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Hitachi

エンタープライズサーバ AP8800E

「AP8800」へのストレート移行で既存資産を有効活用し、高い信頼性・安定性を確保しつつ、コスト削減に成功。業務効率とセキュリティのさらなる向上も実現

日本中央競馬会(以下、JRA)は、競走馬情報管理システム「JARIS ジャリス」のインフラ更新を実施した。
JARISは、出走馬の登録から競走成績に至るまで、レースに関わるすべての情報を管理する重要な役割を担っている。
また、競走馬や馬主、騎手などの情報も登録されているため、高いセキュリティも求められる。
この極めて重要なシステムに採用されたのが、日立のエンタープライズサーバ「AP8800」である。
既存アプリケーション資産を有効活用することで、高い信頼性・安定性を確保しつつ、コスト削減に成功。
また、AP8800の高い性能と「VOS3/US」の多彩な機能の活用により、業務効率とセキュリティのさらなる向上も実現している。

競馬事業の円滑な運営と公正の確保に全力を注ぐ

写真:日本中央競馬会 お客様事業部 システム統括室 調査役 大野一直氏
日本中央競馬会
お客様事業部
システム統括室
調査役
大野一直氏

国民的レジャーとして長年にわたり広く親しまれている競馬。
競馬事業を円滑に運営するためには、ITの活用も欠かせない。
JRAでも、競馬開催に関する情報をリアルタイムに提供する「インフォメーションシステム」と勝馬投票券の発売・払戻処理を行う「トータリゼータシステム」、競走馬情報管理システム「JARIS」という3つの基幹システムが、競馬事業の円滑な運営を支えている。
JARISは、競走馬の情報を中心に馬主や騎手、調教師などの情報に加えて、出馬投票受付から枠順の決定、競走成績に至るまで、レースに関わるあらゆる情報を管理する役割を担っている。
「JARISは、競馬事業の根幹を支えるシステムですので、高い信頼性・可用性は不可欠の要素です。
また、競馬の公正を確保するために、データの正確性にも細心の注意を払っています」と大野氏は語る。

「AP8800」を採用し、性能向上とバックアップの効率化を実現

写真:日本中央競馬会 お客様事業部 システム統括室 業務管理システム課 主査 飛田善男氏
日本中央競馬会
お客様事業部
システム統括室
業務管理システム課
主査
飛田善男氏

JRAでは、2009年にJARISを支えるインフラ更新を実施した。
今回の更新で課題となったのは、高い信頼性・安定性を確保しつつ、コスト削減や業務効率とセキュリティのさらなる向上を図ることである。
これらの要件を満たす製品として、入札を経て選ばれたのが、日立のエンタープライズサーバ「AP8800」だ。
「長年にわたり日立のメインフレームを使用していますが、ハードウェアに起因する障害で業務に影響が出たことは一度もありません」と飛田氏は評価する。
AP8800の高い性能と「VOS3/US」の多彩な機能が、業務効率の向上に貢献している。
まず一点目は、命令プロセッサの処理を分担して高速化を図る「アクセラレートプロセッサ」だ。
「今回のインフラ更新では、コスト削減の観点から、命令プロセッサ自体の性能アップを図る予定はありませんでした」(飛田氏)。
しかし、アクセラレートプロセッサを採用することで、バックアップや帳票データの転送などの処理を高速化することが可能になった。
特にデータベースの再編成については、処理時間が約40%短縮されている。
また、システム仮想記憶領域の拡張やプログラム常駐範囲の拡大など、きめ細かなチューニングも実施。
これによりコスト上昇を招くことなく、システムの性能向上が実現できた。
二点目は、MTL(磁気テープライブラリ)のエミュレーションを行う「仮想MTL」とLTO装置の活用によるバックアップ業務の改善だ。
「従来はCMTに直接バックアップを行っていましたが、テープベースの運用ですとどうしても時間が掛かります。
その点、仮想MTLを活用すれば、短時間でバックアップ処理を終えることができます」(飛田氏)。
これにより、日次バックアップの時間を約1/4に短縮。
また、外部保管に大容量のLTOを採用することで、テープ巻数や保管スペースの削減に貢献している。
さらに、開発業務に本番データを利用する場合、従来は開発用データをその都度テープから戻していたが、現在ではその必要はなくなった。
ちなみにここでは、本番データと同じボリューム通し番号を開発業務で利用できないという仮想MTLの制限を、「スタンドアロン仮想MT」で解決。
これにより、これまでの運用と同様JCLに修正を加えることなく、開発業務で本番データの利用が可能になった。

