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Hitachi

OCRとイメージスキャナ

金型生産工程のデータ入力を自動化し
原価管理の精度向上を実現

家電やOA製品、自動車などのプラスチック部品を成形する金型メーカー「株式会社 明輝(以下、明輝)」では、原価管理に必要な金型生産工程の「作業票」読み取りに、日立の高機能OCR*1「HT-4134」を適用。
手作業なら3時間ほどかかったデータ入力作業を約10分に短縮したほか、帳票イメージ表示による修正作業の効率化も実現。
原価管理の精度向上と、戦略的なデータ活用を支援する基盤を構築し、同社の業務改革を力強くサポートしています。

*1
OCR:Optical Character Reader(光学式文字読取装置)

手書き作業票のデータ入力が大きな負担に

 自動車のバンパーやインスツルメントパネルなどの大型部品から、液晶テレビや各種家電製品の精密部品まで、私たちをとりまく幅広い製品のプラスチック射出成形用金型の開発・設計・製作で知られる明輝。 CAD/CAMシステムや流動解析を利用した最先端の設計技術と、長い歴史の中で培われた技術者一人ひとりの匠の技=クラフトマンシップを融合させ、ミクロンレベルの高精度と難易度の高い多次元曲面の形成といったハイテク金型総合技術を追求し続ける同社は、業界内で高い評価を獲得し、取引先の海外シフトとも連携したグローバルな事業展開を図っています。

写真:大窪 悦郎氏
株式会社明輝
資材・総務部 課長
大窪 悦郎氏

 近年、金型業界では国内外の競争激化による取引先からのコスト切り下げ要求や、製品サイクルの短縮化と短納期化による設備投資の増加などにともない、原価管理が以前にも増して強く求められる時代となっています。 明輝は以前から、神奈川県内の3工場(厚木工場、神奈川大型工場、神奈川小型工場)の各工程担当者から毎日提出される「作業票」を集計した原価管理システムを構築していました。しかし、「その入力作業の負担が大きかったため、以前から何とか省力化、効率化できないかと考えていました」と説明するのは、資材・総務部 課長の大窪 悦郎氏です。

 「設計に始まり、MC(マシニングセンタ)や放電、仕上げ、溶接、成形といった一連の金型作業工程で、各担当者は作業票という帳票に、金型番号と作業の開始・終了時間などを書き込みます。これをオフコンで集計することで各工程にかかった時間と金型単位の原価実績が把握できる仕組みとなっていますが、従来はそのデータ入力を人手に頼っていたため負担が大きく、記入内容の修正にもかなりの時間がかかっていたのです」

写真:金型と製品

原価管理の徹底を図るためOCRを導入

松山 有美子氏
株式会社明輝
総務部 勤務管理担当者
松山 有美子氏

 実際に入力作業を担当していた松山 有美子氏も、「各工場から集まる作業票が1日約500枚から1000枚。1枚につき入力項目が4〜5行あるため、すべて入力するのに約2〜3時間、また型番が間違っていたり、記入された文字が不確かなため、記入者に問い合わせたりする作業に、さらに同じほどの時間がかかっていました」と当時を振り返ります。

 この間、金型単位での原価管理の徹底とコスト意識の向上がトップダウンで示されたこともあり、明輝は2007年1月、経営戦略に直結したデータ抽出の自動化とデータ品質の向上を図るため、OCRの導入を決断。機種には、活字と手書き文字を高精度に読み取り、省スペース性にも優れた日立のOCR専用スキャナ「HT-4134」が選定されました。

 そして日立の協力のもと、OCR読み取りに適した作業票フォーマットの作成や、読み取りデータのPC上での確認・修正を容易にするアプリケーション開発が進められる一方、明輝内でも読み取り精度を上げるためのアルファベット・数字の書き方の指導や、作業票運用ルールの再検討、原価管理システムとのデータ連携などが進められ、約3か月後の2007年4月より「作業票読み取りシステム」の本格稼働がスタートしました。

