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Hitachi IoT Platform Magazine

オープン・マインドのエンジニアがOSSでイノベーションを創り出す

第2回 油断できないOSS活用

IoTをはじめとする社会イノベーションが進展する中、ますます重要度を高めるOSS。日立は昨年10月、日立グループ全社のOSSに関するノウハウを蓄積し、OSS活用に関する付加価値の高いソリューションを生み出すためにOSSソリューションセンタを開設しました。センタのOSSに対する取り組みとOSSが変える未来について、金融ビジネスユニットと公共ビジネスユニットのCEOであり、OSSソリューションセンタをセンタ長として牽引する山本さん、そしてセンタの部長である石川さん、安井さんにお話を伺いました。

第2回目は、OSSソリューションセンタの活動についてお話を伺いました。


石川さん(左)、山本さん(中央)、安井さん(右)

──まず、OSSソリューションセンタの活動について具体的に教えてください。

山本 日立OSSソリューションセンタは、お客さまのOSS活用をトータルにささえる専門組織です。具体的には、日立グループのエンジニアがお客さまシステムの構築・運用においてOSSを活用したならば、そのノウハウをOSSソリューションセンタに蓄積していきます。このノウハウに基づいて、お客さまの安全・安心なOSS活用をささえるためのソリューションやサービスを幅広く開発し、提供してまいります。また、日立はOSSコミュニティや標準化活動にも積極的に参加していきます。技術革新に貢献するとともにOSS全体の普及と発展にも積極的に寄与していきたいと考えています。

石川 OSSソリューションセンタは日立グループ1,056社*のエンジニアが活用できる拠点になります。ですから、金融、通信、公共、製造、流通、医療・・・などほぼ全業種で行われているOSS活用の動きが集約できるようになります。事例がどんどん蓄積されていきますから、ある業務システムをOSSで作りたい場合、同じような事例が他業種であればノウハウのフィードバックにより構築の相当な効率化が可能になります。

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2016年3月31日時点

山本 いま、情報共有の仕組みづくりにも注力しています。日立グループ全体のOSSに関するノウハウ共有の最適化も、このセンタのミッションです。たとえば、あるOSSに新しい脆弱性や不良が発見された場合、その情報が迅速に全体で共有できないといけません。

──システムをリリースしてからでは遅いですものね。

山本 はい。OSSの問題に関しては、検証環境をお客さまに提供して、システム開発の段階で発見できるようサポートしています。さらにその検証環境は、ビジネスの実現可能性の検証も目的のひとつになります。OSSを活用するビジネスは、複数の企業にまたがった共存共栄のエコシステムであることが多いのです。そこで、現在構想しているシステムで複数企業を結び付けて収益につながるサービスを実現できるかどうか、事前の検証が重要になります。そこで検証環境でプロトタイプを構築し、ビジネスとしての可用性や信頼性があるかどうか、お客さまと考えていくわけです。

──これからOSSに携わる人はITのことだけではなく、ビジネスを生み出す力も必要ですね。

山本 はい。ですからOSSソリューションセンタは、OSSに携わるエンジニアとコンサルティングを行う人間が密接に連携する場でもあります。この2者がセンタで、お客さまビジネスのフィージビリティを、お客さまとともに追求します。

安井 お客さまビジネスだけでなく、日立が提供するソリューションについても、エンジニアとソリューション開発部隊が連携して開発します。例えば、このOSSを使うとビッグデータをこんなに早く処理できますとか、このOSSを使うとシステム構築をここまでスピードアップできますとか、そういった技術的な知識を共有しながら、一緒に付加価値の高いサービスを考えていくといった取り組みをしています。

──他にOSSソリューションセンタが提供するソリューションにはどのようなものがありますか。

山本 OSSコンプライアンス コンサルティング サービスはお客さまに大変ご高評をいただいています。実は、OSSはタダだと思っていて、ライセンスの存在に気がつかないお客さまが結構いらっしゃいます。OSSはオープンソースと言っても使い方に条件や制約があります。コミュニティや開発者などが規定している約束事項を守らなければライセンス違反となります。そうならないためには、その約束事項が何かを知らなければなりませんが、約束事項が書かれたドキュメントの多くは英文で、かなりのページ数のものになります。読破し理解するには膨大な時間が必要でしょう。しかし当然ながら、日立には広範なOSSに関するコンプライアンス関連の知識が、豊富に蓄積されています。私たちはこの知識を活用して、お客さまのコンプライアンスを遵守したOSS活用をサポートします。

──これはユーザーのみなさんが助かりそうですね。

石川 はい。発生する義務などを誤解なく理解するには、慎重に読み進めなければなりません。例えば約束事項として、製品に組み込んで使用したら、製品全体のソースコードを開示しなければならないというものもあります。これを理解しないでそのOSSを使ってしまうと、ソースコードを開示したら事業として成り立たなくなってしまうようなビジネスの場合、きわめて面倒なことになります。また、少し前はライセンスの必要なOSS製品は10くらいだったのですが、今は1,000以上の数になってきていますので管理はとても煩雑です。こうした業務は事業活動の源泉ではありませんので、今や、ライセンス管理の効率化は、お客さまの大きな課題になってきています。そこで日立の豊富な知見を活かして、お客さまのOSS活用に応じて必要となるライセンスに含まれる約束事の情報や輸出管理情報などを提供します。

──輸出管理情報も・・・ですか。

石川 はい。一般のユーザー企業ですと、多くはエンドユースなのでそれほどライセンスの義務は厳しくないのですが、開発会社さまがOSSを活用してアプリケーションを開発し、それを他社に販売しようとすると違う義務が発生します。さらに、その製品を海外へ持ち出す場合には、さらに別の規約を守らなければならなくなります。また、OSSの中には暗号化ソフトウェアを標準で搭載しているものが少なくないのです。そこで輸出管理情報もお客さまには必要となってきます。お客さまのビジネスが広がるほどに、いろんなライセンスに関わることになっていきます。

山本 OSSの輸出管理の問題などは、日立でもお客さま企業でもビジネスに大きく関わるのは同じですから、そのノウハウをしっかり蓄積して、日立グループの中はもちろん、お客さまや開発会社さんにも広く提供して行きます。

──OSSソリューションセンタは、非常にきめ細かくお客さまをサポートするのですね。

安井 OSSを活用してお客さまのビジネスに耐えられる高信頼なシステムを実現するためには、やはりベンダーのサポートを受けるのがベターだと思います。豊富な知見を持つ日立なら、計画段階でのフィージビリティなどのコンサルティングにはじまり、設計、開発、構築の支援はもちろん、運用フェーズでのサポートサービス、さらにコンプライアンスのご相談まで、お客さまのOSS活用をトータルにささえることができます。

山本 システムを安全・安心に使っていただくことは、OSSの時代になっても日立の使命であることに変わりはありません。これからOSSソリューションセンタが中心になってその使命を果たしていきたいと思っています。

──革新とスピードをお客さまに届けるOSSソリューションセンタですが、サポートに対する姿勢はこれまでの日立と変わらないということですね。ありがとうございました。




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