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日立ストレージソリューション

Hitachi

by Hu Yoshida on September 5, 2012

先月、Hitachi Data Systemsは、エンタープライズ向けの包括的なフラッシュメモリのエコシステムのビジョンとロードマップを発表しました。ここで言うフラッシュメモリとは、より密度の高いMLC(マルチレベルセル)NANDフラッシュメモリのことを特に指しています。これは、SLC(シングルレベルセル)NANDフラッシュメモリと比較して耐久性が低く、パフォーマンスが遅いことから、通常はコンシューマ向けのデバイスで利用されます。MLCがSLC NANDフラッシュメモリよりも耐久性が低く、速度も遅いのであれば、信頼性の高いエンタープライズストレージシステムを提供することで定評のあるHitachi Data SystemsはなぜMLCの採用を選択したのでしょうか?

その理由の1つは、コンシューマ市場ではMLCが採用されており、コンシューマ分野で利用されているボリュームのおかげで、通常、ボリュームの少ないエンタープライズ市場向けに扱われるSLCのコストよりも、はるかに速くコストダウンが進んでいるからです。MLCを採用することで、コンシューマ分野が牽引する価格低下曲線の恩恵をエンタープライズ分野におけるコスト削減に適用することができます。

しかしながら、主要な理由は、エンタープライズフラッシュコントローラの開発によって、Hitachi Data SystemsがMLCフラッシュメモリでエンタープライズクラスの可用性とパフォーマンスを実現できることです。

NANDフラッシュメモリは不揮発性だと考えられていますが、NANDセルの耐久性は書き込みとフォーマット(或いは消去)を行うたびに劣化します。NANDは、たとえば8kのページレベルでセルに書き込みを行えますが、1メガバイトのような大きなブロックでページを消去する必要があり、書き込みはフォーマットされたページでのみ実施できます。ページへのそれぞれの再書き込みは新しいページに行うことが必要なので、断片化が起こり、ガベージコレクションが必要になります。ある時点で、ブロックは非常に多くの無効ページによりいっぱいになり、クリーンアップが必要になります。これには、古いブロックを再フォーマットする前に残っている有効なページを、別のブロックに移動する作業が必要になります。この作業によってパフォーマンスが劣化します。一貫して高いパフォーマンスを必要とするエンタープライズアプリケーションではこれを許容できません。

セルに書き込みが行われると、そのセルは不揮発性とされ、一定期間電源なしでその電荷を保持できます。フローティングゲート中の電子は、実際には時間の経過とともに漏れるのでリフレッシュする必要があります。セルを読み取るために印加される電圧も、電子が漏れる原因となります。このため、データを回収し別のブロックに移動する必要があるようなレベルにまで信号が低下するまでは、エラー訂正コード(ECC)を追加してセルに保存されたデータが正しく読み取られるようにする必要があります。

以上のすべての動作は、フラッシュメモリコントローラによってファームウェアレベルで処理され、これらの機能がどのように実行されるかがNANDフラッシュメモリのパフォーマンスと可用性に重大な影響を及ぼします。コントローラが実行する機能には、以下のようなものがあります。

  • ページとブロックのマッピング
  • 論理から物理へのマッピング
  • ウェアレベリング(磨耗平準化)
  • 読み取りスクラビング
  • 読み取りと書き込みのキャッシング
  • リクラメーション
  • ガベージコレクション
  • 拡張エラー訂正

フラッシュメモリコントローラの処理能力、メモリ、帯域幅は、フラッシュモジュールのパフォーマンスや耐久性のみならず、その容量も制限します。フラッシュメモリには、回転するディスクの待ち時間はありませんが、ハウスキーピングのためのオーバヘッド時間が容量の増加に伴って増加します。フラッシュメモリはコストが高いため、現在入手できるフラッシュコントローラは、限られたメモリと帯域幅を持つ単一のCPUで設計されています。このことは、コンシューマ市場では問題ありませんが、エンタープライズデータセンターの要求に対しては十分ではありません。

日立が開発した新しいフラッシュコントローラは、エンタープライズデータセンター向けにデザインされています。オーバヘッドの時間を減らすために、マルチレーンのPCIe、マルチコア1.0GHzのCPU、統合DDR-3インターフェイス、統合フラッシュコントローラロジック、フラッシュアレイへの32個のパスを使用した並列処理が採用されています。これにより、処理能力と帯域幅が増大するのと同時に、拡張された並列処理によってMLCのパフォーマンスが4倍に向上し、エンタープライズのワークロードに対する耐久性が5年に延長されます。さらに、新しいコントローラは、テラバイトに拡張できるようにします。日立は、効率性のためゼロブロック圧縮機能や、プライバシーのための安全な消去機能も追加しました。NANDフラッシュは、常に新しいページに書き込むので、上書きを使用したページの消去は意味がありません。以上は、このエンタープライズフラッシュコントローラで当社のエンジニアが解決した課題のほんの一部です。

Functional view

近い将来、この日立製のフラッシュコントローラがエンタープライズプラットフォームに提供されるでしょう。最初のステップとして、フラッシュデバイスの高いスループットを処理するために、VSPプラットフォームを設計し直しました。この機能は、先月、「フラッシュアクセラレーション」として公表されました。この機能は、フラッシュデバイス用に設計されていますが、複数のスレッドを作成し、プロセッサのワークロードをオフロードすることで、VSP全体のパフォーマンスを向上させます。

日立のエンジニアは、インテリジェントコントローラとバックプレーンの構築に豊富な経験を有しており、USP、USP V、VSP、AMS、HUSなどの革新的な製品でその実績が証明されています。現在、このエンジニアたちが、その経験を活かしてエンタープライズフラッシュコントローラを開発しているので、近い将来、弊社のポートフォリオ全体のフラッシュメモリ製品に導入されるでしょう。

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