、ユーザー側としても手間を掛けずに削除が行えます」と山我氏は続ける。

また、管理者である情報システム室としても、MEANSのメリットは大きいという。「以前であれば、実際にファイルサーバがどう使われているのか把握することも難しかった。その点、現在では、MEANSを利用して容易に現状分析や改善検討が行えます。これだけでも相当な進歩と言えます」と橋氏は語る。

情報活用をサポートする多彩な機能も搭載

VFPとMEANSを導入したことで、ファイルサーバ環境の大幅改善を実現した三井ホーム。長谷川氏は今後の展望について以下のように話す。「ファイルサーバの可視化やスリム化を推進することで、IT投資の効率化やコスト削減を一段と進めていきたい。さらにもう一つ大きいのが、ITガバナンス面での効果です。ユーザーの利便性向上は大事なテーマですが、会社としてのルールに沿った運用を行うことも重要です。これを徹底するところでも、MEANSを有効に活用していきたい」と語る。

なお、MEANSについては、今回同社で利用されている機能以外にも様々な機能が備わっている。たとえば、社内での情報活用を支援する「仮想分類機能」がその一つだ。これはファイル名を解析することでファイルサーバの奥深くに埋没している類似したファイルを仮想的なフォルダに自動的に分類し、見える化してくれる機能。分類情報やファイル属性を利用した強力な検索機能も備わっているので、必要な情報をスピーディに活用することが可能だ。

また、VFPとMEANSをセットで導入している場合は、「高速クローリング機能」*1 を利用することも可能だ。大量データが蓄積されているファイルサーバの場合、最新情報を取得するには相当な時間が掛かってしまう。しかし、VFPとMEANSの組み合わせなら、アクセスログを元に更新ファイルのみをクローリングすることが可能。これにより、クローリング時間が10分の1以下*2 になるなど、大幅な時間短縮が実現できるのだ(図4)。

*1
高速クローリング機能は、2013年6月サポート予定です。
*2
適用効果はお客様環境により異なります。

クローリング機能
図4 クローリング機能

MEANSとVFPの連携による高速クローリング機能。アクセスログを元に更新情報だけを高速で収集するため、いつでも最新の状態でシステムを利用することができる。

業務で大量の情報を取り扱う企業にとって、VFPとMEANSが提供する可視化・スリム化・情報活用のメリットは極めて大きい。大量データを抱える金融機関や学校・教育機関など、数多くのユーザーでの導入が進んでいることも、その表れと言えるだろう。ファイルサーバ活用に悩みを抱えているのなら、このソリューションが有効な答えとなるだろう。

USER PROFILE

三井ホーム株式会社

三井ホーム株式会社

[本社] 東京都新宿区西新宿2-1-1
[設立] 1974年10月11日
[資本金] 139億70万円
[従業員数] 2,326名(2012年4月1日現在)
[事業内容]
注文住宅や賃貸住宅の設計・建築を手がける大手住宅メーカー。日本におけるツーバイフォー工法のパイオニア企業であり、優れた耐震・耐火性や快適性、美しいデザインを兼ね備えた高品質な住宅を提供している。また、環境負荷軽減や社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。

この事例に関するお問い合わせ先

日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部

お問い合わせは

HCAセンタ(ハイタック・カスタマ・センタ)
フリーダイヤル0120-2580-12

9:00〜12:00
13:00〜17:00
(土日曜祝、年末年始は休ませていただきます)

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