写真:オフィスで活躍する「HT-4134」
オフィスで活躍する「HT-4134」

実質的な作業時間が6時間から1時間へと大幅に短縮

 「導入後は、手入力に代わる読み取り作業が約10分で終わるようになりました」と笑顔で語る松山氏。読み取りエラーが起こった際にも、PC画面上で実帳票のカラー画像と入力データを横並びで比較しながら確認できるため、「文字の乱れによる読み取りエラーなら、私がその場で修正できますし、型番ミスの場合だけ問い合わせるというように、問題の切り分けが容易になり、作業効率がアップしました」とのこと。これにより実質的な作業時間は導入前の約6時間から1時間へと大幅に短縮化されました。

村山 隆司氏
株式会社明輝
厚木工場 工場長
村山 隆司氏

 厚木工場の工場長を務める村山 隆司氏は、「このシステムを導入したことで原価管理に必要なデータ品質がかなり向上したと聞いています。今後も業務拡大や製品サイクルの短縮化でさらに金型の種類が増えると予想されるため、データの精度と処理スピードを高められるよう、より正確でていねいな記入を皆に徹底させていきます」と語ります。

 OCRの導入により金型単位での作業データの品質が高まってきたことで、経営層からは、このデータの新たな活用提案が示されました。「工程コードと、そこにかかる時間がきちんと把握できるようになったことから、このデータを原価管理だけでなく進捗管理にも使えるのではないかという声があがってきました。つまり特定の金型に対して、作業が現時点でどこまで、どのような形で進んでいるのかを把握するプログラムを作れないか。 そして社内の進捗管理はもとより、お客さまからの問い合わせにも応えるデータとして提供できないかという提案です。次のステップでは、この方針に沿ったプログラム開発を進めていく予定です」(大窪氏)

国内外の他工場や他業務でもOCRを活用したい

 現在、OCRによる作業票の読み取りは神奈川県内の3工場で実施されていますが、今回の成果をふまえ、将来的には岩手の一関工場や、タイ、マレーシア、メキシコ、スロバキア(建設予定)などの海外工場でも展開していきたいとのこと。また、OCRの読み取り対象を作業票だけでなく、購買関連帳票にも拡大していく計画があると大窪氏は語ります。

 「当社には原材料などの取引先が約200社ほどありますが、その購買業務は主に注文票をFAXで送信した後、相手先からの納品書や請求書に書かれた内容を手入力でオフコンに入れているのが現状です。この一連の流れを1つの帳票で管理し、手作業の負担を軽減するためにはOCRの適用が最適ではないかと考えています。 そのためには取引先にもOCR読み取りを前提とした帳票記入をお願いする形となるので、まずは現在の作業票読み取りシステムの運用精度を高めつつ、外部にお願いする際の帳票設計や運用ノウハウを蓄積しながら、具体的なシステム化を進めていきたいと思います」(大窪氏)

 高度な金型設計体制と、特殊技能を持ったスペシャリスト集団のチームワークにより、ますます高度化・多様化するワールドワイドな顧客ニーズに応え続ける明輝。今後も日立は、同社の業務改革と積極的なビジネス展開を、OCRの継続的な機能強化と関連ソリューションの拡充によって、力強くバックアップしてまいります。

[お客様プロフィール] 株式会社 明輝

株式会社明輝

[本社] 東京都渋谷区広尾5-9-13
[神奈川工場] 神奈川県厚木市金田1030
[設立] 1948年9月
[資本金] 4,950万円
[代表取締役社長] 黒柳 告芳
[従業員数] 290名
[事業概要]
プラスチック成形用金型の設計と製造/自動車用(バンパー、インパネ、ドアトリムなど)・家電(主にテレビ)・OA製品・工業用品などのプラスチック射出成形用金型の開発・設計・製作
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ソリューション

お問い合わせ

本件に関する詳細など、お問い合わせは下記までご連絡ください。

  • * お問い合わせは株式会社日立情報通信エンジニアリングが承っております。
    上記リンクをクリックすると、株式会社日立情報通信エンジニアリングの「OCRソリューションサービスに関するお問い合わせ」ページへ進みます。

特記事項

  • 2008年5月「はいたっく」掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
  • * 本サイトで紹介しておりますソリューションについてのお問い合わせは株式会社日立情報通信エンジニアリング イメージソリューションセンタ(営業統括本部 販売推進センタ)が承っております。掲載団体への直接のお問い合わせはご遠慮願います。
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