リコーテクノシステムズは、さらなる顧客満足度向上および事業継続計画(BCP)強化のために、2008年5月、契約企業向けにITシステムのサポートを行うRTS総合コンタクトセンターを東京・秋葉原から晴海に移転した。新センターでは通信インフラのコアとして日立コミュニケーションテクノロジーのIPテレフォニーサーバ「IPTOWER-SPシリーズ TM-II」を採用した。


リコーテクノシステムズ
経営革新センター
CSマーケティング企画室
室長
岡田善治氏
リコーテクノシステムズ(RTS)は、日本全国を網羅する430カ所の拠点と顧客企業をサポートする約6500人のCE、NE、SEおよびバックヤード技術者を擁する国内最大級のトータルサービスカンパニーだ。そのサービス範囲は複合機(MFP)・プリンターから、ネットワークやITシステムの運用、保守までと幅広く、24時間365日のサポート体制と豊富なサービスメニューによるワンストップサービスで、高い顧客満足度を獲得している。
「近年、OA はITと一体の時代になり、顧客企業からはOAプラスITシステム全体に対するトータルなサポート要求が高まっています。とりわけ、ニーズが高いのが機器の設置、資産管理や障害時の切り分け手配、ヘルプデスク、修理対応などの運用・保守サービスです。RTSでその運用・保守サービスを支えているのが、大手企業中心に個別契約でITシステムの運用業務の窓口となるRTS総合コンタクトセンター(以下、コンタクトセンター)です」とRTS広報を担当する岡田善治氏は話す。

リコーテクノシステムズ
執行役員
ITサービスセクター
副セクター長
ITマネージド本部
本部長
里吉正夫氏
「RTSでは、すべての活動において顧客が最優先です。コンタクトセンターは、全国の契約企業を対象に24時間365日、マルチベンダ対応のワンストップサービスを提供しているため、大地震などの災害が起きた時でも顧客対応を継続しなければなりません」と全社委員会でBCP委員長を務め、ITマネージドサービスを統括するRTS里吉正夫氏は語る。そのため、策定中の事業継続計画(BCP)にもとづき、センターの運営を行ってきた。そして、盤石の災害対応体制を築くために、災害に強く安全な地域である東京・晴海の制震構造で電力供給を2系統確保できるビルに移転したのだ。
さらに、従業員満足度を向上させることで顧客満足度向上を図るという考え方にもとづき、ITファシリティソリューションのノウハウを生かし、快適なオフィス空間を自社で設計・構築した。

リコーテクノシステムズ
ITマネージド本部
統括部
BCPGリーダー
遠藤浩之氏
また、運用面でも様々な工夫を行っている。「今までは顧客別グループにスタッフを配置していましたが、今回、スキル別グループに再編成、顧客情報を一元管理することにより、以前よりもスピーディな対応が可能になりました。また、過去の統計情報をとり、30分単位で呼量を予測し最適な人員を配置、空いた時間にトレーニングやコーチングなどを行い、顧客対応スキルの向上に努めています。突発的に予測を上回る呼量となった場合でも、リアルタイムで視覚的に情報が提供されるので、動的に人員配置を変更することにより、顧客に常につながりやすい受付をご提供できる環境が整いました」とセンターの運営を担当するRTS 遠藤浩之氏は話す。

CEへのサポートも
統合コンタクトセンターの
大きな役割
新しいセンターではBCPを構築しやすくするために、IP-PBXを導入、通信インフラはRTSのデータセンターに預け、コンタクトセンターとの間はIP網で結ぶことにした。そこで、IP-PBXとして選んだのが日立コミュニケーションテクノロジーのIPテレフォニーサーバ「IPTOWERSPシリーズTM-II」である。TM-IIを選んだのは、他のリコーグループコールセンターとの連携可能な拡張性を備えていること、そして日立コムがリコーグループのCTIを構築しておりコンタクトセンターの業務や運用を熟知しているため、移転作業をスムーズに進めることができると判断したことが大きな理由だった。
「移転時のトラブルで業務が中断されると、顧客に多大なご迷惑をかけてしまいます。他社製品も検討しましたが、日立コムならば、安心して移転作業を任せることができると考えました。また、CTIの操作性が大きく変わらず、オペレータがすぐに使えること、TM-IIはサーバタイプのIP-PBXに比べ、リアルタイムの専用OSと通信機器に特化したハードウエアにより信頼性が高く、ウイルスに強いことなどから、BCPを実現するのに最適である点を評価しました」(遠藤氏)。
実際の移転作業は2008年4月末からの連休期間中に集中的に実施、5月7日から予定通り、新センターで業務を開始することができた。
現在、コンタクトセンターでは、1.契約企業のサーバ、ルータ、PCなどIT機器の一元的な障害受付、2.保守契約サーバの24時間障害受付、3.ネットワーク機器の24時間障害受付、4.LotusNotes やOfficeアプリケーション、その他業務アプリケーションのヘルプデスクなどの運用・保守サービスを行っている。
RTSは今回のコンタクトセンター稼働をステップに、BCPのさらなる強化のため、大阪のリコーテクニカルセンターにIP-PBXを導入予定。「現在、コンタクトセンターへの電話の7割は首都圏以外の地域からです。首都圏で災害が起きた場合でも通常の7割は電話対応が必要になりますが、大阪のテクニカルコールセンターだけでは対応しきれません。そこで、全国のサービスステーションにコールセンターのシステムをつなげ電話を受けることも検討しています(図)」(遠藤氏)。
また、将来的にはリコーグループ全体として、お客さま相談センターなど他のコールセンターでのIP-PBXの導入に伴い、IPネットワークを利用しお互いにエスカレーションすることでコールセンターを統合、ワンストップ窓口を実現、顧客満足度のさらなる向上を図っていく考えだ。

リコーテクノシステムズ株式会社
[企業名] リコーテクノシステムズ株式会社
[本社所在地] 東京都台東区浅草橋5-20-8
[設立]1977年10月1日
[資本金]21億円
[事業内容]リコー製品およびPC・サーバ・ネットワーク機器の保守サービス、ITインフラ関連のコンサルティングおよび関連工事の企画・設計、導入、施工、ITシステムの運用業務のアウトソーシングサービスおよびトレーニング、その他