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ニュースリリース

2007年8月7日

日立コミュニケーションテクノロジーとアルバリオン社が
モバイルWiMAXシステムを共同開発
―広帯域移動無線アクセスシステム分野で戦略的なパートナーシップ関係を確立―

株式会社日立コミュニケーションテクノロジー

株式会社日立コミュニケーションテクノロジー(取締役社長:青木 榮司、以下 日立コム)とアルバリオン社(Alvarion Ltd.、本社:イスラエル テルアビブ、President & CEO Tzvika Friedman 以下アルバリオン)は、モバイルWiMAX技術を用いた広帯域移動無線アクセスシステムを共同で開発していくことに合意しました。

広帯域移動無線アクセスシステムは、総務省より 2.5GHz帯での免許交付方針が公表されていますが、WiMAX技術は最も有力な技術候補の一つと考えられています。このWiMAX技術を実現するためには、広帯域のOFDMA無線信号を安定に送受信する高度基地局技術と、複数基地局間でのブロードバンド端末の高速な移動を可能とする移動制御技術の実現が必須となります。さらに、広帯域移動無線アクセスシステムにはWi-Fiのような手軽な使い勝手と、携帯電話システムの持つ高い安定性、信頼性を同時に実現することが期待されています。

今回の共同開発は、アルバリオンのOFDMA基地局技術と、日立コムの移動無線向システム制御技術を組み合わせて、キャリアグレードモバイルWiMAXシステムの早期商用化を目的としています。

アルバリオンはブロードバンドワイヤレス市場では世界的なリーディングカンパニーであり、この技術をベースにOFDMA技術を駆使したモバイルWiMAX基地局の先行的な開発を行っています。日立コムはCDMA2000 1xEV-DO方式をベースとした3Gモバイル高速データ通信システムを内外に先駆けて実用化し、セキュアな移動管理技術、高品質ハンドオーバ技術について豊富な経験を持っています。この両社の技術、経験を融合させることにより、WiMAX最大の課題である手軽さと高品質の両立が初めて可能になります。

WiMAXは、IEEEの802.16委員会が仕様策定を行っているブロードバンドワイヤレス規格を元にしており、第3世代携帯電話より高速なサービスを安価に提供できるという特長を持っています。また、業界団体であるWiMAX Forumが上位層の仕様策定や機器同士の認証を行っています。アルバリオンは、WiMAX Forumでは初期段階からの牽引役であり、現在も重要なWorking Groupでの議長を務めるなどの多大な貢献をしています。

日立コムは本共同開発により、次世代ブロードバンドワイヤレス分野でのグローバルな拡大を目指していきます。

日立コム、アルバリオンの各開発装置の特長

1. ASN-GW(Access Service Network Gateway); 開発 日立コム

  1. トラヒック増加に対して柔軟に対応
    小規模から大規模まで同一のコンセプトでシステム構築が可能です。プロトコル処理部とトラヒック処理部を分離したアーキテクチャの採用により、将来のトラヒック増加に対する柔軟性を飛躍的に向上いたします。
  2. キャリアグレードの冗長切替機能
    キャリアグレードの品質を実現するノンストップ構成を装備しています。運用情報のミラーリングとIPアドレス瞬時移動により、基地局、端末などの接続装置に影響を与えずに予備系への切替が可能です。
  3. 超高速スループット性能の実現
    高性能パケットエンジンにより、超高速スループット性能を実現します。
    (当社従来モデルと比較し、10倍以上の性能向上を目標)

2. マクロおよびマイクロ高性能基地局; 開発 アルバリオン

  1. 小型・軽量化及び低消費電力化の実現
    機能集約(高周波部+デジタル信号処理部一体化)により、小型・軽量化を実現します。これに伴い、工事コストの低減も可能となります。また、DPDやCFRなどの先端技術を採用しており、高周波部の低消費電力化も実現しています。
    (アルバリオンの従来モデルと比較し、消費電力30%減、質量50%減を目標)
  2. エリアカバレッジの拡大とシステム容量の増加
    WiMAX ForumのWAVE2規格の重要技術であるAASおよびMIMOに対応が可能です。MIMOとAASを組み合わせて、エリアカバレッジの拡大とシステム容量の増加を実現でき、効率的なセル設計が可能となります。

