近年、クラウドサービスやモバイル端末の普及が加速する中、WAN(Wide Area Network)を経由する大容量データの転送やアプリケーションの多様化が進んでおり、柔軟性と拡張性に優れたSD-WAN(Software Defined WAN) *1の利用が拡大しています。一方、WANで使用されているTCP*2通信には、長距離回線やパケット廃棄*3が発生する回線のデータ転送性能が大幅に低下するという特徴があり、それを解決する手段として、WAN最適化技術が発展してきました。しかし、これまでのキャッシュ方式*4によるWAN最適化ソリューションでは、クラウド側とクライアント側の両方に専用のアプライアンスやソフトウェアをインストールする必要があり、SD-WANサービスとしてそれらのソリューションの迅速な提供に課題がありました。
日立では、これらのニーズを受けWAN最適化装置「日立WANアクセラレータ」 を2015年よりソフトウェア化し、「TCP最適化ソフトウェア」として、さまざまなお客さまに提供してきました。
日立のTCP最適化ソフトウェアは、ネットワークの回線帯域を有効に活用するもので、クライアント側で専用ソフトウェアのインストールや設定が不要なため拡張が容易な上、さまざまなアプリケーションに適用することができます。
「TCP最適化ソフトウェア」は、このたび、米国最大手通信会社であるVerizon Communications Inc.のVerizon Business GroupのVerizon Virtual Network Services(VNS)における「WAN Optimization」に採用されました。VNSは、世界150以上の国や地域で利用可能な有線ネットワークと無線ネットワークを統合したグローバルネットワークのサービスです。