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Hitachi IoT Platform Magazine

全ビジネスデータ「超」活用時代のストレージを創れ

第4回 グローバルチームで先進のストレージを開発

「Hitachi Virtual Storage Platform G100」から「Hitachi Virtual Storage Platform G800」までスケーラブルなラインナップで登場した、日立のミッドレンジストレージ。お客さまのビジネスにイノベーションを起こす、この新製品の開発ストーリーを関係者の皆さんにお聞きします。

第4回目は、グローバルチームと共に設計・開発のとりまとめをされた方々にお話を伺いました。


岸本さん(左)、中川さん(中)、福盛さん(右)

──まずは、それぞれのお立場から今回のミッドレンジストレージの開発について話してくださいますか。

岸本 私はストレージの管理ソフトウェア関係を担当しました。ミッドレンジをお使いの企業の管理者は保守管理にそれほど詳しくないのが実情です。そうした方たちにも安心してお使いいただけるように、容易に使える管理ソフトウェアを開発しています。従来はハイエンドとミッドレンジはアーキテクチャも違い、管理者も異なることがあったのですが、日立はファミリーとして一括で管理するために、ハイエンドもミッドレンジも同じGUI操作で管理できるようにしました。今回の製品は安い価格帯で提供していますので、ハイエンドの機能をミッドレンジをお使いのお客さまにも使っていただけるようになりました。ハイエンドでしかできなかったソリューションがミッドレンジでも使えるようになったため、適用範囲やユーザー層の裾野が一気に広がったと思います。

福盛 私はハードウェアを担当しました。ハイエンドの機能をミッドレンジに盛り込むために、高速インタフェースを数多く使っているのですが、思っていた性能を出すのにかなり苦労しました。高性能を出すためにCPUやメモリーを従来よりも多く搭載しなければならないのですが筐体サイズは規格で決まっています。特に2U筐体のモデルでは冷却のための設計が大変でした。最短距離で配線して性能を出そうとするのですが、発熱対策のために風を通す穴を開けなければならず迂回の必要性がでてきます。そうしたことを考慮しながら、すべてを上手に収めるのは大変苦労しました。しかし、ハイエンドからローエンドまでシリーズ製品をシームレスにラインアップするためには必要なことだったと思います。

中川 私はマイクロプログラムを担当しました。今回の開発ではHitachi Unified StorageシリーズやHitachi Virtual Storage Platform G1000のようにASIC(Application Specific Integrated Circuit)とマイクロプログラムが協調して機能を実現するアーキテクチャではなく、ASICがなくマイクログラムだけで機能を実現する新アーキテクチャに変更しました。マイクロプログラム全体の1割くらいの約300kステップが新規開発でした。新規分はドライバー層を中心に開発しており、上位プログラムは既存のプログラムを変更せずに使いました。ASICで実現していた機能をプログラムロジックで実現することが一番難しかったところで、この開発だけで2〜3年くらいかかっています。それでも6年前から構想していたことなので、比較的スムーズに行えたと思います。

──つまり6年前からソフトウェアディファインドを見据えていたのですね。

中川 そうです。約6年前からエンタープライズ向けのソフトウェアをミッドレンジに移行することがロードマップにあり、準備を着々と進めていました。

──今回のミッドレンジは、ワールドワイドのチームで開発されたそうですね。

福盛 実は10年以上前から、同じ日立の製品なのにどうして操作性を統合できないのか、といった意見を海外販社の日立データシステムズ経由で頂いていました。そうしたことも含め、今回は開発コンセプトをワールドワイドのビジネスチームとともに練り上げました。そして開発中も会議を交え問題解決しながら進めていったため、大きな変更点もなく開発を進められました。予定よりも発表を遅らせたのですが、それは私たち開発現場がもう少し性能を磨き上げたかったからです。おかげさまで売り上げも順調に伸びています。

岸本 性能改善については海外のお客さまからの要求が大きいですね。

──海外と日本のお客さまでニーズに違いはありますか。

福盛 ひとことでは言えませんが傾向としては、日本のお客さまは使い方に合わせたカスタマイズで対応、海外のお客さまには一般的な使い方を想定したパッケージングで対応しています。

──グローバルチームの拠点はどこになりますか。

福盛 アメリカとイギリスと、戸塚と小田原です。海外の開発者などの異なる視点からのフィードバックはとても役に立ちます。

岸本 グローバルチームというだけでなく、ハイエンドとミッドレンジの開発部隊が一緒になったため、お客さまからの要求にも迅速に対応できるようになったことが、お客さまにとっても大きなメリットになっていると思います。今回、ハイエンドとミッドレンジのアーキテクチャを一体化したことの意味は、ハイエンドのお客さまからの厳しい要求に応えた技術やノウハウをミッドレンジに反映できるということです。ストレージはお客さまのビジネスとともに成長していますから、お客さまのニーズに応えるだけでなく、必要とされる機能を先取りして搭載して今回のような製品を開発いくことも私たちの仕事だと考えています。

──シリーズ化する上で苦労された点はどのようなことですか?

福盛 今回は共通のアーキテクチャによって開発されたシリーズですから、ミッドレンジのモデルであっても、信頼性は重要になります。コストダウンを考えれば、筐体に固定してしまった方がいい部品も、稼働させながら交換できるようにして、信頼性を高めています。

──今回の製品は自信を持って送り出したといえますね。

福盛 そうです。でも使いやすさはもっと改良していきたいと思っています。もともとミッドレンジクラスをお使いのお客さまは、データ移行などはあまり意識せずに業務されているわけですから、使いやすいですよと言っても、まだ戸惑いがあると思うので、もっと操作性を高めたいと思っています。

岸本 ミッドレンジの使いやすさとハイエンドの厳しい性能要求が完全に融合できるようになることがゴールだと考えています。そのゴールに向かって、もっと性能を磨き上げていきたいと思っています。

福盛 今回の開発はデュアルクラスターで片方が止まったらフェイルオーバーするストレージの開発ですから、言ってみればタイヤがパンクしてもずっと走り続ける自動車を作るのと同じことです。もっと信頼性や性能を上げていきたいと思っています。

──さらに完成度を上げようとするグローバルチームの取り組みに、ますます期待が高まりますね。
(次回に続く)

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