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エンタープライズサーバ AP8800

uVALUE 実業×IT

Hitachi

行政総合情報システムを1台の「AP8000E」に統合。システムコストの削減を図ると同時にバックアップ業務の効率化やセキュリティ強化も推進

写真:日立ディスクアレイサブシステム(左)とAP8000E(右)
日立ディスクアレイサブシステム(左)とAP8000E(右)。

福岡県久留米市では、市民生活を支える行政総合情報システムの改革に着手した。ITコスト削減によって行財政改革と一体となった運用業務の効率化や情報セキュリティの強化を進めていくのが狙いである。従来はオンライン機とバッチ機に2台のメインフレームを利用していたが、これを日立のエンタープライズサーバ「AP8000E」1台に統合。PRMFや「アクセラレートプロセッサ」などの機能を活用することで、コスト削減を図りつつ従来と同等のパフォーマンスを確保。さらに「仮想MTL(磁気テープライブラリ)」やVOS3/LSの総合利用者管理機能も導入し、バックアップ業務の効率化や安心・安全な業務環境を実現している。

行財政改革と一体となったコスト削減の取り組みを強化

写真:総務部 情報政策課 課長 永野文彦氏
総務部
情報政策課
課長
永野文彦氏

日本三大瓦の一つである「城島瓦」など、伝統の技を受け継ぐ工芸品の街としても知ら れている久留米市。同市では1960年代後半より行政事務のコンピュータ化に着手。その後も時代のニーズに合わせて改善を続けてきた。2005年に周辺の4町と合併を行った際には、システム統合化により、行政総合情報 システムの強化を実施している。
さらに2006年より、次世代を見据えた新たな取り組みを開始した。それは行財政改革に伴う経費削減への対応である。 「行財政の効率化を進めていくためには、情報システムに関わるさまざまなコストも抑制していく必要がある。そこで情報政策課としても、ITコスト削減に向けたさまざまな検討を開始しました」と永野氏は説明する。

オンライン機とバッチ機を1台の「AP8000E」に統合

写真:総務部 情報政策課 課長補佐 千葉伸二氏
総務部
情報政策課
課長補佐
千葉伸二氏

こうした施策を実現する方法として、実施したのが日立への包括的アウトソーシングだ。
「オペレーションや保守業務などに掛かる運用コストは、ITコストの中でも大きな割合を占めています。これを外部委託することで、経費削減を図りたいと考えました」と河野氏。
「当市では開発・運用業務をすべて職員が行ってきたため、かなりの経験・ノウハウが蓄積されています。しかし今後のことを考えれば、日立のアウトソーシング提案を採用するのが良いとの結論に達しました」と千葉氏も続ける。
さらにシステム面でも、大きな改革を断行した。2005年の合併の際には、データ量の大幅増加に備えて2台のメインフレームを導入したが、これを日立のエンタープライズサーバ「AP8000E」1台に統合したのだ。もっとも、いくらコスト削減のためとはいえ、市民サービスへの影響が生じるようなことは許されない。これまでと同等のサービスを、1台のAP8000Eで提供する必要があった。ここで役立ったのが、CPU能力を必要に応じて配分できるPRMFの「変動共用機能」と、特定の処理を高速化するオプション「アクセラレートプロセッサ」である。
「オンライン機とバッチ機を1台に統合したにも関わらず、処理能力の低下は全く感じられません。バッチ処理の負荷が高まった際にもオンラインに影響がでるようなことはなく、以前と同じ運用が行えています」と河野氏は語る。

