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エンタープライズサーバ AP8800E

Hitachi

リテール・フルバンキングサービスを支える勘定系システムを日立のエンタープライズサーバ「AP8000EX」で短期構築。高い信頼性・安定性を確保し、「商業と金融の融合」を目指す

日本の金融業界に、また新たなプレーヤーが登場した。「商業と金融の融合」という斬新なコンセプトを掲げ、リテール・フルバンキングサービスを提供する株式会社イオン銀行(以下、イオン銀行)である。24時間稼働ATMの設置、土曜・日曜・祝日を含め毎日夜9時までの窓口営業、電子マネー「WAON(ワオン)」との連携など、充実した金融サービスを提供する同行だが、開業にあたっては勘定系システムの信頼性・安定性確保が重要な課題となった。そこで同行では、日立のエンタープライズサーバ「AP8000EX」と国内で実績豊富な金融パッケージを採用。24時間・365日稼働に耐えられる高信頼システムの短期構築に成功すると同時に、将来に向けたスケーラビリティも確保している。

小売業を母体とする強みを活かし新たな金融サービスを切り拓く

写真:事務システム部長 石原政明氏
事務システム部長
石原政明氏

「イオンならではの強みを活かしたフルバンキングサービスが当行の特長。ショッピングセンター内に設置したインストアブランチでは、預金や投信、保険、住宅ローンなど、お客さまの資金ニーズに関わるあらゆる相談にお応えしています」と石原氏は語る。
近年、異業種より新規参入した他の銀行とは異なり、同行では、店舗の存在を重要視している。
「『商業と金融の融合』をコンセプトとする我々にとって、地域のお客さまとの結びつきは不可欠の要素。フェース・トゥ・フェースでサービスをご提供することで、お客さまの信頼を獲得していきたい」(石原氏)。
さらに同行では、イオンの電子マネー「WAON」との連携など、従来の専業銀行では考えられなかったような新しいサービスも展開。こうした取り組みが高く評価され、着々と口座数を伸ばし続けている。

勘定系システムの基盤に日立の「AP8000EX」を採用

写真:事務システム部 システム運用 グループリーダー 吉開浩行氏
事務システム部
システム運用
グループリーダー
吉開浩行氏

同行の立ち上げにあたっては、各種業務システムもゼロから構築していく必要があった。特に、銀行業の根幹を支える勘定系システムについては、慎重な検討が行われた。
構築にあたっての要件は「国内金融機関での実績」「24時間・365日稼働への対応」「バックアップセンターの設置」「今後のビジネスの拡大に対応できる拡張性」「セキュリティ」「多様な対外接続・マルチチャネルへの対応」「WAONとの連携」などである。
しかもこれらに加えて、もう一つ重要なポイントがあった。開業までの期間は約1年。つまり基幹システムの中核である勘定系システムの構築を、要件定義やテストもすべて含めて1年以内で終えなくてはならなかったのだ。
この難題をクリアするために選ばれたのが、日立のエンタープライズサーバ「AP8000EX」と国内で豊富な実績を誇る金融パッケージである。
「銀行の基幹システムに欠かせない信頼性・安定性を備えており、市場でも豊富な実績があること。この2点を重視して検討を進めていったら、必然的にAP8000EXという選択になりました」と石原氏は語る。
「日立の情報系パッケージは機能も充実しており、これを柱に周辺システムを構築することで、ほとんどカスタマイズすることなく、開発を効率的に進めることができました」と野田氏も続ける。その言葉通り、日立では基本・詳細設計と開発作業をわずか4ヵ月で完了。残りの半年をテスト期間に充て、1年間でのスピード構築を果たした。

