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日立ストレージソリューション

Hitachi

by Hu Yoshida on February 19, 2013

ハードディスクドライブ(HDD)の面ビット密度の増加速度が低下していることを、何度か書いたことがあります。以下は、『IEEE Transactions on Magnetics』に掲載された図で、2010年から面密度の増加速度の低下が続いていることを示しています。つまり、ハードディスク容量の価格低下は過去50年間では約30%/年ですが、価格低下がビット密度の増加だけに依存するなら今後は20%/年未満に減速する予測です。この価格低下の減速は、ストレージコストを削減する別の方法を見つけない限り、ストレージコストに大きな影響を与えることになります。

Areal Density Projections;HDD,  NAND, Tape

この図では、NANDフラッシュのビット密度はHDDと同じテクノロジー曲線をたどっています。ただし、HDDに代わって、フラッシュがコンシューマやサーバの分野で広く受け入れられてきていることで、フラッシュのボリュームは増えるでしょう。このため、下図に示すとおり、NANDの価格は2019年にはHDDより低下すると予測されます。

Strage Media Bit Cost Forecast

フラッシュテクノロジーの耐久性はHDDの耐久性に及ばないため、ランダムアクセスが必要な長期間のデータ保存に対するHDDへのニーズは今後も継続します。しかし、HDDのビット密度は過去の割合では伸びていないため、密度を増やす別の方法を見つける必要があります。

以前のブログに書きましたが、HDDの場合、容量を増やしながらパフォーマンスを向上させる努力をしてきました。また、ワイドストライピングおよびショートストローキングのHDDによって、パフォーマンスの不足を補う取り組みをしてきました。フラッシュテクノロジーとページレベルのダイナミック階層化の導入により、フラッシュモジュールとHDDのダイナミックプールを作成することができます。このプールでは、ページは最初に高パフォーマンスのフラッシュレイヤに書き込まれ、アクティブである間そのレイヤに保持されます。この方式により、ディスクのパフォーマンスについて心配する必要がなくなり、ビット密度を高めるHDDの容量を増やすために他の方法を探したり、過去に享受したコスト低下をもたらしたりできます。

以下は、密度を上げる方法についてのいくつかの提案です(パフォーマンスを考慮しない場合)。

  • ディスクの回転を遅くし、トラックあたりのビット数を増やす
  • より多くの記録面を使用する
  • ディスク筐体にディスクを追加する(Western Digital)
  • 筐体に不活性ガスを密封してさらにディスクを増やす(Western Digital)
  • トラック密度を上げるためにトラックがオーバーラップした、瓦磁気記録方式
  • ビットパターン媒体と熱アシスト磁気記録の組み合わせ

これらの方法はHDDの寿命を延ばすかもしれませんが、遅かれ早かれ、より耐久性があるソリッドステートテクノロジーにHDDを置き換える必要があります。NANDフラッシュに取って代わる可能性のある、パフォーマンスと耐久性をさらに高めるテクノロジーがいくつかあります。

相変化RAM(熱を利用して結晶状態とアモルファス状態を変更)はアクセス時間がナノ秒であり、MLCフラッシュの103に比べて、耐久サイクルが108です。他のソリッドステートテクノロジーには回転トルク転送−磁気RAMがあります。このテクノロジーはスピン偏極電流を使用して角運動量を磁性物質に移す方式で、アクセス時間はナノ秒、耐久サイクルは1015です。これはHDDの耐久サイクルに近い値です。これらのテクノロジーが実現可能であるには、コストの削減に必要なボリュームを獲得できなければなりません。現在、コンシューマ市場では容量に対して費用をかけていますが、ナノ秒のアクセス時間や108の耐久サイクルに対して費用はかけないでしょう。NANDフラッシュは、コンシューマにとって十分満足できるものです。

テクノロジーやユーザー需要に大きな進展がない限り、エンタープライズ向けストレージに関しては、次の5年から10年の間、NANDフラッシュ(パフォーマンスに対応)とHDD(容量に対応)を組み合わせたプールを使用することが続くものと予測されます。

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