アルバリオンについて

アルバリオン(www.alvarion.com) は、固定および移動環境でのデータ通信、VoIP、ビデオなど様々なサービスで生産性とライフスタイルを向上させるパーソナルブロードバンドを可能とする革新的なブロードバンドワイヤレスネットワークソリューションの世界的なリーディングカンパニーです。また、様々な周波数帯域に対応した固定と移動無線ソリューション分野での高い市場占有率と、信頼ある製品群を持つ、Open WiMAXソリューション市場のリーディングカンパニーです。
アルバリオンの製品は、パーソナルモバイルブロードバンド、ビジネスおよび住宅向けブロードバンドアクセス回線、企業向けVPN、加入電話並みの品質の音声通話、携帯電話基地局の中継、ホットスポットのカバレッジ拡大、コミュニティ相互接続、公安機関用通信、モバイル向け音声・データ通信などさまざまなニーズに対応しています。
ブロードバンドワイヤレス分野のパイオニアとして、アルバリオンは10年以上にわたり、中核技術の開発から業界標準の策定・普及促進に取り組んできました。IEEEとHiperMANの標準化委員会で中心的な役割を担う一方、OFDM準拠システムを開発するなど数々の実績を生かし、WiMAX Forumでは、ブロードバンドワイヤレス市場で標準準拠製品の普及促進に尽力し、Open WiMAXのソリューションづくりを業界に呼びかける旗振り役としても貢献しています。

注釈

WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)
IEEE802.16委員会で策定されたブロードバンドワイヤレス標準技術を元に業界団体であるWiMAX Forumが上位ネットワーク層の標準化、相互接続のための認証規格化などの推進を行っている技術の総称。日本ではWiMAXは2.5GHz帯を使用する広帯域移動無線アクセスシステムの技術候補となっている。
ASN-GW(Access Service Network Gateway)
端末ハンドオーバ、認証、QOSなどを制御し、外部ネットワークとの接続を行なうゲートウエイ装置。
DPD(Digital Pre Distortion)
デジタル信号の段階で歪補償処理することでアンプ特性の向上を図り、装置の高効率化・低消費電力化を実現する技術。
MIMO(Multiple Input Multiple Output)
複数のアンテナを組み合わせてデータを送受信することにより伝送速度を向上させる空間多重技術。
AAS(Adaptive Antenna System)
複数のアンテナ素子を配列したアレーアンテナを使用し電気的にアンテナに強い指向性を持たせる技術。
CFR(Crest Factor Reduction)
ピーク・平均電力比を調整することによりアンプの高効率化を実現する技術。
OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)
中心周波数の異なる複数の搬送波を利用して、伝送容量を高め、複数ユーザで利用可能とする無線伝送技術。
CDMA2000 1xEV-DO(Evolution-Data Optimized)
データ通信に最適化し、伝送スピードを向上させた3Gモバイル技術の一方式。

他社商品名称に関する表示

「WiMAX」「WiMAX Forum」は、WiMAX Forumの登録商標です。
「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
「CDMA2000」は、Telecommunications Industry Association(TIA-USA)の登録商標です。
その他記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

製品についてのお問い合わせ先

株式会社日立コミュニケーションテクノロジー
キャリアネットワーク事業部 移動体新規事業開拓プロジェクト[担当:秋田]
〒244-8567 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地
電話045-881-1221(大代表)

報道についての問い合わせ先

株式会社日立コミュニケーションテクノロジー
コーポレートサポート室 ビジネスサポート部[担当:坂本]
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