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Hitachi

エンタープライズサーバ AP8800E

基幹データのリアルタイム遠隔地保全を実現
バックアップ運用の効率化に成功

【課題】
新日鐵住金株式会社はBCP強化に向けた活動を全社的に推進しており、室蘭製鐵所でも安定操業を支える基幹データの遠隔地保全を行うディザスタリカバリ環境の構築が課題だった。


【解決】
日立の「AP8800」や「Hitachi Virtual Storage Platform」を採用することで、リアルタイムな遠隔レプリケーションを実現。
「仮想MTL(磁気テープライブラリ)」などの導入でバックアップ運用も効率化。


【効果】
万一の広域災害時にも被災直前までのデータを遠隔地で保全することが可能に。1,400本を超えるCMTのハンドリング作業や保管スペースが不要になり、バックアップ時間も40%短縮。

自動車の重要保安部品を手がける北海道唯一の銑鋼一貫製鉄所

写真:新日鐵住金株式会社 棒線事業部 室蘭製鐵所 設備部 情報制御技術室長 富田 一臣氏
新日鐵住金株式会社
棒線事業部
室蘭製鐵所
設備部
情報制御技術室長
富田 一臣氏

 創業から100年以上の歴史を誇る新日鐵住金 室蘭製鐵所。
鉄鉱石から最終製品の製造までを同一敷地内で行う「銑鋼一貫製鉄所」としては、北海道で唯一の製鉄所だ。
 現代の製鉄所は自動化/システム化が徹底的に行われているだけに、システム部門の役割も極めて大きい。
 「室蘭製鐵所では主に自動車産業向けの棒鋼や線材を生産しています。これらの製品はエンジン内部部品やサスペンションなどの重要保安部品で利用されるため、品質確保には細心の注意を払っています。
システム部門でも、高い信頼性・可用性で安定操業を支えています」と富田氏は説明する。
 「近年では製鉄業界においてもスピードの速さが強く求められます。システム部門としても、垂直立ち上げが可能な体制作りに力を注いでいます」と中嶋氏は続ける。

全事業所の先陣を切って基幹データの遠隔地保全に着手

写真:新日鐵住金株式会社 棒線事業部 室蘭製鐵所 設備部 情報制御技術室 主幹 中嶋 正人氏
新日鐵住金株式会社
棒線事業部
室蘭製鐵所
設備部
情報制御技術室 主幹
中嶋 正人氏









 室蘭製鐵所では今回10年ぶりに基幹システムを刷新。ここで大きな課題となったのが、ディザスタリカバリ(DR)環境の構築である。
 「従来の災害対策は主に火災を想定したものであり、CMTを耐火金庫に保管することで対応を図ってきました。
しかし、東日本大震災以降、地震や津波などへの対応が大きな課題となっていました」と石川氏は振り返る。
 BCP強化への取り組みは全社的な重要テーマであり、東日本のデータは西日本に、西日本のデータは東日本にバックアップを取る「遠隔地バックアップ」という全社方針が立てられていた。そこで室蘭製鐵所では、全国の事業所に先駆けて基幹データの遠隔地バックアップに着手。
 また、これと並行して取り組んだのが、日々のバックアップ運用の効率化だ。
 「従来のテープベースの運用では、CMTの交換作業などを毎日行わなくてはならない上に、1,400本を超えるCMTの保管スペースも必要でした。
今回のシステム刷新を機に、こうした点も改善したいと考えました」と佐藤氏は語る。
 新たな基幹システムを支えるインフラには、日立のエンタープライズサーバ「AP8800」が採用された。
 「室蘭製鐵所では長年にわたり日立製品を活用していますが、業務に影響が及ぶような障害は一度も起きていません。
安定操業に欠かせない『24時間止まらないシステム』を実現するためには、AP8800がベストな選択だと判断しました」(中嶋氏)。

基幹データをリアルタイム転送 仮想MTLによる運用効率化も実現

写真:北海道NSソリューションズ 株式会社 鉄鋼ソリューション部 グループリーダー 佐藤 貴憲氏
北海道NSソリューションズ
株式会社
鉄鋼ソリューション部
グループリーダー
佐藤 貴憲氏