「仮想MTL」とLTO装置を導入しバックアップ業務を効率化

写真:総務部 情報政策課 情報化推進チーム 主査 河野英樹氏
総務部
情報政策課
情報化推進チーム
主査
河野英樹氏

今回のシステム改革では、業務効率化も大きなテーマとなった。以前は日次/月次のバックアップ業務に多くの工数が掛かっており、庁内や外部に保管するCMTの巻数も膨大な量に達していた。
「特に遠隔地保管用のCMTについては、休日出勤してバックアップ作業を行わなければならず、職員の大きな負担になっていました」と河野氏。夜間無人運転中に発生したMT関連のトラブル対応なども、職員がその都度駆けつけなければならかったという。
こうした課題を解消するものとして、同市ではMTLのエミュレーションを行う「仮想MTL」とLTOライブラリ装置を新たに導入。これによりバックアップ業務の大幅な効率化を実現した。日次の夜間バックアップ処理では、テープ媒体へのアクセスを無くすことで、処理時間を従来の1/3へ短縮すると同時に、媒体不良、容量不足などによるMT関連のトラブルも無くなった。また、テープ巻数をCMT約50巻からLTO2巻へと大幅に削減。遠隔地保管用の媒体についても、以前のCMT約300巻からLTO3巻へと激減している。
また、アクセラレートプロセッサによって仮想MTL処理の高速化が図れたため、月次バックアップ作業を平日夜間に業務処理後、短時間で行うことが可能に。このため従来のように休日出勤を行う必要もなくなった。
さらに外部保管用のLTOについては、格納データの暗号化を実施。盗難被害などに遭った際の情報漏洩リスクも、最小限に抑えられている。
「コスト削減はもちろん、業務負担の軽減やCMT保管庫スペースの削減、バックアップデータのセキュリティ向上など、多くのメリットがありました」と評価する河野氏。
当初は仮想環境でバックアップを行うことへの不安もあったが、実際に導入してみると問題は無かったとのことだ。日立ディスクアレイサブシステムとの接続についても、高速転送が可能なFIBARCチャネルを採用し、パフォーマンス向上を実現している。

総合利用者管理機能でセキュリティをさらに強化

市民の重要な個人情報を預かる行政システムでは、セキュリティ確保も重要な課題だ。
「当市でも2003年に全庁的なセキュリティポリシーを策定し、更新系/参照系を問わず、すべてのアクセスログを取得するなどの取り組みを行ってきました」と千葉氏は説明する。
さらに今回、VOS3/LSの総合利用者管理機能を活用し、より強固なセキュリティ対策を実施した。具体的にはID/パスワード管理に加えて、システムデータセットやシステムボリューム/業務用ボリュームへのアクセスを制限。また各種プログラムについても使用制限を行った。さらにシステムやデータへのアクセス履歴を記録・蓄積し、必要に応じて監査できる仕組みも構築。システムの安全性をより高めることに成功した。
また、今回から新たに「パラレルシステムタイマ」による標準時刻取り込み機能を導入した点も注目される。これはAP8000Eの時刻を標準時刻に同期させると同時に、その時刻を他のサーバなどにも配信するというものだ。
「以前に各システム間の時刻が異なることによって、関連するシステム間の時系的な経緯を把握することに苦慮したケースがありました。パラレルシステムタイマによって各システム間の時刻同期をさらに図れれば、こうした問題も解消できると期待しています」と千葉氏は語る。
日立のVOS3専門部隊のサービス・サポートに対しても、高い評価が寄せられている。
「仮想MTLをはじめとする新機能の導入も非常にスムーズでした。日立には豊富な経験やノウハウがあるので、安心して作業を任せられました」(千葉氏)。
新たな業務基盤を確立した久留米市だが、今後もさまざまな分野への挑戦を続けていく。
「制度改正への対応や市民サービス向上など、取り組むべき課題はまだまだ多い。コス ト意識を持ちつつ、行政システムの最適化を推進していきたい」と永野氏は力強く語った。

久留米市の新システム概要
図による説明:久留米市の新システム概要
FIBARC:FIBre connection ARChitecture(ファイバークチャネル)

[お客さまプロフィール]久留米市

写真:久留米市役所

2005年2月5日に久留米市、田主丸町、北野町、城島町、三潴町の1市4町が合併し、新・久留米市としてスタートした。筑後川流域の豊かな自然環境を活かした特産品や久留米絣(くるめがすり)などの工芸品、うなぎ、久留米ラーメンなどの名物料理でも全国的に知られている。

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特記事項

  • 2008年01月1日15日経コンピュ−タ掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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