「VOS3/US」の機能を活用し、セキュリティもさらに強化

写真:日本中央競馬会 お客様事業部 システム統括室 業務管理システム課 主査 野呂秀樹氏
日本中央競馬会
お客様事業部
システム統括室
業務管理システム課
主査
野呂秀樹氏

三点目のポイントは、セキュリティの強化だ。
「JARISには機密性の高い情報が数多く蓄積されていますので、情報漏えいなどは絶対に許されません。
これまでも安全性の確保には万全を期してきましたが、今回さらなる強化を図りました」と野呂氏は説明する。
VOS3/USの総合利用者管理機能を利用し、不正なアクセスからシステムリソースを保護すると同時に、アクセス履歴やデータ転送履歴を保存して、後から追跡できるようにした。
また、データベースへのアクセスについても、XDM/RD E2の監査ログ機能(XDMセキュリティ監査機能)を利用して、「いつ」「誰が」「どこから」「どのデータに対して」「どのような操作を行ったか」を監査証跡として記録・蓄積。
この監査証跡もアクセス履歴やデータ転送履歴と同じく、LTOに5年間保存される。
従来の環境でも、ユーザーがあるプログラムを操作した場合に、アクセスする可能性のあるデータベースの範囲を絞り込むことはできた。
しかし今回の更新では、さらに一歩進めて、実際にアクセスしたデータベースまで特定できるようになったのだ。
「しかも、既存のプログラムには、ほとんど改修を加えることなくセキュリティ強化を実現できました」(野呂氏)。

印刷業務の改善も実現 大幅なコスト削減に成功

オープンプリンタの採用により、印刷業務も改善された。
従来はメインフレーム用の連続紙とカット紙プリンタを各々2台利用していたが、これに替えてカット紙対応のオープンプリンタを3台導入した。
「比較的安価なオープンプリンタを採用し、なおかつ台数を一台減らすことで、かなりのコストを削減できました」(大野氏)。
連続紙向けに作成されていた帳票については、カット紙向けにフォーマットを修正する必要があったが、この問題も日立のメインフレーム帳票オープン連携支援「PRINTDATA EXCHANGE」を利用することで解決。
多くの帳票が自動変換できたため、修正作業を最小限に抑えることができた。
将来的には、このプリンタをオープンシステムと共用し、さらなるコスト削減を図ることも可能である。
導入支援を行った日立のVOS3専門部隊に対する評価も高い。
「仮想MTLをはじめとする新機能の導入も、豊富な経験やノウハウを活かしてタイムリーに対応してくれました」(飛田氏)。
「今回の更新ではコスト削減が重要な課題でしたが、既存アプリケーション資産を有効活用し、目標を達成できました。
お客さまや競馬関係者の期待に応えられるよう、今後もシステムのさらなる改善に努めていきたい」と大野氏は今後の抱負を語った。

図による説明:日本中央競馬会の「JARIS」システム概要

  • LTO:Linear Tape-Open
  • CMT:Cartridge Magnetic Tape
  • JCL:Job Control Language
  • CSC:Central System Operation Controller
  • FIBARC:FIBre connection ARChitecture
  • PRMF:Processor Resource Management Feature

[お客さまプロフィール]日本中央競馬会

日本中央競馬会ロゴ

[本部] 東京都港区西新橋1-1-19
[設立] 1954年9月16日
[資本金] 49億2,412万9千円
[職員定数] 1,910名
農林水産大臣の監督のもと、国民的レジャーである競馬の健全な発展を図るために設立された特殊法人。全国10ヵ所の競馬場での中央競馬開催、馬主/服色/馬の登録、調教師/騎手免許の試験と管理のほか、競走馬の育成、馬事文化の振興も担う。

お問い合わせ、資料請求

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特記事項

  • 2010年3月17日 日経コンピュ−タ掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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