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OCRとイメージスキャナ

ICカードとOCRのシステムを連携させ
2万人規模の健康診断をスピーディに処理する
「健診情報トータル管理システム」

保健医療分野における急速な情報化を背景に、健康診断などの事業を展開する医療法人でも、幅広い診断業務のスピード化と効率化が急務の課題となっています。
そこで医療法人財団「綜友会」は、ICカードと携帯情報端末で取得した「健診情報」と、日立OCRで処理する「問診情報」を組み合わせた「健診情報トータル管理システム」を開発。
約2万人の健診結果を2週間で通知するスピード化と、大幅な省力化によるTCO*1の適正化を実現しました。

*1
Total Cost of Ownership

2万人の学生の健康診断結果を2週間で

 東京・高田馬場駅からほど近いビルに拠点を構える医療法人財団 綜友会。同会は、各種健康診断や健康カウンセリングを行うクリニック経営のほか、先端機器と確かな医療知識を備えたスタッフによる健康診断業務を、企業や官公庁、学校などから幅広く受託することで、予防医学の観点からの健康増進活動を積極的に推進しています。

写真:飯田 ひろ子氏
医療法人財団 綜友会
常務理事
飯田 ひろ子氏
写真:福岡 奈緒美氏
医療法人財団 綜友会
第2データプロジェクト
サブリーダー 臨床検査技師
福岡 奈緒美氏

 「綜友会は平成4年に設立された財団です。もともとは東京都のトラック協会と、その関連団体からの要望により、ドライバーや港湾労働者の方々のためにクリニックを開設したのが設立のきっかけでした」と語るのは、常務理事を務める飯田 ひろ子氏。飯田氏によれば、現在の業務は幅広い企業や団体に向けた健康診断業務がメインとなっており、特に学校健診では検査項目の選択や時間調整に柔軟に対応できる点が評価され、担当する学校(小中高大)数は約80校にものぼるということです。こうした学校健診の顧客数が拡大する中、近年特に増えてきた要望の1つが、検査結果通知のスピード化です。

 「数年前、ある私立学校のお客さまから、次は姉妹校の健康診断も受託してくれないかという打診がありました。しかし、就職活動のため優先的に結果が通知される4年生が2週間、その他の学年が1か月という従来期間を、すべて2週間で完了させること、また紙を極力使わないペーパーレス化が条件となっていたのです」と語るのは、同会のシステム運用を担当する第2データプロジェクト サブリーダーであり、臨床検査技師でもある福岡 奈緒美氏。学校側では、これまでの委託先では今後の対応力に限界があったため、グループ校で実績を積み、信頼を高めていた綜友会に白羽の矢が立ったわけですが、約2万人の学生に対して、2週間ですべての診断書を送付するのは現状システムでは困難と判断。綜友会ではただちに、この条件をクリアできる新システムの開発に取りかかりました。

手書きの問診票のデータをOCRでスピーディに処理

星島 愛樹氏
医療法人財団 綜友会
第2データプロジェクト
リーダー
星島 愛樹氏

 「紙を使わないという条件から、健診情報の収集に使おうと考えたのが、非接触ICカードと携帯情報端末を使った“ICカード健診システム”です」と説明するのは、第2データプロジェクト リーダーの星島 愛樹氏。このシステムは、専用用紙に手書きで検査結果を記入していた従来方法に代わり、受診者が携行する非接触ICカードに、各検査機器で取得した情報をBluetoothで飛ばして記録し、作業の自動化や書き間違えなどの防止を実現するソリューション。星島氏と福岡氏は、ある展示会で市場投入前の同システムに注目し、綜友会のオリジナルプログラムを搭載したシステムとして採用することにしました。

 「しかし、受診者みずからが自覚症状などを手書きで記入する問診票については、このシステムに取り込むことができませんでした。そこで問診票に記入された内容を、すばやくデータ化するための手段として、OCRを使ってみようと考えたのです」(星島氏)

 OCRの情報収集を行っている過程で、日立が開催している「OCR定期相談会」に行き当たったという星島氏は、さっそく福岡氏とともに東京地区の相談会場へ。そこで専門アドバイザーから、業務要件を満たすOCRとして勧められたのが高機能OCR「HT-4134」でした。「相談した担当者の人柄が非常によかったのも採用理由の1つですが(笑)、HT-4134をその場で実際に操作してみて、精度面でもスピード面でも、これなら使えると判断しました」と語る福岡氏。