「VOS3/LS」の機能をフル活用し高信頼・高可用性を実現

写真:事務システム部 システム企画 グループリーダー 野田真一氏
事務システム部
システム企画
グループリーダー
野田真一氏

本システムでは、先に述べた要件を満たすためのさまざまな工夫が盛り込まれている。
まず2 4 時間・3 6 5日稼働については、「VOS3/LS」上でオンライントランザクション環境を構築するミドルウェア「TMS-4V/SP」を活用。この製品にはバックアップやデータベースの再編成をオンライン中に行える機能が備わっており、オンラインを止めることなく保守作業が行える。
「先日もデータベースの再編成を実施したのですが、そのためにわざわざオンラインを止めずに済みました」と吉開氏は語る。
また、耐障害性を高めるために、TMS-4V/SPのパラレル機能を利用してシステムを2系統化。さらに、これとは別にホットスタンバイ用のノードも用意し、万一オンラインの片系がダウンしても縮退運転することなく業務継続が行えるようにしている。重要な元帳データについても、ミラーリングされたディスクを2系統用意してデータを4重化。これも「安定運用を損なうリスクは可能な限り排除したい」(吉開氏)との考えによるものだ。
災害対策への取り組みでは、最新設備を備えた日立のデータセンターにシステムを設置すると同時に、遠隔地のバックアップセンターへのデータコピーも実施。
具体的には、日立のストレージ間でリモートコピーを行う「Universal Replicator」と災害対策センター運用支援機能「VOS3/Business Continuity Manager」を利用し、元帳並びにジャーナルデータを更新ごとに非同期で伝送している。これにより、災害対策発動決定から4〜5時間での業務復旧、消失取引は数十秒以内という、極めて高レベルな災害対策を実現した。
「銀行に求められる高度なサービスレベルを維持するには、こうしたツールの活用が不可欠です」(石原氏)。

徹底したセキュリティ対策を実施、口座・取引数の拡大にも余裕で対応

システムのセキュリティ確保も、もちろん重要な課題であった。
そこで導入されたのが、ユーザーID/パスワード管理機能やリソースのアクセス制御機能など、多彩なセキュリティ機能を提供するVOS3/LSの総合利用者管理機能である。
開発系システムと本番系システムを分離し、開発系から本番系へのアクセスは抑止。利用者ごとに権限を設定するなど、きめ細かな安全対策が行われている。また、顧客情報を含む帳票の表示・印刷を制限することで、大切な情報の保護にも努めている。
「重要なお客さまの情報を確実にお守りする上で、こうしたセキュリティ機能が大いに役立っています」(石原氏)。
内部統制管理への適確な対応を図る上でも、大きな効果を発揮しているとのことだ。
同行の勘定系システムでは、WAONへのチャージが行われた際などにもトランザクションが発生する。このため、通常の銀行よりもシステム負荷が予想しにくい点が懸念された。しかしこの問題についても、AP8000EXの拡張性を活かすことで解決。今後口座数や取引数が拡大した際にも、余裕を持って対応することが可能だ。
日立の支援に対する評価も高い。
「WAON連携など当社固有の要件もありましたが、日立のSEは技術力が高く、他行での導入・構築の経験も豊富で、安心して任せることができました」(野田氏)。
「今後も当行ならではの特長を全面に打ち出し、商品・サービスの拡充に努めていきたい」と意気込みを語る石原氏。
AP8000EXも、イオン銀行のビジネスを支えるインフラとして活用されていく。

図による説明:イオン銀行のフルバンキングサービス・システム概要

[お客さまプロフィール]株式会社イオン銀行

株式会社イオン銀行 ロゴマーク

[本社] 東京都江東区枝川1-9-6
[設立] 2006年5月15日
[資本金] 262億5,000万円
[従業員数] 819名(2008年10月1日現在)
イオングループの一員として、「商業と金融の融合」という事業コンセプトに基づくリテール・フルバンキングサービスを提供している。イオンのショッピングセンターに店舗を開設するほか、全国にATMネットワークを展開。電子マネー「WAON」を利用したサービスも提供。

お問い合わせ、資料請求

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特記事項

  • 2008年12月15日 日経コンピュ−タ掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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