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日立ストレージソリューション

Hitachi

by Hu Yoshida on August 23, 2012

本日Hitachi Data Systemsは、ITの全階層にフラッシュ媒体の技術を組み込む戦略について発表します。これには、Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)向けに利用可能になった「Flash acceleration」機能が含まれます。この機能により、1,000,000を超えるランダム読み込みIOPSを実現することが可能になります。

エンタープライズストレージ分野にフラッシュSSD(solid-state drive)を採用しようとするときに主な阻害要因となるのは、HDD(hard disk drive)と比較した場合にSSDのほうがコスト高になるという点と、耐久性で劣るという点です。フラッシュ媒体がエンタープライズ分野で広く使われるためには、この2つに対処することが必要です。

多くのアナリストが、HDDの価格低下の傾向は過去50年にわたって年率約40%であったが、約20%に鈍化したと語っています。また、アナリストは、MLC(マルチレベルセル)フラッシュドライブの量がスマートフォンやその他のモバイルデバイスのコンシューマ分野で増加していることによって、価格が年率約40%で低下していると予測しています。フラッシュドライブは、HDDのボリュームマーケットに侵攻することで伸びてきました。またHDDは、コンシューマ分野のボリュームでエンタープライズ分野のコストを穴埋めしてきました。このような傾向からすると、今後5〜7年のうちに、MLCフラッシュ媒体は、パフォーマンスを最適化したHDDよりも安価になることが予想されます。

しかし、エンタープライズ分野でHDDまたはMLCフラッシュ媒体を利用する場合、価格を考慮するだけでは十分ではありません。スマートフォンに使用するストレージ媒体と、エンタープライズストレージ装置では、耐久性の要件が大きく異なります。個人のユーザは、スマートフォンなしで1〜2時間過ごすことも可能で、2〜3年ごとにそれを下取りに出すのに対し、エンタープライズストレージ装置は、何百あるいは何千ものI/O処理を毎日サポートする必要があり、5年程度でダウンすることが許されないのです。つまり、エンタープライズ向けに使用する場合、耐久性が主な懸念事項となります。フラッシュ媒体のベンダーは、ウェアレベリング技術を使用したり、ドライブ内で潤沢な予備領域を確保することで、フラッシュドライブの耐久性の問題に取り組んでおり、仕様では耐用年数を5年と明記することもありますが、それも一定の条件が満たされた場合のみに限られています(たとえば、1日あたり、ドライブ容量10倍を超えた回数の書き込みがないこと)。エンタープライズストレージにそのような条件で制限を設けることは不可能なので、エンタープライズ級制御装置は耐久性を強化し、予防保守機能を追加して、フラッシュSSDの耐久性レベルをHDDのレベルまで引き上げる必要があります。

もう1つの懸念事項は、パフォーマンスです。特に、エンタープライズシステムで多くのユーザが外部共有バスコントローラ経由でSSDを共有しなければならない場合に問題となります。これに対して、スマートフォンなどのコンシューマ製品では、SSDは内部接続経由でユーザ1人の専用です。SSDは機械的なHDDよりもはるかに高速ですが、書き込み/フォーマット回数が増加し、領域が断片化すると、ドライブの中でボトルネックが発生する可能性があります。また、機械的に回転するディスク用に設計され、SSDの転送速度を処理する設計には必ずしもなっていない従来型のエンタープライズコントローラでもボトルネックが発生します。SSDから最適なパフォーマンスを得るには、エンタープライズストレージコントローラは、長年にわたって開発されたあらゆる機能を維持しつつ、SSD用に機能をエンハンスする必要があります。言い換えれば、SSDのパフォーマンス上の利点を実現するのに必要な改善を施すために、現在のストレージコントローラを剥ぎ取って交換することは避けなければなりません。

ランダムパフォーマンスが主な要件の環境では、フラッシュ媒体がエンタープライズ分野で求められる条件を満たす準備は整っているとHitachi Data Systemsは確信しています。現在のフラッシュSSDとHDDとの間の価格差は、セルごとに1ビットを持つSLC(single-level cell)フラッシュではなく、2ビットを持つMLCフラッシュを使用することで縮めることができます。これにより、ビットあたりのコストが約30%削減されます。また、HDT(Hitachi Dynamic Tiering)は、ボリュームのホットページのみをフラッシュ媒体の層に移動し、コールドページは低コストのHDD層に移すことで、フラッシュ媒体の使用を最適化することができます。さらに、HDP(Hitachi Dynamic Provisioning)は、グローバルなウェアレベリング(ホットスポットを回避するためにドライブ内で行うウェアレベリングを補う)を実現することで、耐久性を向上させます。

VSP向けに本日発表された「Flash acceleration」機能は、スケーラビリティの限界を最大3倍(HDPのスケーラビリティを2倍に拡張)まで拡張することで、VSD(virtual storage director)のランダムI/Oスループットを増加させ、I/Oの応答時間を最大65%短縮します。スレッドカウントのスケーラビリティが向上することで、フラッシュデバイスのスループットが増加します。すべてのSSD構成に対して24個を超えるスレッドを実行し、8Kのランダム読み込みを使用した場合、1,000,000を超えるIOPSが計測されました。

この「Flash acceleration」機能では、マイクロコードをV04Aにアップグレードします。次の図は、ドライブがすべてMLC SSDで、100%読み取りを行った場合の測定結果です。この結果はRAIDの構成によって異なります(特に書き込みの場合)。

drill-down

全体的に見て、V04Aと「Flash acceleration」機能を使用したVSPの合計最大スループットは、1,000,000 IOPSを超えます。

この機能は、オープンシステム用のVSPマイクロコードV04Aで現在利用可能です。この機能には、わずかですが使用料がかかります。さらに、ご使用のVSPコントローラでボトルネックが発生していない場合、ここに記載されているようなパフォーマンスの向上は、お客様の現在のワークロード環境では実現しない可能性があります。そのため、この機能は、120日間無料で試用できるようになっています。

フラッシュドライブを使用する場合、この拡張パフォーマンスとHitachi Data Systemsが提供するMLCフラッシュの価格を組み合わせることで、MLCフラッシュを使った方が従来のSLCフラッシュ構成よりも手頃な価格になります。次の図は、SLC、MLC、および「Flash acceleration」機能付きのMLCとを比較した場合の相対的なコストを表しています。

cost21

フラッシュ媒体のコストは低下していますが、それによって実現されるパフォーマンスと環境負荷に関するメリットを手に入れるのに5〜7年も待つ必要はありません。MLCフラッシュの低コストと、VSPの「Flash acceleration」によるパフォーマンスの向上によって、従来のSLCフラッシュと比べた場合、コストが大幅に下がり、フラッシュ媒体がすべてのVSP構成で手頃な価格になります。HDPやHDTのウェアレベリング機能や、VSPで利用できるRAIDでの保護や予防的な予備領域の確保とを組み合わせることで、エンタープライズ分野で求められるMLCフラッシュ媒体の耐久性が保証されます。今後フラッシュ媒体のさらなる機能拡張にご期待ください。

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