写真:OCR用問診票
OCR用問診票

 システム構築で最も重要なポイントとなる問診票の帳票設計とパラメータ調整は、お二人みずからが担当し、読み取り対象となる手書きの学籍番号と、各項目のチェックマークが高精度に読み取れるよう、何度も作り直しを行ったそうです。

 「記入する枠の大きさや、各項目の間隔をどこまで広げたら最適な読み取りが行えるのかなど、OCR用の帳票設計は初めての経験でした。また学校側からも、学生さんが記入しやすいよう住所欄をもう少し大きく、といった注文が実施直前まで入りましたが、日立の熱心なサポートのおかげで、満足のいく帳票を作り上げることができました」と語る福岡氏。2008年1月に「HT- 4134」を導入後、わずか2か月の間に、ICカード健診システムとOCRを連携させた「健診情報トータル管理システム」を構築した綜友会は、同年4月の学校健診からシステムの本格稼働を開始しました。

ICカードのデータとOCRのデータを統合管理

 新システムでは、まず受診者1人ひとりに専用のICカードが貸与され、「身長・体重測定」「血圧測定」「視力検査」などを行うたびに、無線通信対応の検査機器から携帯情報端末へデータがBluetoothで自動送信されます。受診者はそれぞれが持つICカードを携帯情報端末に軽くあてることで、その結果をICカード内に蓄積。全検査終了後、各人のカードを綜友会が回収することで、検査結果がまとめてCSVファイルとして収集されます。

 一方、日立の「HT-4134」を適用した問診票自動読み取りシステムでは、あらかじめ学生が記入した問診票をハイスピードで一括処理。ここで得られた「問診情報」とICカード経由で得られた「健診情報」が、綜友会のシステム内でマージされ、トータルな受診者情報として管理・アウトプット(診断書)されるという仕組みです。

 「約2万人の学生さんの健診を1週間から10日程度で行うため、1日あたりの問診票の処理量は2,000枚から3,000枚程度。HT-4134は読み取り速度が非常に速いので、余裕をもって対応できます。精度的にもまったく問題はなく、“これほど崩れた文字を、よく正確に読み取ったなあ”と拍手を送りたいことが多々あります」と福岡氏は笑顔で語ります。

写真:オフィス内に置かれたコンパクトボディのOCR「HT-4134」
オフィス内に置かれたコンパクトボディのOCR「HT-4134」

より幅広い健診業務に適用していく

 新システムの導入により、データ入力に関する作業負担と時間が大幅に軽減したばかりか、データ精度の向上とエラーデータの修正作業も効率化できたため、2万人の診断結果を2週間で返すという目標を予定どおりに達成することができました」と語る福岡氏。

 また、これだけ膨大な業務量にもかかわらず、データの集約とシステム運用に携わる人員は2名程度で済むことから、「従来型の業務に比べ、大幅な省力化とコストダウンにも成功しました」と、一連のシステム導入を飯田氏は高く評価します。

 「現在はまだ学校健診にしかこのシステムを使っていませんが、今後は顧客数の多い企業健診や特定健診(メタボリックシンドロームに重点を置いた健診)にも適用することで、さらなる業務の効率化とお客さまサービスの向上をめざしていきます。そのためにも、それぞれの健診に対応したOCR帳票の設計が次なる課題になると思います」と語る星島氏。複数の独立したシステムを独自の発想で組み合わせることで、健康診断業務におけるユニークなシステム創造を成し遂げ、ビジネスチャンスの拡大を図る綜友会。

 より迅速で正確に、適正コストでの医療サービスの提供をめざす同会の取り組みを、日立はこれからもOCRソリューションの拡充と帳票設計に対する継続的なサポートにより、力強く支援してまいります。

[お客様プロフィール] 医療法人財団 綜友会

医療法人財団 綜友会

[住所] 東京都新宿区高田馬場2-13-8
[理事長] 森野 亮一
[職員数] 50名
[事業概要]
各種健康診断に関する事業、診療に関する事業、臨床検査に関する事業など
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ソリューション

お問い合わせ

本件に関する詳細など、お問い合わせは下記までご連絡ください。

  • * お問い合わせは株式会社日立情報通信エンジニアリングが承っております。
    上記リンクをクリックすると、株式会社日立情報通信エンジニアリングの「OCRソリューションサービスに関するお問い合わせ」ページへ進みます。

特記事項

  • 2008年9月「はいたっく」掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
  • * 本サイトで紹介しておりますソリューションについてのお問い合わせは株式会社日立情報通信エンジニアリング イメージソリューションセンタ(営業統括本部 販売推進センタ)が承っております。掲載団体への直接のお問い合わせはご遠慮願います。
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