日立の「Wooolive」を主要全拠点に導入し、迅速な情報共有や意思決定などコミュニケーションを強化。スマートデバイス活用による業務改革にも取り組む。
日本を代表する総合建設企業として、ビルや公共施設、交通インフラなど、数多くの構造物を手がける鹿島建設株式会社(以下、鹿島建設)。同社では、コミュニケーション強化による迅速な情報共有や意思決定、ガバナンス強化などを目的に、ビデオ会議システムの再構築を実施した。新システムには、家電並みの操作性や高精細な画質、優れたコストパフォーマンスなどを評価し、株式会社 日立製作所(以下、日立)のビデオ会議システム「Wooolive」を採用。情報共有や意思決定の迅速化を図ると同時に、会議のための移動に要する時間とコストを削減。さらに、スマートデバイス活用による業務改革や、BCP*1強化としてもWoooliveを活用している。

鹿島建設株式会社
ITソリューション部長
渡辺 克彦 氏

鹿島建設株式会社
総合事務センター課長
磯崎 元一 氏
東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事など、多数のランドマーク的構造物を世に送り出してきた鹿島建設。同社は、タブレット型GPS*2端末により運搬車両位置をリアルタイムに把握して、交通渋滞などに応じた効率的運行を実現する「スマートG-Safe」を開発し、石巻ブロック災害廃棄物処理業務に適用するなど、ITの活用においても先進的な取り組みを行っている。
「当社では、日々の活動で情報活用が行えるように、本社から建設現場までネットワークを張り巡らしています。ITソリューション部としては、競争力強化へのさらなるITの活用と、すでに欠かすことのできない存在となったITの安定的・効率的な運用に取り組んでいます」と渡辺氏は説明する。
同社は、コミュニケーション強化による迅速な情報共有や意思決定、ガバナンス強化などを目的に、早くからビデオ会議システムを導入してきた。しかし、従来のシステムには不満も少なくなかった。
「一番の問題点は、会議開催までの準備に多くの手間を要することでした。また、以前はPCベースの簡易的なシステムだったので、映像や音声の品質も不十分でした」と磯崎氏は当時を振り返る。
ビデオ会議システムの利用率が高まるにつれて、ユーザーの不満も大きくなってきたため、同社では新たなシステムの導入を決断。複数の製品やサービスを比較・検討した結果、日立のビデオ会議システム「Wooolive」を採用した。
「まずこだわったのは、家電並みに簡単に扱えることです。その点、Woooliveは簡単なリモコン操作ですぐに会議を開催できるなど、操作性に優れていました。さらに、ライセンスの追加で容易に50台まで端末を登録可能など、拡張性の高さも決め手となりました」(磯崎氏)。
Woooliveの優れたコストパフォーマンスも大きなポイントだった。
「Woooliveは、会議形態にあわせて自由な組み合わせで多地点接続ができます。また、既存のイントラネットを利用できるので、総合的にクラウド型サービスよりも低コストでした。さらに、ファイアウォール越えにも対応しており、建設現場まで一貫して利用できる点も評価しました」と持田氏は続ける。

鹿島建設株式会社
関東支店
管理部
情報システムグループ
グループ長
佐京 正人 氏
各建設プロジェクトは、本社の支援・監査を受けながら、工事事務所の管理などを、臨機応変に各支店が中心になって進められる。そのため、新ビデオ会議システムも、本社に本支店間接続用のサーバを、4支店(2012年12月現在)に管下営業所・工事事務所接続用のサーバを、それぞれ導入するという二層構造とした。
「本支店間の会議には本社サーバ、支店管下の会議には支店サーバを使用しており、ログインするサーバの切り替えを簡単なリモコン操作で行える機能を日立に追加してもらいました」(渡辺氏)。
また、本社や支店などの会議室には専用端末を設置し、工事期間のみ開設される工事事務所などでは機動性に富むPC利用端末を活用するなど、用途や環境に応じて端末を使い分けている。
「専用端末はリモコン操作で簡単に使えるので、非常に便利です。関東支店でも使い方を説明したのは最初だけで、あとは各ユーザー自身で自由に利用しています」と佐京氏は評価する。
セットアップが簡単で、サーバ側で端末を集中管理できるので、導入や運用に手間がいらないのだ。旧システムでは、会話中に相手の映像が乱れたり音声が途切れる場面もあった。しかし、Woooliveはネットワーク環境に応じて映像や音声を自動で調整するなど、実務に耐える仕様になっている。
「相手の音声が途切れる心配もなく遅延も少なく、白熱した議論が行える位に自然な会議環境です」(持田氏)。
Woooliveの活用により、すでに導入メリットが見え始めている。
「関東支店では一都六県に拠点を展開しており、会議のための移動に多くの時間とコストを費やしていました。しかしWooolive導入により、社員の負担も減り、効率的に業務をこなせるようになりました」(佐京氏)。

支店と工事事務所などをビデオ会議で接続することで、移動に要する時間とコストを削減できる。

鹿島建設株式会社
横浜支店
管理部
担当部長
(情報システム担当)
持田 貢 氏
さらに鹿島建設では、新たなワークスタイルを目指す取り組みとして、スマートデバイスの活用も推進中だ。
「敷地に余裕のない都心部などでは、工事事務所を建設現場から離れた場所に設置せざるを得ないケースがあります。また、ひとりで複数の現場を管理する所長や担当者も増加しており、所員や作業員とのコミュニケーションや意識共有が不足するという問題も抱えていました」(持田氏)。
そこで着目したのが、より機動性に優れたスマートデバイスの活用だ。Woooliveには、Android™搭載のスマートフォン・タブレット端末とiPadに対応したスマートデバイス利用機能がオプションで用意されており、モバイル通信環境を使用して、外出先や建設現場から社内のビデオ会議に接続できる。
「スマートデバイスを活用することで、建設現場の映像を支店や営業所などから、リアルタイムに確認するといった使い方も可能です。設計図面やさまざまな技術情報とWoooliveの映像を組み合わせることで、さらなる品質や生産性の向上など、業務改革にも貢献できると考えています」(持田氏)。

機動性に優れたスマートデバイスの活用により、
設計図面の変更確認や現場状況の把握などをリアルタイムで実現。
もう一つ注目されるのが、BCP強化としてもWoooliveを活用している点だ。
「非常時こそお互いの顔を見て話せることが重要です。そこで先日実施した首都直下型地震を想定したBCP訓練では、Woooliveを用いて首都圏支店も交えて震災対策会議を実施しました。緊急時にはスピーディーな対策本部の立ち上げが重要ですが、短時間でスムーズに会議が開けたことに手応えを感じました」(渡辺氏)。
なお、Woooliveには一定期間だけ同時接続数を拡張できる「BCPライセンス」がオプションとして用意されており、災害時における社員の安否確認などに利用できる。
「日々更新される設計図面など、クラウド上で取引先企業と情報共有する取り組みも進めており、今後はスマートデバイスやWoooliveと連携させることで、コミュニケーションをさらに強化し、工期短縮や品質向上につなげていきたい」と渡辺氏は抱負を語った。

首都直下型地震を想定したBCP訓練では、Woooliveによる対策会議を実施。
鹿島建設株式会社


[本社所在地] 東京都港区元赤坂1-3-1
[設立] 1930年
[資本金] 814億円余
[従業員数] 7,925名(2012年3月末現在)
集合住宅、オフィス・商業施設、文化・公共施設、エネルギー施設、交通施設など、幅広い分野にわたって事業を展開する総合建設企業。2012年には5年半にわたり行われた東京駅丸の内駅舎保存・復原工事が完了。