 新基幹システムでは、「VOS3/US」の災害対策センター運用支援機能「VOS3/Business Continuity Manager」と、日立ディスクアレイシステム「Hitachi VirtualStorage Platform」のリモートコピー機能「Universal Replicator」を新たに導入した。
基幹データをリモートサイトに順次転送することにより、万一、メインサイトが被災するような事態が発生した場合も、重要な基幹データを確実に守れるようになった。
 「以前は一日一回のバックアップでしたので、最短でも前日の状態にしかデータを戻せませんでした。しかし現在では、リアルタイムな遠隔レプリケーションを行っていますので、被災直前の状態にまでデータを戻すことができます」(佐藤氏)。
 また、MTLのエミュレーションを行う「仮想MTL」の導入により、CMTのハンドリングや入出庫作業が不要になり運用性が向上。
CMTの保管スペースも不要になり、空いたスペースを有効活用できるようになった。そして、バックアップ時間も40%短縮できた。
 さらに、命令プロセッサの処理を分担して業務の効率化を図る「アクセラレートプロセッサ」を採用し、オンライン業務への影響回避や仮想MTLの処理時間短縮を図っている。
 もう一つ見逃せないのが、「プロセッサ資源分割管理機構(PRMF)」の変動共用機能によるリソースの有効活用だ。
 旧システムは固定共用での運用だったため、最初に設定したサービス比でしか使えなかった。しかし、変動共用では他のLPARが使用していない場合、設定したサービス比を超えてCPUを使用できる。
 「夜間バッチのピーク時間帯にオンライン用のリソースを活用することで、翌日の業務への影響の心配もなくなり、余裕を持ったバックアップ運用を行うことで、さらなる安定稼働につながっています」(石川氏)。

VOS3専門部隊が強力支援 全面停止はわずか1時間

写真:北海道NSソリューションズ 株式会社 鉄鋼ソリューション部長 石川 等氏
北海道NSソリューションズ
株式会社
鉄鋼ソリューション部長
石川 等氏












 今回のプロジェクトでは、その他にも業務改善に向けたさまざまな取り組みが行われている。その一つが帳票出力業務のさらなる効率化だ。
 プリンタをオープンプリンタに移行して、「Prinfina MANAGER」でプリンタを一元管理。オープンプリンタ移行と併せて導入した「PRINT DATA EXCHANGE」を活用して、電子帳票にも取り組んでいる。今後は電子帳票の適用領域も積極的に広げていく。
 「事業所内で出力される帳票の枚数は、月間約20万枚にも上ります。これを電子化することができれば、コスト/環境負荷の低減や業務効率化にも大きな効果が見込めます。
今回のシステム刷新でしっかりとしたインフラが実現できましたので、今後は業務改善に向けた取り組みを推進していきたい」(中嶋氏)。
 プロジェクトを支援した日立のVOS3専門部隊にも高い評価が寄せられている。
 「今回は仮想MTLや遠隔レプリケーションの導入など、新たな試みに数多くチャレンジしましたが、適切な提案や手厚い支援のおかげで無事プロジェクトを完遂することができました。
今回のプロジェクトでは、メインフレームの各業務システムを全面停止したのはわずか1時間。生産業務に影響がない範囲に抑えた、余裕を持った安全なシステム切り替えができました」(石川氏)。
 「今回は、ディザスタリカバリ環境の構築と安全かつ確実なリプレースを目標にプロジェクトを推進しました。AP8800は潤沢なメモリーが標準搭載されており、次期基盤システム開発用のLPARも設定済みですので、開発にもすぐに取り組めます。今後も日立の支援を期待しています」と富田氏は抱負を語った。


図による説明:新日鐵住金(株) 室蘭製鐵所の新基幹システム概要

  • BCP:Business Continuity Plan CMT:Cartridge Magnetic Tape LPAR:Logical PARtition
  • PRMF:Processor Resource Management Feature
  • FIBARC:FIBre connection ARChitecture

[お客さまプロフィール]

新日鐵住金株式会社 棒線事業部 室蘭製鐵所

新日鐵住金株式会社ロゴ

所在地北海道室蘭市仲町12
本  社 東京都千代田区丸の内2-6-1
創  業 1909年
高い品質が求められる自動車産業向け製品のほか、長大吊
り橋、土木建築、建設機械など、さまざまな産業分野向けの
製品を生産している。

北海道NSソリューションズ株式会社

北海道NSソリューションズ株式会社ロゴ

本  社 北海道室蘭市みゆき町2-13-1
設  立 1985年11月25日
室蘭製鐵所の安定操業を支える情報基盤の企画・構築・運
用を手がけるほか、金融、製造、通信、流通、サービス業な
ど、幅広い業界に対して高品質なICTソリューションを提供。

お問い合わせ、資料請求

本件に関する詳細など、お問い合わせ、資料請求は下記までご連絡ください。

特記事項

  • 日経コンピュータ2014年3月20日号掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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